【インタビュー】sads、清春が語った「sadsにとっての流れに一区切りつけたい」

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■それは実際、僕の愛なんです
■sadsに対しての

──ここで読者に誤解して欲しくないのは、sadsが今年をもって確実に終わる、という意味ではないということ。ただ、これで終わっても悔いが残らないくらい今年はsadsをやりきるつもりがある。そして来年以降にそれをどうしていくかは、その結果が決めることになるし、仮にしばらく動かなかったとしてもそれは終焉と直結するわけではないということ。

清春:これは活動休止とかそういうのではなくて。僕が存在してる以上、僕らは自由自在なんです。やりたい時にやればいい。ただ、自分なら自由自在にやれると思って実際そうしてきたし、今もできるにはできるんですけど、さすがに僕も……いつまでも超人ではないんで(笑)。あとさ、実は僕は器用じゃない。いや、他の人たちからすれば器用なのかもしれないけど、実はそれほどでもないんですよ。

──おそらく器用ではあると思うんです。で、やろうと思えばできてしまう。だけどそこに負担がないわけではない、ということだと思うんですよ。

清春:そうですね。軽々とやってのけてるわけじゃないというか。あの人にまかせておけば大丈夫、清春さんなら大丈夫、とまわりから思われてる部分は確実にあるんだけど、結果的に大丈夫だったとしても負担がないわけではないから。

──とてもよくわかります。「増田さんにまかせておけばなんとか記事は間に合う」と思われていることの多い僕としては。

清春:ははは! いや、増田さんだったら大丈夫です。アーティストが喋ってればそれを本にしてくれる(笑)。あ、実際に自分のこれまでの人生の本も出したいなと思ってるんです。50歳になるという節目でもあるし。本当は僕、大変な1年を生きてるんだと思うんですよ。社会での立場とか、大事な人との距離感とか、この年齢なりの健康状態とか、自分の親父の場合はこうだったけど、その年齢になった時の自分はどうかとか、いろいろと考えてみるとね。そういうことを本当に考えるべき年齢なんだろうなって思わされたりとか。そんな中、sadsはsadsとして頑張ってきたんですけど、一旦は『FALLING』というアルバムとツアーを遺して……。そこには「また次にsadsが来るまで待ってます!」と言ってくれるファンもいるかもしれないけども、僕はそこで期待させたくないので、もうないかもしれないし、それはわからないよ、と言っておきたい。他の人たちが言うところの先の約束がある活動休止とかではないんで。仮に僕がまだ30歳とかであれば、いろいろやりたいだろうし、全部やっちゃうんだろうけど、もうそろそろ3つあったことが2つになり、最終的にはそれがひとつになっていく、というのが正解のひとつなのかな、と。もちろんやるかもしれないですけどね。

──それぞれの場でやりたいことはまだまだあるはずだと思うんです。すべてを全うしたい気持ちがある。だからこそ次にいつ、何をやるかは約束せずにおきたいというか。

清春:もちろんsadsでやりたいことというのもあったんです。ただ、最後のチャレンジだと思いながらsadsを動かし始めてから、こうしてすでに丸7年以上が過ぎているわけで。しかも僕にはsadsしかないわけではないから、それは常にソロの自分の音楽に対してのカウンターのような感じのあり方になってしまう。全部の形態が同じように成長していければいいんだろうけど……。たとえばsadsの曲のなかにもソロでのライヴに持ってこられるものとそうじゃないものがある。ソロに持ってこられないものだけsadsでやっていけばいいということになると、それもなんかちょっと違う気がするしね。まあ、すべてが自分なんだと言ってしまえばそうなのかもしれないけど、sadsをやっていくんだったら本来ならばsadsとしての成長というのがないといけないと思う。今作ってるアルバムについても、たとえば激しすぎるsadsが好きな人たちが聴いたら「えっ?」となるだろうと思うんです。だけどそういうものになるのは、僕がまだsadsに未来を残してるからだと思う。つまり「これでもう最後なんだから徹底的にゴリゴリやればいいじゃん」ということにはなっていないわけ。言ってしまえば、今回のアルバムはここ何年かのsadsの作品のなかでも僕自身のカラーが最も強いと思うんですね。たとえば過去、黒夢が復活作を出した時に、「これ黒夢じゃない、清春のソロじゃん」という人たちがいたのかもしれない。ただ、それは僕がソロをやっていなかったとしても復活時までの時間の経過で、いま黒夢が新作を作ればこうなっていただろう、という想定のもとに作ったものだったわけです。それと同じことが今回のsadsのアルバムについては言える。色としては僕と三代さんの色が強いんだと思う。それをどう見られるか、というところなんですよね、問題は。だけど、それは実際僕の愛なんです、sadsに対しての。

──ここでひとつ確認なんですが、アルバムも『FALLING』というタイトルになるんですね?

清春:そうなる予定です。今回の話を通じて、そのタイトルの意味をわかってもらえるといいんですけどね。だから今のsadsを一回でも多く観ておきたい人たちは、今回の対バン・シリーズから観に来ても早くは無いはずです。なんなら『FALLING』が出る前のsadsのライブはこの対バン・シリーズが最後ということになる。これから発表されることになる夏以降のライヴでも、そんなにもいろんなところに足を延ばすことは考えていないしさ。

取材・文◎増田勇一

■<The reproduction 7th anniversary「EVIL 77」VS 7 days>


6月01日(金) 恵比寿LIQUIDROOM w/東京ゲゲゲイ
6月09日(土) 渋谷CLUB QUATTRO w/SUPER BEAVER
6月10日(日) 渋谷CLUB QUATTRO w/a flood of circle
6月12日(火) 横浜BayHall w/LOUDNESS
6月15日(金) 恵比寿LIQUIDROOM w/BiSH
6月23日(土) 新宿BLAZE w/HER NAME IN BLOOD
7月09日(月) 代官山UNIT w/ミオヤマザキ

■<The reproduction 7th anniversary「FALLING」>


【chapter 1】
7月06日(金) 赤坂BLITZ
7月21日(土) 梅田CLUB QUATTRO
7月22日(日) 梅田CLUB QUATTRO
7月28日(土) 名古屋BOTTOMLINE
8月03日(金) HEAVEN'S ROCK さいたま
8月17日(金) 高崎club FLEEZ
8月23日(木) 柏PALOOZA

■<The reproduction 7th anniversary「FALLING」-EVERLASTING TRUTHS->
9月29日(土) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM


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