【対談】HYDE × Starset、“コラボ”と“刺激”を語る「似てるなぁって (笑)」
■HYDEにオーダー?
■そんな恐ろしいことできない(笑)──ダスティン
──そもそもHYDEさんはStarsetをいつ知って、どんなところを好きになられたんですか。
HYDE:3年前かな、SIXX:A.M.のツアー (<The Modern Vintage Tour>/2015年4月8日〜4月29日)に参加したときに、フロリダで僕らだけツアーを抜けて、フェスに出たことがあったんだけど、そこに彼らも出演していたんだよね(<Welcome To Rockville Festival>/2015年4月26日)。ステージ袖にいて僕らが次に出番っていうタイミングでStarsetの演奏が始まって、“宇宙服でやってる! すげぇ!”って。それが彼らの作戦だと思うんだけど、その時点でもう絶対忘れないじゃない? そのあと、音楽がいいことに気づいて、大好きになって。だから去年一緒に回ったときはすごく嬉しかったし、挨拶はできなかったけど、僕はよく彼らのライヴを観てて。そうしたら、そのあとに彼らが10th Street Entertainment(HYDEも所属するアメリカの大手マネージメント)に入ってきたっていう。今、彼らの最新アルバム『Vessels』もダウンロードして聴いてるよ。
▲Starset『Vessels』 |
HYDE:アメリカでもよくラジオで流れているぐらい、すごく人気のあるバンドだけど、日本人もきっと好きだろうなって思うような独特の曲の世界観があって、そこがたぶん僕も好きなんだろうね。日本でも売れるバンドになると思う。
──今回、サポートアクトにStarsetを招聘されたのは、いち早く日本のリスナーに紹介したいという想いも……?
HYDE:うん、そうだね。
ダスティン:アリガトウ!
──Starsetとしては日本のシーンへのアプローチをどのように考えていらっしゃいますか。
ダスティン:実は僕、詞をすごく大事にしていて。ただ、おそらく日本のリスナーは英語が流暢ではない方が多いだろうから、そういった意味ではすぐには伝わらないだろうなと思う。でも、その代わりメロディで訴えることができればいいと思っているし、おそらくそのメロディにみなさんが何かしらを感じて反応を示してくれているんじゃないかっていうことも、今回のライヴを通じて実感できているので。あとは演出など、いろんな切り口から楽しんでもらえたら。
──逆にHYDEさんの音楽はアメリカのシーンでどのように受け止められるでしょうね。
HYDE:“アメリカでどうやったらいいか”っていうのも訊きたい! 僕はどうするべきかって。
ダスティン:いやいや、そんな。メロディの美しさと構成の素晴らしさ、曲のダイナミクスといった部分において、HYDEはアメリカのロックバンドと同じ領域に住んでいるアーティストだと思ってるんだよ、僕は。自分が好きで聴いているアメリカのロックバンドとも共通するものがある気がして……どう思う?
ブロック&アダム:まったくその通り。
ロン:僕も同意見だね。“もっと何をすれば?”って言ったけど、僕に言わせれば、僕たちが敬意を払いたくなるようなことをすでにHYDEはやっているから。アメリカではTシャツ1枚でポッと舞台に乗って、そのままやって、そのまま帰るっていうバンドが多いけど、それじゃつまらない。だからこそ、音楽プラス何かを見せるショウをやっていこうっていう姿勢は僕らにも共通するし、僕ら自身、それがいちばんの特徴になるのかなって思っているんだ。
HYDE:なるほど。
──先ほどHYDEさんも触れていらっしゃいましたが、日本で配信リリースされているStarsetの2ndアルバム『Vessels』で、Japanese Version限定として「Monster feat. HYDE」でコラボレーションが実現しましたよね。どういった経緯で行われたものなんですか?
HYDE:10th Street Entertainmentのほうからのオファーだったんだけど、僕もグッドアイデアだと思った。今回、ツアーに招聘するっていう話の流れから生まれたアイデアだったので。
──制作はどのように?
HYDE:メールでのやり取りだったんだけど、彼らから音源が送られてきて、“2番を歌ったらどうだ?”っていう話になって。僕は僕で(VAMPSのシングル「INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White」も手掛けた)ハワード・ベンソンっていうアメリカでも有名なプロデューサーに歌を録ってもらって、すごくいいテイクが録れたんだよね。彼らの世界観を壊したらイヤだなと思ってたから、ちょっと緊張したけど、“やるしかないな”って。自分なりにはいいテイクが録れたと思うので……お役に立てたならばいいなっていう感じかな(笑)。
──みなさんからHYDEさんに何かオーダーなどはされましたか。
ダスティン:まさか! そんな恐ろしいことできないよ(一同爆笑)。
──では、HYDEさんはご自身で歌い方をイメージしながらレコーディングに臨まれた、と。
HYDE:ダスティンを真似た歌い方もできなくはなかったし、それだったら世界観を壊す心配もなかったと思う。だけど、そうするとコラボレーションする意味がないなと思って。だから、なるべく自分の声の“らしさ”をイメージしながら追求していきました。違うバージョンとしてはそっちのほうが聴き応えがあるだろうし、そこがコラボの面白さだと思ったしね。なので、あえて自分の個性を出すことを意識したんだけど……。
ダスティン:最高だったよ。声は違うけど、あの曲のトラックにピタッとはまっている感じがすごくよかった。HYDEの歌が入ったおかげで会話になったなと思ったんだ。僕と彼のふたりの会話になったことによって、曲の伝えたかったことがより伝わりやすくなったんじゃないかな。
──「Monster」はStarsetの代表曲でもあるわけですが、そうした曲に別の血が入ることについて抵抗はなかったですか。
ダスティン:いや、素晴らしいと思ったよ。光栄だと思った。楽曲に新たな命を得るような感覚だよね。
──たしかに、それぞれ魅力が相互作用した素敵なコラボですよね。他の曲ももっと聴きたいと思ってしまいましたから。
HYDE:うん、またチャンスがあればね。
──今度はHYDEさんの楽曲で、とか。
HYDE:僕はもう、どの曲に入ってもらっても大歓迎(笑)。
ダスティン:ぜひ!
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