【インタビュー】BREAKERZのAKIHIDE、6thアルバム完成「現実か非現実かわからない場所へ」

■遊園地の中に入り込んで
■想像したり発見してほしい

──歌ものでありながら演奏も聴き応えたっぷりです。先ほどお話しいただいたアナログシンセ導入は大きなトピックだったと思いますが、ギターに関してはいかがですか？

AKIHIDE：エレキギターのメインは基本、ギブソンES-335の1本だけで、あとは要所要所でいつもの白いストラトとフェンダージャパンのテレキャスターも使いましたね。アンプは1種類(ボグナー･エクスタシー)だけ。アコースティックギターはテイラーをメインに、ガットギターと12弦ギターの3本。奇をてらわずに良い音でフレーズのカッコ良さと新しさを出そうと思いました。

──プレイ的には？

AKIHIDE：ギターソロに関してはある程度は構築して、尺は長めにしました。歌ものだからシンプルにするのではなく、歌ものだからこそ、楽器陣でインプロヴィゼーションしている雰囲気を出したくて、ライヴ用にそういう余地を残すようにして作りました。

──アートワークも含めてじっくり時間をかけて制作した今作を、どんなふうに受け止めてもらったら嬉しいですか？

AKIHIDE：いちばんの願いは、聴いた人が遊園地の中に入り込んで、その中でいろいろ想像したり、発見してくれたりすることですね。絵本も120ページ20000字もあって読むのは大変かもしれないけれど、「絵だけでも想像が膨らむように」と思って作っているので、それぞれの楽しみ方をしてほしいです。もちろん楽曲だけ聴いていただいてもいいです。僕の全てをポンと吐き出して、“自由に料理してください”っていうアルバムなので、それぞれの心の動きにリンクするような作品であればと思っています。

▲『機械仕掛けの遊園地 -Electric Wonderland-』通常盤

──ちなみに“時計”とか“時”はAKIHIDEさんのソロの一貫したテーマなんでしょうか？

AKIHIDE：多いですよね。僕の作品には時計や木、月がいつも出てくるんです。素材は同じで違う味付けでお届けしているのかもしれない。

──描きたくなるものなんでしょうね。

AKIHIDE：特に“時計”はそうですね。変な話ですが、どこかに「あと何年生きられるんだろう？」っていう考えがあるんですよね。もっというと地球の寿命だったりとか。時の流れの中でどうなっていくんだろう？って考えるのが好きなんですよね。

──作品と切っても切り離せないものなんですね。それと初回限定盤付属のDVDは1時間27分もの大ボリュームですが、どんな内容なんですか？

AKIHIDE：黙々と制作している僕を撮っているんですが、自宅でPCを使って絵を描いているところも映っているので、AKIHIDEマニアには楽しんでいただけると思います。レコーディング中の映像も入っていますし、ミュージックビデオを逆回転させて撮っているところだったり、ジャケットの制作風景だったり、機材紹介もしています。いろんな角度から僕の制作風景が見られる内容になっていて、今までにない映像なのである意味、衝撃的かもしれないです。喜んでいただけたらいいなと思って“Documentary Wonderland”と名付けました。

──制作の裏側が見られちゃうんですね。

AKIHIDE：はい。かなり生々しいです。

──頭抱えて悩んでいるところだったり？

AKIHIDE：そういうノリです。まんま撮られている感じ。普通に寝グセついてたりするので心して見ていただきたいですね（笑）。

──今後は、恒例のSEASON LIVEとして＜夕凪のパレード＞公演が大阪・名古屋・横浜の3ヵ所で予定されているほか、誕生日の7月5日にはマイナビBLITZ AKASAKAでの＜AKIHIDE MUSIC THEATER Electric Wonderland”と題したライヴが控えています。

AKIHIDE：ジャズクラブで演奏する＜夕凪のパレード＞のほうは素敵なミュージシャンと演奏するのが何よりの演出になると思います。1日2ステージですが、アルバムの曲を再現するのではなく、アドリブを入れて楽しもうという趣旨なので、同じ曲でも全く違う曲に響くと思います。ミュージシャンの息遣いまで聴こえてくるような近い距離ですから、反応によって演奏のテンションも変わるのが醍醐味ですね。7月5日はファイナル公演の位置づけなので、何かスペシャルなことがあるかもしれない。会場に絵本の原画を展示したりするので、僕のアート作品も見ていただけるし、ライヴ以外でも楽しめる1日になると思います。

取材・文◎山本弘子






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