【速レポ】<中津川ソーラー>東北ライブハウス大作戦STAGE、「友だち呼んでもいいですか?」

ポスト

『東北ライブハウス大作戦』のスピリットとメッセージを受け継ぎながら、他では見ることができないアーティストたちのコラボレーションが楽しめるコンテンツとして、<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>の名物になっていると言っても過言ではない東北ライブハウス大作戦STAGE。昨年のREDEMPTION STAGEから丘の上のRESILIENCE STAGEにロケーションを移した今年は、昨年のTOSHI-LOW、細美武士、Kjの3人からバトンを受け取った渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET、THE ZOOT 16)がホストを務め、友人たちと名曲の数々を歌い、丘の上のステージに集まった大勢の観客たちを大いに沸かせたのだった。

◆東北ライブハウス大作戦STAGE 画像

「こんなに集まってくれて、どうもありがとうございます。僕と言うより、僕の仲間……が集まってくれました!」

ライブは渡辺の、そんな挨拶から、渡辺がアコースティックギターをかき鳴らしながら歌った「プライド」でスタート。「自分の故郷、福島が今、どうなっているのかわかる」と紹介したその曲は、前半、《米がおいしい、桃がおいしい、人が温かい》と歌う牧歌的な曲と思わせ、後半、東日本大震災以降の福島の現実をシビアに描写する言葉を歌う渡辺の気迫に満ちた歌声が聴く者の胸に大きな印象を残した。



そこから一転、「気持ちいい~。1人でやるのもったいないから友だち呼んでもいいですか?」という飄々とした一言で、その場の空気を一瞬で和ませると、「声が大好き」というthe band apartの荒井岳史を迎え、湘南(鎌倉)出身の荒井が選曲した桑田佳祐の「明日へのマーチ」を、2人でアコースティックギターを奏でながら歌い上げた。




そんなふうに友人たちを1人ずつ迎えた今回の東北ライブハウス大作戦STAGEは「10代の頃からの知り合い」「まさか同じステージに立つとは思ってなかった。知り合った25年前は」と思い出を語りあったLOW IQ 01と歌い、観客の手拍子とシンガロングを誘ったTHE BLUE HEARTSの「終わらない歌」、サンボマスターの山口隆とぶっつけ本番で披露した「I love you & I need you ふくしま」という名演の数々が生まれた。因みに後者は、渡辺が山口らと結成した猪苗代湖ズによる東日本大震災のチャリティーソング。今回は、渡辺のキーに合わせたスペシャルアレンジで披露した。渡辺の歌に山口が見事なリードギターで応える息の合った演奏は、とてもぶっつけ本番とは思えなかった。







そして、最後は荒井、LOW IQ 01を再びステージに呼び、全員でTHE BLUE HEARTSの「青空」を歌った。発表されてから30年経つにもかかわらず、曲が持つメッセージが年々、意味を増していることを考えると、今回のステージにふさわしい見事な選曲だった。





曲の前に「今後の平和と未来を歌うことが(これからの自分たちの)使命」と渡辺が語った新たな決意に応えるように観客の大きな合唱がいつの間にか日が暮れ、頭上に月が浮かんでいた丘の上のステージに響き渡った。


取材・文◎山口智男
撮影◎古川喜隆

【東北ライブハウス大作戦STAGE 渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET) × Friends@RESILIENCE STAGEセットリスト】

01. プライド
02. 明日へのマーチ
03. 終わらない歌
04. I love you & I need you ふくしま
05. 青空

■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>

2018年9月22日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ

この記事をポスト

この記事の関連情報