山崎まさよし主演、主題歌で横山秀夫『影踏み』が映画化。監督は篠原哲雄
山崎まさよしが、篠原哲雄監督の新作映画『影踏み』で14年ぶりの長編映画主演を果たすことが明らかになった。山崎は同作の主題歌も担当するという。
◆映画『影踏み』関連画像
横山秀夫の同名小説を原作とする『影踏み』は、深夜に住宅などに忍び込んで泥棒を働く“ノビ師”の真壁修一を主人公に据えたミステリー作品だ。山崎まさよしが長編映画で主演を務めるのは、2005年の『8月のクリスマス』以来14年ぶり。篠原監督とのタッグによる長編作品としては、1996年の『月とキャベツ』以来およそ22年ぶりとなる。
▲横山秀夫『影踏み』 (C)祥伝社
原作者の横山秀夫はもともと『月とキャベツ』を繰り返し観るほどのファンで、自身の作品が山崎主演で映像化されたらという願望を抱いていたのだという。そんな横山と、長年にわたり彼の作品を愛読してきたという山崎、そして『月とキャベツ』の公開20周年をきっかけに山崎との再タッグを望みつつ、いつか横山作品を映像化したいと考えていたという篠原監督は、2016年に群馬の<伊参スタジオ映画祭>で対面。この出会いを機に、横山自ら山崎に合う作品として『影踏み』を提案し、今回の長編映画化の実現に至ったのだそうだ。
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■横山秀夫(原作)コメント
──泥棒を主人公とする『影踏み』について
警察などの組織も泥棒も同じフィールドにある感覚なんです。組織と個人の関係を突き詰めて考えていくと、最終的にはどんな立場の人間であれ世の中のしがらみと無縁ではいられない。すべての人間はそこから逃れられない。地面スレスレから見た社会を描きたいと思いました。
──映画への期待
山崎さんと篠原監督が素晴らしい世界観を作ってくれるでしょうから、原作にとらわれずに作っていただきたい。僕はその『影踏み』を楽しみたいと思っています。
ミュージシャンとして人の心を盗むのがうまい山崎さんは、実は“泥棒”という役がぴったり合うんじゃないかと思っています。でも、山崎さんを泥棒にしてしまって申し訳なく思っています(笑)
■山崎まさよし コメント
──久しぶりの長編映画主演について
今回は、過去の経験も踏まえて最初から主演でとお話をいただきました。ずっと役者とは全く違う動きの中で活動してきたので、今はプレッシャーを感じています。
──真壁という役について
今回はミュージシャンである自分とはかけ離れていますが、歌を書く時の目線は底辺から色んな景色を見たいと思って歌を作っています。その意味では真壁と同じ目線になれるような気がします。そういう共通項を自分の中に見つけていければと思っています。
真壁もしくじりから始まっているし、心の闇も抱えているから、真摯に役に向き合っていきたいです。
──横山秀夫作品の魅力
どの作品でも、普段クローズアップされないポジションにスポットを当てているところ、普段は人々が知るよしもない人間臭い部分を描いてところが好きなんです。
──今後手掛ける主題歌について
悲しさやどうにもならない気持ち、救い、最後には報われるのか、形はわからないけどそんな主題歌が書けたら。登場人物が抱えるジレンマや葛藤はこの物語に出てくる人誰もが持っているものです。その部分が成就していく醍醐味を描きたいと思います。
■篠原哲雄監督 コメント
──撮影に向けての意気込み
僕のイメージとしては、色んな設定を通じて浮かび上がってくる人間の造形を描きたいと思っています。“中耳”にいる人間は真壁にとっては分身で切っても切れない存在です。その男の成長と愛と決別の物語だと思っています。確かな結論がいつもあるわけではないので、山崎くんに演じてもらう中で見えてくるものがあると期待しています。
──山崎まさよしの魅力
男のダメなところを自然に演じられる、人間の弱さを悪びれずに自然体に演じられるのが魅力です。色んな役で人間の表面化しない裏側も悲哀を伴って出てくる感じが僕は好きなんです。愛すべきアウトローですかね。
一緒に仕事をするたびにいつも新しい山崎くんを発見できています。権力に対しての反抗心は誰にもどこかあるし、泥棒という仕事が成功するかどうかというスリル、緊張感、快楽はステージに立つ時のものと似ている気がするんです。今回も彼の魅力をどう引き出せるかが楽しみです。
──『月とキャベツ』に続いての群馬での撮影について
今回は群馬のあらゆるところ、住宅街や田んぼや空き地といったとりとめのない空間での撮影になります。そのとりとめのない風景を乾いた面白さとして捉えたいと思っています。
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映画『影踏み』は5月にクランクインし、群馬県を舞台にオールロケにて撮影を敢行予定だという。公開は2019年春以降に予定されている。
映画『影踏み』
原作:「影踏み」(祥伝社刊)
監督:篠原哲雄
主演:山崎まさよし
主題歌:山崎まさよし
プロデューサー:松岡周作
制作:ドラゴンフライ
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