【速レポ】<中津川ソーラー>CHAI、「みんな、かわいい。そうでしょ!」
開場時間には降っていた霧雨もすっかりやみ、青空も見え始めたREDEMPTION STAGE。11時55分、そのステージの幕開けを任されたのは、今ではアメリカやイギリスのインディー・シーンでも話題のCHAI。バンド名の“CHAI”をモチーフにした軽快なSEが鳴り響くと、早くもそれに合わせ身体を揺らし始めるオーディエンス。みんなの視線が集中するステージに、目にも鮮やかなピンク色の衣装を着た4人が登場した。その姿に“かわいい”と声も上がる。思わず笑顔もこぼしながら、CHAIの4人は「Sound & Stomach」からライブへ突入した。
◆CHAI 画像
かわいらしい歌声で歌うのはマナ(Vo,Key)とカナ(Vo,G)。テクノの要素もたっぷり吸い込んだボーカル・スタイルながら、ユウキ(B,Cho)とユナ(Dr,Cho)の生む腰に来るグルーヴはちょっと野性的でもある。“セコい”と男を攻撃する歌詞も痛烈な「ボーイズ・セコ・メン」が続くと、女性ファンが納得の表情も浮かべながらCHAIのライブに釘付け。こうして耳も身体も気持ちも刺激しながら進むステージ。
ところがライブ中盤、さっきまでキーボードを弾きながらスタンドマイクで歌っていたマナが、ハンドマイクでステージの前に出てきて歌い出す。するとカナもギターを置いて、歌を重ねていく。CHAIの宣伝と紹介をそのまま曲にした「自己紹介」だ。そんな遊び心がいっぱいなのもCHAIの魅力のひとつ。しかしこれでは終わらない。今度はユウキもユナも楽器を置き、ハモりながら歌うマナとカナの横でダンサーとして活躍。ABBAの「ダンシング・クイーン」のメロディもフィーチャリングするなど、年齢層高めのオーディエンスも楽しませる。その場にいる全員のハートを掴んだところでマナが話し始めた。
「初めて見る人は、いろいろ思うことあると思う。私も思うことある。My Eye is small. So...」と後半からはネイティブな発音で英語だ。それを通訳するのはユウキ。
「私の目は小さい。だもんで、私はNEOかわいい。そして私の足は短い。だもんで、私、いつもNEOかわいい。コンプレックスは個性でしょ。みんな、かわいい。そうでしょ!」
そこから「N.E.O.」が続く。ポップはもちろん、テクノ、ガレージロック、ポストロックなどの要素も飲み込んだカラフルなバンドサウンドや楽曲。歌詞には女の子の抱く夢や理想などメルヘンチックなところも。NEOかわいいと言いながら、音も詞も実は貪欲だったりする。ラストナンバー「sayonara complex」に入ったときには、ライブが始まったときの何倍にもオーディエンスの数は膨れ上がっていた。そしたまた秋晴れの太陽も顔を出し始めていた。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎柴田恵理
【CHAI@REDEMPTION STAGEセットリスト】
02. ボーイズ・セコ・メン
03. アイム・ミー
04. 自己紹介
05. N.E.O.
06. ウォーキングスター
07. フューチャー
08. sayonara complex
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
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