【ライブレポート】ASH DA HERO、ツアー最終日に本気メッセージ「一対一の関係だと思ってる」
ASH DA HEROが11月27日(火)、東京・渋谷TSUTAYA O-EASTで全国ツアー<ASH DA HERO LIVE TOUR 2018“HERO'S PARADE”>の最終公演を行なった。9月からスタートしたこのツアーは、最終公演も含め全国7ヵ所で開催されたものだ。
◆ASH DA HERO 画像
ツアータイトルには“あなたの街にパレードがやってくる”というASH DA HEROの考えたストーリーも付随しており、パレードの日を楽しみに待つ主人公(ライブに来る人)が、周囲からの反対を押し切りながらそこに参加。それだけ楽しみにするパレードには何が待ち受けているのか、どんなことが起こるのか、そしてパレードの正体は……という物語になっていた。
また異例とも思えるのが、ツアーを通してセットリストはほぼ固定であること、ネタバレもOKにすることが、ツアー序盤に本人から明らかにされていた。すなわちそれは、事前にセットリストや流れを知っていようがいまいが、そんな範疇に収まらないものを見せてやるという、ライブへの大いなる自信の表われだろう。
このツアーからの新たなSE「Curtains up」が流れ始めたのは19時。紗幕にブルーのライトが当たった直後、バンドメンバーがソロ回しのように刺激的なフレーズを弾き始め、最後にスポット浴びたASH DA HEROがステージのセンターにシルエットで浮かび上がった。一気に高まる興奮と湧き上がる歓声。「COME ON!」とASHの叫び声で紗幕が振り落とされ、新曲「PARADE」からライブへ突入した。このツアーを経て、ASHの佇まいはさらなる自信にあふれている。ストロングな歌いっぷりとエネルギッシュなライブパフォームを炸裂。ライブのたびにシンガーとして成長した姿をASHは見せてくれる。
「よく来たな!ツアーファイナル……、ツアーが終わって寂しい? そんなのフッ飛ばしてやるからよ。今日から俺たちのまた新しい物語が始まる。最高の夜にしよう!」──ASH DA HERO
その言葉から次から次へとライブのキラーチューンを叩きつける。バンドメンバーの切れ味鋭いプレイと共に、激しく叫び、歌に込めたメッセージでベイビーズ(ASHファンの呼称)を鼓舞させるASH。
しかし熱さで攻めるだけではない。6曲目に披露された「シャニカマ」はダンサブルな側面も持つ新曲で、軽快なステップをバンドのメンバーらと決める場面も。そしてギターを弾きながら歌う「からっぽの街」や「いつかの街で」では、心に染み込む歌を聴かせる。熱いメッセージを放つことが多いASHだが、弱さや悲しみを背負っている詞もある。それは全てが彼の実体験から湧き上がったもの。こみ上げる感情を声にして歌い上げ、パワーバラード「Everything」に続いたとき、力強い愛情で包み込むような歌を響かせていった。歌そのもので感動させ、勇気づけるシンガーがここにいる。
そしてライブは、Queenの「We Will Rock You」のコーラスをフィーチャーしたフリースタイル・セッションから再びロックンロール・モードへ展開。フロアのベイビーズを左右に分けて、主旋律パートと下ハモのパートを歌わせ、今度は全員で歌わせると、これが見事に分厚いハーモニーに。それにはASHも「俺たちは歌えるチームだな!」と笑顔で大絶賛。「WAKE UP ROCK AND ROLL」では、一度、しゃがませて、合図で一斉にジャンプ。ASHがマイクをフロアに向ければ、歌えるチームだからコーラスが湧き上がる。「YELLOW FEVER DANCE」では踊り狂う勢い。こうして全員を巻き込みながらパレードは盛り上がり続けていった。
「このライブ自体、来てくれたあなたと一緒に作り上げていって、パレードの行列のように人が増えていってさ。ブレーメンの音楽隊みたいにさ。俺が伝えたいこと、話したいこと、歌にいっぱい込めて、全身全霊で歌っているから。“みんな”というよりは、俺は“一対一の関係”だと思っている。一人ひとりとタイマンを張るような…タイマンはおかしいか(笑)。一人ひとりと対話をするような感じで、家族のようにギュッとしたいと思う」──ASH DA HERO
形容がおかしいところも多々あるASHだが、歌では一人ひとりの気持ちを射抜く。「THIS WORLD」で聴かせるのは魂のこもった歌。さらに「Never ending dream」では、挑みかかるような体勢で、一人ひとりと目を合わせるように本気でメッセージする。それは心を奮い立たせ、次へ向かうための気合いまで入れてくれる。会場にいる全員を引っ張り上げ、引き連れていくような、そんな力強さと頼もしさがASHにはある。さすが、パレードのリーダーだ。そのパレードは「THIS IS LOVE」で大合唱も巻き起こしながら、最終地点へと向かっていった。
「<HERO'S PARADE>、いよいよフィナーレです。最後にこの曲を、キミとまた新しいスタートのために。一人きりだから戸惑う? この先に居場所がない? そう言うなら俺がいつでも作ってやるぜ。また会おうな」──ASH DA HERO
ラストは「Prologue」で、終わりではなく始まりのナンバー。全ての壁を扉に変えようと歌う、個々の背中を押してくれる歌だ。ASHの歌声を感じながら、歌詞のひとつずつを噛みしめるベイビーズ。ツアーファイナルやパレードのエンディングには、やはり終わってしまうことの寂しさはつきまとう。しかしASHの歌と曲は心の底から元気にさせていく。このライブやツアーに来た主人公それぞれのパレードは、今から始まっていくのだろう。
なお、このツアーファイナルで2019年2月から関東ツアー<ASH DA HERO LIVE TOUR 2019 ”GOD SAVE THE ROCK AND ROLL”>を行なうことも発表された。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎粂井健太
■<ASH DA HERO LIVE TOUR 2018「HERO'S PARADE」ファイナル>11月27日(火)@東京・Shibuya TSUTAYA O-EASTセットリスト
01. PARADE
02. HERO IS BACK 2
03. 反抗声明
04. Spawn
05. BRAND NEW WORLD
06. シャニカマ
07. Rolling Stone
08. からっぽの街
09. いつかの街で
10. Everything
-SESSION-
11. HERO
12. WAKE UP ROCK AND ROLL BAND
13. YELLOW FEVER DANCE
14. THIS WORLD
15. STAY FREE
16. Never ending dream
17. THIS IS LOVE
18. Prologue
■<ASH DA HERO LIVE TOUR 2019 “GOD SAVE THE ROCK AND ROLL”>
開場17:30 / 開演18:00
2月09日(土) 神奈川・厚木 Thunder Snake
開場17:30 / 開演18:00
2月14日(木) 東京・Shibuya TSUTAYA O-WEST
開場18:30 / 開演19:00
2月17日(日) 山梨・甲府 CONVICTION
開場17:30 / 開演18:00
2月24日(日) 埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心
開場17:30 / 開演18:00
3月09日(土) 神奈川・新横浜 NEW SIDE BEACH!!
開場17:30 / 開演18:00
3月15日(金) 群馬・高崎 club FLEEZ
開場18:30 / 開演19:00
3月23日(土) 東京・町田 The Play House
開場17:30 / 開演18:00
3月30日(土) 栃木・宇都宮 HEAVEN'S ROCK
開場17:30 / 開演18:00
4月05日(金) 茨城・水戸 LIGHT HOUSE
開場18:30 / 開演19:00
4月12日(金) 東京・SHIBUYA RUIDO K2
開場18:30 / 開演19:00
4月13日(土) 東京・SHIBUYA RUIDO K2
開場17:30 / 開演18:00
4月14日(日) 東京・SHIBUYA RUIDO K2
開場17:30 / 開演18:00
■<ASH DA HERO 3nd Anniversary Live「BABIES NIGHT 2018」>
12月28日(金) 品川プリンスホテル クラブeX
OPEN18:00 / START18:30
▼チケット
全自由 / ベンチシート席
5,000yen (tax in) ※メモリアルグッズ付き
一般発売:12月1日(土)12:00〜
■<COUNTDOWN JAPAN 18/19>
幕張メッセ国際展示場1〜11ホール・イベントホール
※ASH DA HEROは29日に出演
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