Hiroのもいもいフィンランドvol.69「The End Of The Roadラスト・ツアー中のKISSがヘッドライナーだったRockfestレポ!」
3年前フィンランドのヴァンターで初めて開催され急激に成長してきたロックフェスがあります。その名もずばりRockfest! KISSがヘッドライナーだった今年最終日の3日目に行ってきました。場所は昨年からヒュヴィンカー空港に移動しました!
写真:Henri Juvonen
初日の出演者はSlipknot、Amaranthe、Don Huonot、Enslaved、Powerwolf、Santa Cruz、Turmion Kätilöt、Defecto、Goresoerd。
2日目は Disturbed、In Flames、Dream Theater、Within Temptation、Turbonegro、Blind Channel、Diablo、One Morning Left、 Rise of the Northstar、Mokoma、Huora、Chang、Rave the Reqviem。
そして参戦した3日目はこちら!
ラジオシティステージ(メインステージ):KISS、Def Leppard、Ugly Kid Joe、Lordi
ペルケレステージ: Stam1na、The 69 Eyes、Kotiteollisuus、Sara
キヴィステージ:Rytmihäiriö、The Ocean、Oceanhoarse、Temple Balls
ちなみにステージ名についてるペルケレは放送禁止用語であまり連発しないほうがいいと思います(笑)。キヴィは石の意味です。
ゲートが開いたのが午後2時。その30分ほど前に到着したのですが、すでに並んでる人が。ゲートが開くと同時にダッシュでメインステージ目指す人も!KISSがお目当てならKISSの出番は午後11時から!
今年のRockfest最終日トップバッターは、2017年のLOUD & METAL MANIAで来日もした若手ハードロックバンドTemple Balls!この日は気温はそれほど高くなかったものの快晴で太陽がステージ前方からジリジリ照り付け、ステージ上はかなりの強風。セカンドアルバム『Untamed』のオープニングナンバー「Infinity」でスタート!照り付ける太陽にもびゅーびゅー吹きつける風にも負けず、ファーストとセカンドアルバムから、おなじみなキャッチャーなシングルカットソングを中心に元気でエネルギー溢れるライブを披露!ギターソロも忘れてない!彼らのライブの中盤にメインステージでLORDIがスタート!それでもステージ前にちゃんといたファンに、Lordiに聴こえるよう叫んで!っていうと観客から歓声が上がる!
Temple Ballsを最後まで見た後、すでにライブがスタートしていたLordiを観るためメインステージに移動!すでにかなりの観客がいた中、隙間をぬぐって少しづつ前に。Lordiといえば2006年ヨーロッパの歌の祭典ともいえるユーロビジョンソングコンテストにフィンランド代表で出演。フィンランドに初めて優勝を持ち帰り一躍大旋風が吹き荒れたモンスターの姿をしたハードロックバンドだ。ちなみにユーロビジョンでフィンランドが優勝したのは今のところLordiのみ!優勝した年のフェスで1度観たことがあり、今回が2度目。ステージの後ろ側に小道具を置いてる部屋が作られていて、曲が終わるとボーカルのMr.Lordiは時々その部屋に入り、電気ノコギリやら、小道具を取り出してきては火花を散らしたりと演出!これが次はなんだろうとわくわくすごく楽しい!一番最後にユーロビジョン優勝曲「Hard Rock Hallelujah」が始まると、会場は大合唱で盛り上がりました!
Lordi終了と同時にペルケレステージで始まったのがSara。歌詞がフィンランド語のロックバンド。活動的だったのはもう10年ほど前でしょうか。ほとんど話題のない時期も長くあったのですが、最近また名前を耳にするようになりました。エレクトロなキーボードが印象的なダークなロックサウンド。独特の雰囲気があり、心地よく聴こえました。
Saraの途中でキヴィステージにこの春来日もしたOceanhoarseが登場!解散したAmoralのギタリストBen Varonが中心となり結成されたメタルバンド。印象的だったのはメンバーのルックスがバラバラに個性的。パワフルなボーカルをがっちりしたサウンドでかためるメンバー!このステージから結構遠い場所にあるメインステージで次のバンドが出演だったため、残念ながらあまり見る時間がなくメインステージに移動。
メインステージにはUgly Kid Joeが登場!正直なところこのバンドについてはよく知りませんでした。アメリカのバンドというだけあって、確かにアメリカンなロックで、さわやかな晴れの日にぴったりな感じでした。そう思いながら聴いてると途中でなんと知ってる曲が!「Cats In The Cradle」という曲。知らず知らずのうちにラジオで流れててきいていたのでしょうね。ちょっぴり懐かしさを感じるような曲でした。
このフェス、常にどれかのステージでライブがあり、2つのライブが重なってることも。さらにメディアはでるかもしれない撮影規制についてメディアテントで確認をする必要があり、そのテントがメインステージのはるか後ろ。とりあえずメインステージにみに来た時に確認に。そのあとペルケレステージのKotiteollisuus(コティテオッリス―ス)にむかいました。
Kotiteollisuus はフィンランドでは安定した人気を保っている歌詞がフィンランド語のメタルバンド。ヒット曲も多く、ロック・メタルが流れるラジオを普段から聴いてればおなじみな曲も多く、単調ながらスムーズでルックスとは裏腹にキャッチャーなメタルで楽しめる感じ。
合間にサイン会もあり、この日はKotiteollisuus とStam1naのサイン会が!この日Stam1naのワゴン車が停車していて、Stam1naのサイン会はそこで行われました。行ってみると長ーい列が!ちなみにこのサイン会は参加無料です。予定された時間にサイン会の場所に行けば誰でも参加できます。一緒に写真撮るファンも多いです。
次はキヴィステージのThe Ocean に。どうやら機材トラブルらしくなかなか始まらない。結局15分ぐらい遅れてスタート!ドイツのエクスペリメンタル・メタルバンドとのことで、私にはなじみのないバンドだったのですが、メタルにしてはメンバーはごく普通のルックス。ところがそれとは裏腹にシンセも取り入れ別世界に飛び込んだような独特のかなりヘヴィーなサウンドでした。
The Ocean が終わらないうち、メインステージではDef Leppard が登場。ステージ前エリアはすでにたくさんの人で埋まってる。もうすでに歩き疲れてきたのとお腹もすいてきてしまったので、フードエリアで座って食事をしながらゆっくり聴くことに。Def Leppard の生演奏をバックに食事とは何とも豪華なひと時だったかも。「Hysteria」や「Pour Some Sugar on Me」が登場すると体も自然に動いてしまいますね。
Def Leppard 写真:Julius Konttinen
Def Leppardと入れかわりにペルケレステージでヘルシンキヴァンパイアことThe 69 Eyesのライブがスタート!今年30周年記念として9月13日に12作目のスタジオアルバム『West End』を発売。どこを切ってもThe 69 Eyesだ!って感じの先行シングル「27 & Done」をすでにリリースしていて、ライブでもやってくれましたが、彼らはフィンランドではとても人気があり、ヒット曲のオンパレード!ずいぶん久しぶりに観ましたが、とっても楽しめるゴッスンロールライブでした。
この後メインステージではKISS!The 69 EyesとKISSとかぶってキヴィステージではデスコアメタルバンドRytmihäiriö出演中。キヴィステージのトリとはいえ、かわいそうなタイムテーブルなような。
そしていよいよメインステージのトリKISSの出番が!夏なので午後11時でも外はまだ薄明るいものの、夜は冷え込むこともよくありこの日も寒かった!ステージ前はすごい人で、隙間をくぐってなるべく前にいってみるも、身長159㎝ではフィンランドでは背が低く、前に行けば行くほど周りの背の高い人の中に埋まってしまいステージ横のスクリーンさえよく見えない、、、。なのでまた後ろに戻ったりしてるうちに始まった。スクリーンにはあらかじめ撮影されてたとみられる楽屋から出てくるメンバーの姿が映し出され、「オール・ライト、ヘルシンキ!(ほんとは会場ヘルシンキじゃなくてヒュヴィンカーなんですが、、、笑)「You Wanted the Best, You Got the Best!!」と叫び声がした後、KISSのロゴが描かれた黒い幕が落ち、ドラマーのエリック・シンガー を除く、ポール・スタンレー、ジーン・シモンズ、トミー・セイヤーの3人が火花が降り注ぐ天井から炎がぼっ!ぼっ!と燃え上がるステージに降りてくる。大きな歓声が舞い上がる中「Detroit Rock City」でスタート!個人的に盛り上がったのは「Lick It Up」!合間のスピーチで、ポール・スタンレーが観客から声援を求めたり、言葉を掛け合ったり。私には観客の反応がちょっとおとなしめに感じたもののポールは「awesome」(素晴らしい)と何度も言っていたのが印象に残ってます。実はKISSのライブ中にペルケレステージで昨年来日もしたStam1naのライブが始まったので、写真を撮るため途中ぬけてそっちに!30分ほどで戻ってくると、大好きな「I Was Made for Lovin' You」が終わるとこでした(泣)。どうやらポール・スタンレーはロープで空中を移動したみたいでした。もう1曲やった後「グッナイト!」の声と同時にステージの照明が消えステージは真っ暗に。時間は午前1時前。半袖Tシャツの上にジャケット着てましたが、寒い!そのせいか、もう終わったと思ったのか周りにいた人たちがどんどん去っていくではありませんか。いや、でもこんなにあっけなく終わるはずないよと思い残ってたら、突然ステージにライトが付きエリック・シンガー がピアノを弾きながら大好きな曲「Beth」を歌い始めました。うわ~これは感動だぁ。曲が終わると他のメンバーも登場!「Crazy, Crazy Nights」が始まると白と黒の風船がたくさん飛び出して観客がそれをついて空中をまわって楽しい雰囲気たっぷり。そして始まったのは「Rock And Roll All Nite」!最後はやっぱりこの曲ですよね。前からも後ろからも紅白の紙吹雪が空中に舞い上がりライトに反射してキラキラ!ロックンロールーパーティ最高‼‼ と感じさせてくれました。ただ終わりはやってきます。最後にポール・スタンレーが「ヘイ、フィンランド!ウィ・ラヴ・ユー!」そして「グッナイト!」でThe End Of The Roadツアーフィンランド公演が終わってしまった!観客をバックに記念写真撮ってメンバーがステージを去ると、メインステージの後ろから花火がシュルシュルパンパンパン!と盛大に上がりました。ちょうどKISSの日本公演も発表になりましたね。まだラストツアーがどのくらい続くのかは発表になってないと思いますが、ほんとに最後になるかもしれません。オリジナルメンバーで観たかったという方もいるかとは思いますが、KISSの楽曲が好きならお見逃しなく。
KISS写真:Julius Konttinen
写真:Henri Juvonen
こちらはKISSのオフィシャルにあがったこのフェスの最後の曲の映像です!
さて花火まで上がってしまうと、もうフェスが終わった感が漂ってましたが、ペルケレステージではStam1naのライブが熱く続いてました。フィンランドではとっても人気のあるメタルバンドで、同時にKISSのライブが行われていたにも関わらず彼らにもけっこう観客が集まってました。
このフェスのFBに来年また会おう!と出ていたので、来年も開催予定ではないかと思います。行きたいなと思われた方の参考に付け加えておきます。出演者が発表になる前秋ごろにブラインドチケットといって通しのチケットが発売になるかと思います。このチケットはお得です。ただこのチケット発売の時点で出演者はまだわかりません。スウェーデンで開催されているSweden Rockと開催の週が同じで、今年の場合だとSweden Rockに出演したKISSやDef LeppardがフィンランドのRockfestにも出演しています。年内にいくつか、年が明けて少しづつ出演者が発表になってきますが、チケットのお値段はだんだん上がってきます。1日券より通しで買った方が安くなります。VIPチケットというのも出てきますが、フィンランドのフェスのVIPはステージ前にVIP専用エリアがあるわけでないことが多く、だいたいは横の方にあります。専用の入り口、バーやトイレ、食事つきの場合もあります。そして高い場所から眺められるようになっていることが多いです。すべてがとは言い切れませんが、このフェスもそうでした。なのでVIPかったからステージ前で観れるわけではないのでお気を付けください。ただし大物バンドの単独公演のVIPにはステージ前が含まれてることもあります。もしくはファンゾーンとかゴールデンサークルなどの名前が付いている場合もあります。
今年のRockfest、VIPエリアからの眺めはこれではないかと思います。
このRockfestは去年からキャッシュレスになりました。会場内でクレジットカード支払いもできません。チケットと引き換えになるブレスレットについてるチップにお金を入金する必要があります。事前にブレスレットを受け取りネットで口座を作りあらかじめ入金か、フェス会場の入金場所でクレジットカードか現金で入金もできます。この場合1度につき1€の手数料がかかると書かれてましたが、現金で入金してみたら手数料はかかってなかったみたいです。残高が2ユーロ以上の場合は期間内に申請すれば返金してもらえるようです。その場合手数料1€かかるとのこと。会場内での支払いはすべてこのブレスレットについてるチップをかざして行います。
会場内にある入金場所です。
食べ物はソーセージからハンバーガー、ムイックというバター炒めしたこ魚とかスモークサーモン、アジア系、タイ料理もありました。お値段は10-15€ぐらい。
ムィックとサーモンの盛り合わせにしたのですが、食べてる途中でフォークの中2本が折れてしまいメロイックサインになってしまいました(笑)。
危険物の持ち込みはもちろん禁止。傘の持ち込みも禁止なのでお天気悪い日はカッパ持参を。ふたを開けてないプラスティックの小さいペットボトルは持ち込みできるフェスもありますが、このフェスは飲み物の持ち込みすべて禁止でした。ただ空のプラスティックボトルの持ち込みは可能で、会場内にVesipisteと表示された水の給油場所があります。そこで空ボトルに水を入れることができます。買うと水のボトルは3€でした。バーも何カ所かあり他のドリンクはそれ以上。
高級トイレというのもありました。使用は3€。使わなかったのでどこがどう高級なのかはわかりません(笑)。一般の仮設トイレは無料です。
絶叫マシンやバンジージャンプも体験(有料)できます。
このフェスは常にどこかでライブがあるといったタイムテーブルで空きの時間がまったくありません。演奏時間が重なってるバンドもあるので、観たいバンドが重なった場合はどちらを優先するか難しい選択が必要になります。そして3つあるステージかなり距離があるので、歩く距離半端ないです。最後終わってからもバス停までかなり歩くことになるので覚悟を。
市内に宿泊施設は少ないと思うのですが、フェス期間中臨時バスや電車もあったのでヘルシンキに宿をとって通うことも可能です。電車で片道45分ぐらいです。市の中心部からフェス会場まではシャトルバス(有料)が運行されてました。もしくは会場横にテント場(有料)もありました。ただし予約が必要です。
そしてフィンランドの夏は夜10度以下まで冷え込むこともあるので、服装にもお気を付けください。
普段の1週間分を半日で歩いた感じでバテバテになりましたが、いろんなバンドが観れ、しかも最後のツアーのKISSもみれて最高でした!それにしても野外であの大量の紙吹雪!後の掃除大仕事だろうなぁと人が去っていく会場の地面をみて思いました。余談ですが、迎えに来てくれた息子が会場から出てくる集団がほぼみんな黒ずくめだったとびっくりしてました(笑)。
文と写真(KISSとDef Leppardを除く):Hiromi Usenius
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