【インタビュー】Ken Yokoyama、15年を物語るセルフコンピ盤完成「横山は一本気だなって」

ポスト

■ツアーに出るとき、いつでもできる曲を
■50〜60は用意していくんです

──それともうひとつ聞かなければいけないことがあるんです。Matchan、脱退の話。これは何事だと。

Matchan:何事?

Minami:私事でしょ(笑)。

Matchan:そう、私事ですね(笑)。今年いっぱいライブやって、そしてKen Bandを離れます。

▲Jun Gray

──私事ということだから理由はあまり聞かないほうがいいんですか?

Matchan:いえいえ。今年頭にKen Bandの4人で集まってミーティングして、「バンドの四分の一としてやっていってほしい」とKenさんから話があって。僕もそのつもりでずっと頑張ってきたんですけど、単純に自分の限界が見えちゃったというか。もともとドラマーとしてバンドをまとめるということが、ひとつもできてなかったと思うので。メンバーからの不満もずっとあったにはあったんです。それが解消できず、加入してからの7年間、ずっと来ちゃったというのもあって。今年頭に“バンドの四分の一”という話を言われてから、自分なりにさらに努力してきたんですけど、それでもみんなに響くものが出せなかったので。その原因みたいなものを考えてみたら、メンバーとして自分がこのバンドにいるという気持ち的なものなのかなと思って。僕はその気持ちが足らなさすぎたので、結果、メンバーとの差ができちゃったのかなと。そういう結論が自分の中で出て、もう無理だなと思った時点で、Kenさんに話をさせてもらったという。

Ken:8月の頭に電話が来て、「やめたい」と言われて。理由を聞いたら「自分のバンドとは思えない」と……。今年1月の夜中、みんなにファミレスに集まってもらって、意識改革のためのミーティングをしたんですよ。Ken Yokoyamaというバンド名でやっていて、僕が始めたバンドだし、僕に気を使ってもらってるのも分かるし、周りからもワントップのバンドだと思われてる。でもそれは結果論であって、内包されているものとして、しっかりと四分の一ずつを担ってほしい、と。結果、そうでなくてもいいんですよ。ただ同じ熱量で関わってほしい、と。バンドとして当然のことを改めてメンバーに頼んだんです。それに対する答えが、Matchanからの電話だったのかなと。「僕には担えない」という……。

Matchan:ええ。そういう感じです。

Jun Gray:Matchanが急にそう思ったわけではなくて、前から悩んでたところもあって、Ken Bandは自分には負担がデカすぎるってね。その都度、「甘っちょろいこと言ってんなよ」って励ます的なところもあったし、それで本人もやってきたところはあったんだろうけど。でも今年1月のミーティングでそういう話になったから、Matchan本人としては、さらにやることいっぱいあるのかなって考えたところはあっただろうし。

Matchan:そうですね。でも、これ以上、何をやったらいいのか分からなくなっちゃったんですよ。どう努力すれば、みんなが求めているドラマーになれるのかっていうのが。もう完全にその手立てがなくなっちゃって。そういうふうに考えちゃう自分の性格も含めて、バンドうんぬんよりも、もはや自分の問題かなと思ったりして。やっぱりドラマーって、人の気持ちを上げてなんぼだと思うので。バンドにとって自分がすでに負担にもなっていたので、それがもっと大きなものになってしまうと、バンドの歩み自体にも影響が……。それでもごまかしながら「やる気あります」と言ったら、メンバーは信じてくれるんで。でも、それでは僕は良くないなと思って。嘘はつきたくないなと思ったんです。

──本人が決断してしまったから、脱退はもうしょうがないという?

Ken:そうなんです。本人が決めたから、もう止められなかったですね。

Matchan:前にやめたいと言ってたときは、ちょっと弱音の部分も入ってたんで。今回は、本当に自分の中で答えが出ちゃった状態で、それをみんなに言ったら、仕方ないねってことになってくれた。変な言い方ですけど、ああ、伝わってるというか。すんなり理解してくれたのは、コミュニケーションはちゃんと取れていたんだと思いましたね。

▲Matchan

──でも脱退を決めたからには、ここから数カ月間、自分がいた7年半の全てを見せるぐらいの勢いでドラムを叩いて、みんなの気持ちをブチ上げてくれないと。

Matchan:ええ、そうですね。でも変に意識せず、お客さんもそんなことを過剰に考えることもなく、ライブを楽しんでくれたらなと思っています。僕の勝手な決断で脱退するので。

──Ken Bandとしては、今年が終わっても、来年も活動を続けるわけじゃないですか。動きを止めることは……?

Ken:ないですね。もう新しいドラマーも決まっているんで。Matchanから話をされてすぐにドラマー探しに動いて、もう見つけてます。新しいドラムとすぐにツアーに戻りたいなって。で、次のアルバムに向かっていきたいという思いです。

──バンドサウンドを固めるために、今回のセルフコンピの曲も含めて、これからスタジオに入る日々が多くなるわけですか?

Ken:そうです。新しいドラマーにやる曲リストを送ったら、93曲あったんですよ(笑)。僕らはツアーに出るとき、いつでもできる曲を50〜60曲は用意していくんです。

──しかし93曲か、ヤバイですね(苦笑)。

Matchan:でも俺が加入したときも、ライブが始まるまでに実質7回だけだったんですよ、リハが。確か60数曲だったかな。頑張ればできますよ〜。

Ken:やめていく人間が何を言ってんの(笑)。

Matchan:いや、俺のこれっぽっちの脳みそで60数曲はイケたんで、頑張ればイケます。

Ken:分かんないよ、新しいドラマーの脳みそも、これっぽっちかもしれないじゃん(笑)。

Matchan:ダメですって、そういうこと言っちゃ(笑)。

──今年も来年もずっとKen Bandはムチャしよるって話ですね。

Ken:うん、そうです(笑)。なるべく時間を空けることなく、新しいKen Bandを動かしたいですね。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎野村雄治



■セルフコンピレーションアルバム『Songs Of The Living Dead』


2018年10月10日リリース
PZCA-85 2,500yen(without tax)
01.I Fell For You, Fuck You (新録/オリジナル)
02.My Shoes (V.A参加曲/オリジナル)
03.What Kind Of Love (V.A参加曲/カバー)
04.My Day (V.A参加曲/オリジナル)
05.Nervous (新録/カバー)
06.Don't Wanna Know If You Are Lonely (未発表曲/カバー)
07.Swap The Flies Over Your Head (新録/オリジナル)
08.If The Kids Are United (V.A参加曲/カバー)
09.You're Not Welcome Anymore (V.A参加曲/オリジナル)
10.Walk (V.A参加曲/カバー)
11.Sayonara Hotel (V.A参加曲/カバー)
12.Going South (初CD化/オリジナル)
13.Brand New Cadillac (新録/カバー)
14.Dead At Budokan (初音源化/オリジナル)
15.Hungry Like The Wolf (V.A参加曲/カバー)
16.Nothin' But Sausage (初音源化/LIVE DVD収録曲/オリジナル)
17.Living After Midnight (V.A参加曲/カバー)
18.A Stupid Fool (V.A参加曲/オリジナル)
19.A Decade Lived (V.A参加曲/オリジナル)
20.Soulmate (新録/カバー)

■全国ツアー<Songs Of The Living Dead Tour>

10月18日(木) 川崎 CLUB CITTA'
w/ SHADOWS
10月24日(水) 福岡 DRUM LOGOS
w/ HEY-SMITH
10月26日(金) 鹿児島 Caparvo Hall
w/ BACKSKiD
10月27日(土) 熊本 Be.9
w/ S.M.N
10月29日(月) 広島 CLUB QUATTRO
w/ サンボマスター
10月30日(火) 松山 WstudioRed
w/ サンボマスター
11月03日(土) 秋田 Club SWINDLE
w/ UNLIMITS
11月04日(日) 青森 Quarter
w/ UNLIMITS
11月06日(火) 仙台 Rensa
w/ COUNTRY YARD
11月07日(水) 郡山 HIPSHOT
w/ COUNTRY YARD
11月12日(月) 高崎 club FLEEZ
w/ rem time rem time
11月13日(火) 長野 CLUB JUNK BOX
w/ ENTH
11月15日(木) 金沢 EIGHT HALL
w/ HAWAIIAN6
11月16日(金) 新潟 LOTS
w/ HAWAIIAN6
11月27日(火) 大阪 なんばHatch
w/ SiM
11月28日(水) 名古屋 DIAMOND HALL
w/ SAND
12月06日(木) 新木場 STUDIO COAST
w/ Dizzy Sunfist

■ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』

放送日程:10月11日(木)22:00~
放送局:TOKYO FM/JFN38局
※横山健出演


◆インタビュー(4)へ戻る
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報