【特集 インタビュー vol.3】植田真梨恵、アートを語る「作品に服を着せる感覚なんです」

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■死にそうって思いながらやったことって
■忘れないですよね。心に残っている

──確かに「彼に守ってほしい10のこと」と「ザクロの実」の2曲だと、大人しい印象を持たれるのもわかるかも。

植田:なので、「FRIDAY」みたいなガツンとした楽曲のミュージックビデオでは、顔を歪めて歌うような場面も入れたかったし、一緒に出演してもらったのはロバートさんという絵描きの方なんですけど、ポンポンをダルそうに振ってもらったり、ちょっとやる気のなさそうな表情とか、私の好きな“ユルいイメージ”を詰め込んで。そういう意味でも、大事なミュージックビデオになりました。

──B級映画っぽさもあって、“ああ、こういうのが好きなんだな”ということがわかる仕上がりでした。

植田:B級映画、好きですね。「FRIDAY」も「REVOLVER」もそういうイメージがありました。


▲「REVOLVER」MV絵コンテ

──人形劇風のDIYな「REVOLVER」は、手作りとしては究極のミュージックビデオかもしれない。

植田:スタッフさんもみんな頑張ってくれて。もちろんお仕事としてなんですけど、大人が終電を超えて陽が昇るまで一生懸命、お人形を動かしてるっていう。こんなことしてるチームは絶対にメジャーで他にないだろうし、本当に感動的で。でも、実際に朝を迎えたスタッフさんたちはもう地獄みたいな顔で、申し訳ないなと思ってました(苦笑)。だけど、本当に素敵なものができたと思っています。

──文化祭的な楽しさがありそうですね。植田さん自身が“こういう映画が好き”とか、ミュージックビデオを作り出す上で刺激を得ているものとは?

植田:制作された年代の流行というか、フォントとか色味が強く出ている映画が好きで。最近、映画が制作された年代を当てるのがめっちゃ得意になったんです、“この感じは198……3年!”みたいな(笑)。その時代ならではのアート感覚が色濃く出ていながらストーリーに共感できて、“私、そこに着いていきます”って言えるくらいの内容じゃないと“好き”とは言えないんですけど。

──なかでも、“これは自分の琴線に触れる作品”を挙げるなら?

植田:自分の中で“ベスト10”は決まっているんですよ。1位は『エターナル・サンシャイン』(2004年公開 / 米国)、2位は『ファイト・クラブ』(1999年公開 / 米国)、3位は『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2001年公開 / 米国)、4位は『ビッグフィッシュ』(2003年公開 / 米国)、5位は『ライアー・ライアー』(1997年公開 / 米国)、6位は『リトル・ダンサー』(2000年公開/ 英国)……、今挙げた好きな作品ってどんどんミュージカル化されているんですよね。7位は『ゴッドファーザー / 米国』(1972年公開)、8位は『アニー・ホール』(1977年公開 / 米国)、9位はユアン・マクレガーが出演している『普通じゃない』(1997年公開 / 米国)、10位は『ヒューマンネイチュア』(2001年公開 / 米国仏国合作)。今は、『ロジャー・ラビット』(1988年公開 / 米国)とかも入れたいですね。

▲植田真梨恵 画像ページ【3】へ (※画像3点)

──傾向がありますね(笑)。それらは、ご自身の作品の中の映像や写真、ファッションにつながっているという感覚も?

植田:あると思います。たとえば「この映画のオープニングアニメーションみたいなCGの雰囲気がいい」とか、「色味はこんな感触が好き」とか、そういうイメージを伝えたりもしますから。

──いつもファッションやメイクを見て思うんですが、特にトレンドものを着るという感じではないですよね、“これが好き”っていうのが植田さんの中で決まってる感じがしてて。普段服と衣装との誤差もあまりないし、きっとすごく“自分”っていうものが出ているんだろうなって。

植田:スタイルがないと、その人っぽさが出なかったりするでしょう? 以前、映画『トモシビ 銚子電鉄 6.4kmの軌跡』に出演させてもらったときに一番戸惑ったのが、そこだったんです。私は日頃、自分の歌詞で、服で、メイクで人前に出ているから、そのすべてを取り払って“自分の顔だし声だけど、自分じゃない人”を演じるとなったときに、自信が持てなかったというか。ただただ自分が好きな言葉とか服をまとって歌ってるだけなんですけど、人前に出す責任が持てるものって、そういったものなんだなって改めて感じたというか。アイデンティティーみたいなものがそこにあるんだなって。だから、映画で喋る自分を見たときに、すごくドキドキしたんです。


▲映画『トモシビ 銚子電鉄 6.4kmの軌跡』画像

──役柄は、植田さんと同じシンガーでした。

植田:映画の中でも歌わせていただいたし、役柄もシンガーソングライターで、自分と近いところもあるんです。だけど、決定的に私じゃなっていう。絶対に私は言わないだろうなっていうセリフが、こんなにも気になるんだって。そういうことに気づけたことが、すごく面白かったですね。もしまた演じるような機会があったら、今度はもっと演技の勉強をしていかないと、心が打ちのめされるなと思いました。

──2017年には、アートワークやミュージックビデオ、絵コンテやインディーズ時代のチラシなど、植田さん自身が手掛けた作品を集めたギャラリー展『植田真梨恵、はじめてのアートワークギャラリー』も開催しました。植田さんの頭の中を覗くような面白さがありましたが、またやってみたいという気持ちも?

植田:つい一昨日くらいにそんなことを話したばかりで。前回は久留米と横浜と大阪の3ヵ所で行なったんです。地元での開催ももちろん面白かったんですけど、どの場所も飾り付けが本当に大変で(笑)。なにしろ10年分の作品たちだったので、そもそものコンセプトがバラけてたし、会場の形もさまざまだったので、導入からどう見せるかとか、統一感を出すことがなかなか難しかったんです。でも、“死にそう”って思いながら一生懸命やったことって忘れないですよね。すごく心に残っている。

▲ギャラリー展『植田真梨恵、はじめてのアートワークギャラリー』画像

──お客さんはビックリしたと思いますよ、あの量は(笑)。

植田:まさかあんなに残っているとは、私自身も思ってなくて。マネージャーさんが資料としてすべて取っておいてくれたんですけど、本当にありがたかったですね。あれでも削ったんですよ、アイディアスケッチとかは持っていける分だけっていう感じにしたり。今後、“作りたい”と思っているのは、ライブのときにお客さんがくぐる“門”なんです。そのゲートをくぐったら、非日常的な空間へ行けるような。そういうものができたらまたギャラリーに展示したいですね。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎緒車寿一



■植田真梨恵メジャーデビュー5周年YEARの幕開け『祝5周年!5作連続リリース!』

1月16日 デジタル配信シングル「FAR」
1月23日 LIVE Blu-ray『Live of Lazward Piano “bilberry tour” at 東京グローブ座』
2月20日 二作連続コンセプトミニアルバム『F.A.R.』
3月13日 デジタル配信シングル「Bloomin’」
4月17日 二作連続コンセプトミニアルバム『W.A.H.』

【第四弾】デジタル配信シングル「Bloomin’」

2019年3月13日(水)リリース


▼配信情報
・iTunes
・mora
・レコチョク
・BEING GIZA STUDIO 他

【第五弾】二作連続コンセプトミニアルバム『W.A.H.』

2019年4月17日(水)リリース


【初回限定盤 (CD+DVD)】GZCA-5286 ¥2,500(Tax out)
※紙ジャケ仕様
(1. entrance)
2. Bloomin’
3. 勿忘にくちづけ
4. 花鬘
5. 灯
6. 長い夜
7. ひねもす
▼初回限定盤 特典DVD
植田真梨恵 LIVE TOUR UTAUTAU vol.3
2017.9.6 サンケイホールブリーゼよりLIVE映像14曲収録
01. REVOLVER
02. FRIDAY
03. カーテンの刺繍
04. シンクロ
05. 灯
06. 愛と熱、溶解
07. 最果てへ
08. ふれたら消えてしまう
09. 砂漠の果てに咲く花
10. 箱
11. わかんないのはいやだ
12. 夢のパレード
13. スペクタクル
encore
en1. 彼に守ってほしい10のこと


【通常盤 (CD ONLY)】GZCA-5287 ¥1,800 (Tax out)
(1. entrance)
2. Bloomin’
3. 勿忘にくちづけ
4. 花鬘
5. 灯
6. 長い夜
7. ひねもす



【第一弾】デジタル配信シングル「FAR」

2019年1月16日(水)配信リリース


詞と曲:植田真梨恵
arrange:徳永暁人
strings arrange:池田大介
drums:車谷啓介
guitars:岩井勇一郎
bass, keyboards, chorus & programming:徳永暁人
▼配信情報
iTunes
レコチョク
BEING GIZA STUDIO



■【第二弾】LIVE Blu-ray『Live of Lazward Piano “bilberry tour” at 東京グローブ座』

2019年1月23日(水)リリース


【Blu-ray + LIVE CD】GZXA-8034 ¥6,500 (Tax out)
※初回生産分のみ、新曲「bilberry song」収録 8cm CD封入(音源がダウンロードできるQRコード付)
▼Blu-ray 収録曲
<植田真梨恵 Live of Lazward Piano “bilberry tour”>2018.3.25@東京グローブ座
01. 壊して
02. きえるみたい
03. 流れ星
04. スメル
05. S・O・S
06. hanamoge
07. メリーゴーランド
08. 優しい悪魔
09. a girl
10. 灯
11. 勿忘にくちづけ
12. I was Dreamin’ C U Darlin’
13. 夢のパレード
14. 心と体
15. センチメンタリズム
16. FRIDAY
17. 変革の気、蜂蜜の夕陽
18. よるのさんぽ
19. さよならのかわりに記憶を消した
encore
EN-1 REVOLVER
EN-2 旋回呪文
EN-3 サファイア!
EN-4 朝焼けの番人
▼LIVE CD 収録曲
<植田真梨恵 Live of Lazward Piano “bilberry tour”>2018.2.18@京都文化博物館 別館ホール
01. ハルシネーション
02. 白い月
03. スメル
04. JOURNEY
05. シンクロ
06. ザクロの実
07. ソロジー
08. 僕の夢
09. アリス
10. ハイリゲンシュタットの遺書
11. ペースト
12. 心と体
13. センチメンタリズム
14. FRIDAY
15. 吠える虎

【第三弾】二作連続コンセプトミニアルバム『F.A.R.』

2019年2月20日(水)リリース


【初回限定盤 (CD+DVD)】GZCA-5284 ¥2,500(Tax out)
※紙ジャケ仕様
01. FAR
02. ロマンティカ
03. プライベートタイム
04. さなぎから蝶へ
05. 苺の実
06. softly
(07. EXIT)
▼初回限定盤 特典DVD
たったひとりのワンマンライブ vol.3 “good-bye stereotype”
2018.10.19 久留米シティプラザ 久留米座よりLIVE映像13曲収録
01. アリス
02. 最果てへ
03. 砂漠の果てに咲く花
04. カルカテレパシー
05. 210号線
06. よるのさんぽ
07. 雨にうたえば
08. 勿忘にくちづけ
09. 花鬘
10. ペースト
11. 心と体
12. 変革の気、蜂蜜の夕陽
encore
en1. コンセントカー
DOCUMENT MOVIE まわりくるめロケ -ふるさと編-


【通常盤 (CD ONLY)】GZCA-5285 1,800 (Tax out)
01. FAR
02. ロマンティカ
03. プライベートタイム
04. さなぎから蝶へ
05. 苺の実
06. softly
(07. EXIT)

■<Live of Lazward Piano -凍てついた星座->

2019年3月10日(日) 長崎・旧香港上海銀行長崎支店記念館
OPEN 18:00 / START 18:30
(問)キョードー西日本 0570-09-2424
2019年3月17日(日) 東京・日本橋三井ホール
OPEN 16:45 / START 17:30
(問)H.I.P. 03-3475-9999
2019年3月21日(木・祝) 北海道・札幌バプテスト教会
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)マウントアライブ 011-623-5555
2019年3月23日(土) 大阪・大阪市中央公会堂 大集会室
OPEN 17:15 / START 18:00
(問)サウンドクリエーター 06-6357-4400
▼チケット
一般発売日:2019年2月9日(土)

■<植田真梨恵 LIVE TOUR 2019 [F.A.R. / W.A.H.]>

5月05日(日) 宮城 darwin
open16:30 / start17:00
(問)キョードー東北 022-217-7788
5月11日(土) 香川 高松MONSTER
open17:00 / start17:30
(問)デューク高松 087-822-2520
5月19日(日) 福岡 イムズホール
open16:30 / start17:00
(問)キョードー西日本 0570-09-2424
5月26日(日) 愛知 クラブクアトロ
open16:30 / start17:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
6月02日(日) 北海道 KRAPS HALL
open16:30 / start17:00
(問)マウントアライブ 011-623-5555
6月08日(土) 広島 セカンド・クラッチ
open18:00 / start18:30
(問)夢番地広島 082-249-3571
6月16日(日) 大阪 BIGCAT
open16:15 / start17:00
(問)サウンドクリエーター 06-6357-4400
6月23日(日) 石川 金沢AZ
open16:30 / start17:00
(問)キョードー北陸 025-245-5100
6月30日(日) 東京 恵比寿 ザ・ガーデンホール
open16:15 / start17:00
(問)H.I.P. 03-3475-9999
▼チケット
一般発売:4月6日(土)


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