【インタビュー】ポップスピアニスト・ハラミちゃん、イチナナ生配信&動画から規格外の活躍へ
世界で人気のライブ配信アプリ“17 Live(イチナナライブ)”がオンラインイベントを勝ち抜いた10組の人気トップライバーを集め、開催した音楽イベント<17 Music Wave>。このイベントのハイライトとなる人気投票で、見事1位を獲得したポップスピアニスト、ハラミちゃんがBARKSインタビューに初登場。イチナナ、YouTube、ストリートピアノを通してJ-POPや洋楽、アニソンから演歌までジャンルにとらわれない楽曲をカバーし、ピアノの楽しさを伝える活動を続けているハラミちゃん。イベント当日はX JAPANの「紅」のカバーで、視聴者を圧倒しまくった彼女に話を聞いた。
◆ハラミちゃん 写真
■すごく楽しかったです。みなさん熱く盛り上がってくれて。
■爆発して焦げました。お肉が(笑)。
──まずは<17 Music Wave>1位獲得おめでとうございます。1位になられていかがですか?
ハラミ:今回は歌だけではなく、楽器を使う方々などを含めて個性豊かなライバーさんが多くいらっしゃって。そのなかでハラミが1位になってしまっていいのかなという気持ちと嬉しいという気持ち、どっちもあります。
──<17 Music Wave>のステージは楽しめましたか?
ハラミ:はい(笑顔)。今回(イチナナBANDを従え)バンド編成で初めて演奏させていただいたんですが、自分もテンション上がってすごく楽しかったです。いつもは一人でグランドピアノやストリートピアノを弾くことが多いんですが、BANDメンバーと息を合わせて演奏することで一人で演奏するよりも波動がどんどん大きくなっていって、聴いてる方にもそれがビシビシ伝わってる感じがして。新しい必殺技を覚えた気持ちです。
──それで、ステージで「クセになりそう」とおっしゃってたんですね。
ハラミ:いってましたね(笑)。あと聴き方も、ピアノだけだと穏やかにしっとり聴いて、終わったら拍手をするという感じになるんですよ。みなさん音に聴き入ってくださる方が多いので。でも、今回はバンドもいて、イベントだったので「ハラミちゃーん」とか「よっ!」とか。
──「さすが、いつものカメラ目線!」とか。
ハラミ:そうそうそう(笑)。普段はないような掛け声もありながら熱く盛り上がってくれて。
──つまり、あの日のステージ上でハラミさんはいわば爆アゲ状態だったと。
ハラミ:そうですそうです。爆発して焦げました。お肉が(笑)。
──ぶはははっ。ではそのお肉の話に関する話からいきますね。ハラミさんのトレードマークといえば肉を耳に挟んだうさぎですけど。これにはどんな意味があるんですか?
▲ハラミちゃんのトレードマーク“ウサミちゃん” |
──ハラミさん自身肉食女子なんですか?
ハラミ:はい。そのなかでもハラミ肉がめっちゃ好きで。それでこの名前にしました。
──そもそも、ハラミさんはなんで「17 Live」でライブ配信をしだしたんですか?
ハラミ:去年(2019年)の7月頃に「17 Live」とYouTubeを同時に始めたんですけど。
──まだやりだして半年ぐらいということ?
ハラミ:そうなんです〜。YouTubeは世界中のすごく幅広い世代の人が見ているメディアなので、自分の認知度を広げるため、かつ音楽を届けるためには動画が一番いいと思ったのでYouTubeを始めて。イチナナは生配信を通して演者とファンの方との距離がすごく近いので、ファンとの絆を深められるメディアだと思ったので、ハラミの認知度を広げるYouTube、そこから来てくださったファンとの距離を縮めるイチナナ、という感じで両方をスタートさせました。
──動画や生配信をやってみたかったんですか?
ハラミ:いえ。私は音楽大学でピアノを専攻して卒業したんですが、その後は音楽とはまったく関係ない一般企業で会社員として普通に働いてたんですね。
──そこまでピアノを突き詰めておいて?
ハラミ:はい(笑)。珍しいですよね。音楽を生業にするのは諦めたというのが近いんですかね。上には上がいる世界ですから。そこで自分がどう戦っていけばいいのかが当時は分からなかったんですよね。それで、現実問題自分がピアノの技術を生かして自立して生活していくことを考えたとき、それならまずは社会人としての知識を身につけてピアノ以外の武器として社会人としてのスキルを積んだほうがいいと素直に思ったので、一般企業に就職することを選択したんですよ。
──面接のときに「音大でピアノ極めてきた人がなんでウチに…」とか言われませんでした?
ハラミ:まさにそれを言われました。「こんな特殊な人は初めてだよ」って驚かれました。「1つを極められたなら、他のことも極められるかもね」という理由で入れて下さって。
──素敵な褒め言葉じゃないですか。
ハラミ:そうなんですよ。なので、会社にはすごく感謝しています。それで、会社で働きだしたら働きだしたで、私は性格上中途半端なことができなくて、1つのミッションを任されたらとことん突き詰めてやりすぎてしまうんですね。
──分かりますよ。そういうトゥーマッチな性格がピアノの演奏にも出てましたから。
ハラミ:そうなんですよ〜(苦笑)。ついついやってしまうのが私の人生で。それで、仕事をやりすぎて体調を崩してしまって会社を休職することになったんです。それで体も壊し、精神的にも参ってしまって、自分に自信が無くなってしまってずっと家に引きこもるような生活をしだしたんですよ。
──どのくらい引きこもってたんですか?
ハラミ:ずっと家にいたのは3〜4カ月ぐらいです。実家なんですけど、その間は家族としか喋れなくてスマホも見られないぐらい落ちてたんです。本当、ゼロか100か、極端な性格なので(苦笑)。そのときにいま一緒にやってるスタッフ、同じ会社の先輩だった方なんですけど。こんな引きこもった同僚がいたら、普通の人は連絡するのは避けるじゃないですか? でもその先輩は連絡してきてくださって、その方が「ハラミちゃんがいま自信を無くしてるなら、気分転換にハラミちゃんの人生のなかで一番自信があるものに挑戦しよう」といって、家から私を引っ張り出してくれて。いまはいろんなところにストリートピアノがあるんだよといって、リハビリがてらにといって都庁に連れて行ってくれたんですね。そこで初めて“都庁ピアノ”(東京都庁展望台にある誰でも自由に弾けるピアノ)の存在を知って。都庁ピアノで初めて私が弾いたのが映画『君の名は』の主題歌になったRADWIMPSさんの「前前前世」だったんですけど。私は仕事をしてる間、まったくピアノに触れてなかったので、ピアノを弾いたのは音大生ぶりだったんですよ。でも、弾き終わったら、そこにいたおばさまとかが「すごく素敵だった」とかいろいろ話しかけて下さって。そうしたら、先輩が「じゃあこの動画をYouTubeにあげてみよう」といって。勢いであげたら、その動画が2週間で30万再生とかされて。
──いきなり動画がバズってしまったと。
ハラミ:ええ。そんなこと夢にも思ってなかったので、自分のピアノに世間の方がこんなに反応して下さることにビックリしてしまって。それを続けていって、動画本数が増えていくなかで、やっと自分も自信を取り戻してきて。自分はやっぱりピアノを弾きたいんだなと思って、ピアノを弾く活動を始めました。
──つまり、都庁ピアノに反応してくれる人がいたことで、引きこもっていた自分をブレイクスルーすることができた訳ですか?
ハラミ:そうですね。リスナーさん、ファンの存在が私が音大時代に諦めたピアノの夢をもう1回追いかける気持ちにさせてくれました。
──リスナーやファンの存在をより身近、リアルに感じられるイチナナは、その気持ちをさらに後押ししてくれたんじゃないですか?
ハラミ:まさに。だから、イチナナでつながったファンの方は初めて会っても初めての気がしないんですよ。これ本当なんです! 私のファンの方はハラミのファンですというのが分かるように名札を作ってつけるという文化があって(笑)。みんなファミリーみたいな感じなんですよ。去年12月に初めてワンマンライブをやったんですけど。そのとき集まってくれた方は半分がイチナナのお客さん、残りがYouTubeのお客さんだったんですね。それで、ハラミの強みの1つは即興性で、リクエストされたものをその場ですぐに弾くというのがあるんですけど。ワンマンでもそういうコーナーを作ったんですね。そこでイチナナのお客さんがリクエストすると、イチナナのお客さん全員ですっごい盛り上がったりして。私と同じように、イチナナはファン同士も初めて会ってもすでに仲がいい、みたいな現象が起こるんです。ハラミはファンの方を“お米さん”と呼んでるんですけど。
──え、なんでお米さんなんですか?
ハラミ:お肉を支えて下さる存在としてそう呼んでるんです(笑)。とくにイチナナのお米ファミリーはみんな仲よしなんですよね。
──ハラミさんは現在“ポップスピアニスト”と自ら謳われてますけど。幼少期から大学までクラシックを専門に極めてらっしゃった方が、あえてこのような肩書きを打ち出した理由を今日はぜひ聞いてみたかったんですよね。
ハラミ:私が活動している1番大きな目的が“ピアノの敷居をさげたい”ということなんです。ピアノは『一人オーケストラ』といわれるほどいろんな表現ができる楽器なんですね。でも、インストゥルメンタル(楽器のみ)。『紅白歌合戦』に歌手の人は出るけど楽器だけの人は出場しないじゃないですか? 楽器だけの世界って日本はまだまだ浸透していないなと俯瞰して思っていて。ピアノって本当に楽しい楽器だとか、こんな表現ができるんだとか、それを知ってもらうためには自分の価値観ではクラシックよりもみんなが知ってる曲、ポップスを弾いたほうが身近に感じてもらえる一番の方法だと感じてるんですね。そういう視点プラス、私がポップスを弾いてるときが一番楽しいということで、こういう肩書きにしました。
──クラシックを弾いてるよりも楽しいんですか?
ハラミ:そうなんです。私は4歳からずっとクラシックを習っていて、コンクールもクラシックのものばかり出てたんですけど。バレないようにこっそりポップスを弾いてたんです。
──クラシック界ではポップスを弾くと基礎が崩れてしまうからって。
ハラミ:よくご存知で。本来はNGなんですよ。だけど、なんで私がこっそりポップスを練習してたかというと、学校にはオープンスペースとか音楽室に必ずピアノがあるじゃないですか? そこで休み時間に流行ってる曲をその場で弾くと、全校生徒が集まってきて「次、〇〇弾いて!」とかになって、自分がそこではヒーローになった気分になれたんですよ。特に勉強も運動もできない私が唯一輝ける場所。それが、休み時間の音楽室だったんですね。それが自分の生きがいだったというか。それぐらい楽しくて、心が踊る瞬間だったんですね。
──小学生時代のことですか?
ハラミ:小学校から高校までずっと毎日休み時間にピアノを弾くのをやってました。弾いてみんなが笑顔になって自分も楽しい。その瞬間が作れるのはポップスを弾いてるときで。かつ、みんなリクエストに応えるとき。そうやって双方向のコミュニケーションがとれる状態で音楽を楽しむというのが自分のルーツには昔からあったので、“ポップスピアニスト”としてピアノの存在を身近に感じてもらおうと考え、この肩書きを自分で考えてつけました。
──この肩書きには、自分はピアニストとしてやっていこうという覚悟も込められている?
ハラミ:そうですね。覚悟を決めるまではめっちゃ考えました。ノートに自分とは何かというのを書き出して。この後元の会社に復帰するのか、ピアニストとして自分を露出してやっていくのか、別の会社に転職するのか、ニートを続けるのか、はたまた旅人になるのか。選択肢はいっぱいあったので。そのなかで自分はなんで休職したんだ、自分は何をやりたくてどんな人生を歩みたいのかということをひたすら毎日模索して書いていって。その結果、自分のピアノというルーツはどのコミュニティーに行こうが、ピアノと人生をともにすることは外せないと思って。それで、いまはまだ20代。このピアノという武器を120%発揮して生きていかないと死ぬときに自分は後悔するとな直感的に思ったんですね。ちょうどその頃YouTubeの動画もバズりだし、イチナナでもリスナーさんがつきだした時期だったんで。
──波はきている。ここで、この波に乗らないでどうするんだと。
ハラミ:そうです!そうです!会社に就職するのもピアノ教室開くのもいまじゃなくてもできる。
──ああー。たしかに!
ハラミ:だけど、いましかできないのはこれだと思った結果「よし、この波にのろう」と覚悟を決めました。
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