【インタビュー】Ken Yokoyama、15年を物語るセルフコンピ盤完成「横山は一本気だなって」
■クソしながら改めて思ったんですよ
■歳を取るのは楽しいなって
──ともかく今回のセルフコンピは、意外性もあれば、歴史をたどってきた重みもあるし、Ken Bandの変化やバンドサウンドそのものの成長も感じられますよ。マニアだからこそ楽しめると思うんです。
Ken:この言い方は僕はあまり好きではないんですけど、ちょっと裏ベストっぽいんですよね。でもレアトラック集の面目躍如というか、15年掛けただけあっておもしろいものができたなと。
▲Ken Yokoyama |
Minami:Junちゃん、前も自分で言ってたんですよ。俺はエクスクルーシブ・プロデューサーだって(笑)。
Jun Gray:そう、エクス…エクスキュ……プロデューサーなんだよ(笑)。
Ken:言えてないけどね(笑)。エクスキュートになってる。“処刑”ですよ、処刑(笑)。
Minami:ほんとにヤバいヤツっていう(笑)。
Jun Gray:質問は今回の作品のことだっけ(笑)。お客さんにとっては新曲が入ってるお得感もあるし、いろんなところに散った音源がまとまったから便利でしょ。「これがライブでやってたあの曲だ」とかね。オリジナルアルバムしか持ってない人だと、ライブでしか聴いたことない曲もあると思う。そういうのが集まっているからいいんじゃないかな。
──ライブのセットリストは本番30分前ぐらいに決めるから、いつも、どの曲が出てくるのか分からないのがKen Yokoyamaだったりしますよね。フェスの速レポでは、当日、曲順表をもらえるんですけど、Ken Yokoyamaのところだけ真っ白なんですよ(笑)。そのノリが最高です。
Ken:Ken Bandだけ提出されないってこともありますよね(笑)? あと本番のステージ上でも、やる曲が変わっちゃうんですよ。しょうがないですよ、ロックンロールですもの(笑)。
──そうした生き様も刻まれたセルフコンピですか。
Ken:はい……というか進行を戻そうと一生懸命ですね(笑)。
▲Hidenori Minami |
Jun Gray:俺はちょっとやったぐらいで、1980年代でスケボーからは引退しちゃってるんです。でも世代ですね。下北沢にちょうどバイオレントグラインドという店もできたりして、俺、店員として2〜3回だけ立ったこともある(笑)。
──1980年代にアメリカで雑誌『THRASHER MAGAZINE』も発刊されて、スケボーがパンクとかメタルと深く結びついたころでもありましたね。
Ken:だから俺とかMinamiちゃんのほうが直撃だったんじゃないかな。
Minami:高校生のころでね。
──アンスラックスの来日公演では、中野サンプラザに当時あった花壇を利用してスケボーの技をみんなが決めていたりして。
Ken:そうそう。その光景、観ましたよ。アンスラックスの初来日に行ったから。感動的でしたね。関東のスケーターがみんなここに集まったみたいな、そんな感動でしたね。そのぐらいから自分でもスケボーに乗ってて。
──そして昔からの幼馴染が、今はスケートショップも開いていて、オリジナルのデッキを組んでもらったわけですよね。そこからストーリーが始まったという。
Ken:うん、そうです。昔、スケボーに乗ってた人間が久しぶりにやっても、オーリーとかもうできないじゃないですか。トリックを決めようなんてのはMinamiちゃんぐらいのもんすよ(笑)。だからクルーザーでいいじゃないかと。それでWoodsticsでクルーザーのラインを立ち上げたんです。
Minami:幅はあるけど、長さは意外とストリート用に短いデッキなんですよ。持ち運びも計算されてるんです。
──ひょっとして<AIR JAM 2018>のスケートランプでトリックを決めてた一人にMinamiちゃんが!?
Minami:いいえ、僕はVIP席に座って観てました(笑)。
Ken:カルチャーをくっつけて、これがこうで、かくあるべしってことを提示するつもりはないんですよ。ただ、ひとつのブランド名でギターもスケートデッキも作るというのは、世界に例がなかったと思うんです。そういうことやるのが楽しいなって。
──遊びが本気という、一番カッコいいパターンですよ。
Ken:はい。だから、理解してくれたら嬉しいし、認知されたらさらに嬉しいけど、やってるだけで楽しいんで。やっぱ興奮があるんですよ、そこに。ギブソンがスケートデッキは作らないし、サンタクルーズがしっかりしたギターは作らないし。
──キッズだったころのひとつの夢を実現させているわけですか?
Ken:うん、そうですね。昨日、クソしながら改めて思ったんですよ。歳を取るのは楽しいなって。若いときはエネルギーがあるけど、それを実現させる方策を知らないんですね。歳を取ると、実現するメソッドは分かってくる。ちっちゃいころに思い描いていたことも、ずっと熱が変わらないければ、それこそ一本気だったら実現できたりする。
──その言葉、やはり太字にしないといけないですね。
Ken:うん(照笑)。横山は一本気だから。歳を取るのは寂しいって話もさっきはしたけど、それはチンコだけのことでね(笑)。実は歳取るのは楽しい。
──WoodsticsではMinamiちゃんのニューギターも作ったんですよね?
Minami:作ってもらって、すでにライブでも使っています。
Ken:あとタイミングがいつになるか分からないけど、僕モデルとMinamiちゃんモデルのギターは、年内には販売にこぎつけられるんじゃないですかね。
──<AIR JAM 2018>のステージでは、ミニギターも使っていましたが?
Ken:あれもWoodsticsなんですけど、また別モノです。<AIR JAM 2018>のとき、Hi-STANDARDのステージで使っていたレスポールタイプがあるんですけど、あれがWoodsticsなんです。それと、Minamiちゃんの赤いSGタイプをリリースしたいなと。
──楽しいことが山盛りですね。歳を取ると、やりたいことがいろいろ膨らむばかりですか?
Ken:そうですね。今でもいろいろありますね。死ぬときにやり残すぐらいのほうがいいのかなと思ってますね。
──常に活力があるという。
Ken:ええ、そうですね。また思ってもみないアイデアも湧いてきますからね。Woodsticsも数年前まで考えもしなかったのに、湧いてきちゃったんですよ。
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