【インタビュー】wyse、メジャーデビューアルバム完成「僕らが僕らであることを問われた作品」

11.「in the Moonlight」

Album『Breathe』Lastの曲

1枚の作品、その物語の最後をどう飾るべきか
とても重要な立ち位置の1曲

最高に幸せなその悩みの中
頭の中に鳴る音符を1音1音、再現していきました

当初は、今みんなが聞いてくれているこのテイクから
ストリングスを抜いた、歌、ギター、ベース、ドラムだけのサウンドで表現しようと
そういう考えでいましたが
歌詞の世界観、メッセージ、その方向的に
そっちではないなと

いや、というよりは
音が足りていない
ここにある音以外に、まだ必要な音がいくつも僕の中に鳴っていました

なので
僕は基本的に一番最後、歌録りも終わったその後に
改めて、正式なベース録りをするのですが
この曲は、さらにその最後の後
今、みんなが聞いてくれているこのストリングスを作り、加えました

ちなみに
この曲の、そのストリングスを加える行程が
今作『Breathe』において、僕が直接おこなう、MIX前の最後の作業でした

視聴するのと同じように
この曲が、全てにおいての最後を飾ることになったのも
偶然なのか、必然なのか
どこか巡り合わせ、導きのようなものを感じました


- ガラスの靴を脱ぎ　in the Moonlight -


夢のような世界と自分の生きる現実世界
午前0時、とある少女は
一体、どんな気持ちでその狭間を駆け抜けたのでしょうか

夢は、夢であるからこそ美しく、半永久的に見続けることができる

そう思ったかどうかは分かりませんが
心の中で、ひとつ受け入れた、ある意味では諦めた
僕には、そんなような気持ちが見えたりもします

そんな夢のような世界、時間
その象徴のひとつであった、ガラスの靴

とある少女は、自分の生きる世界へ戻る際
願わくば、そのままずっと履いていたいくらいのそのガラスの靴を
不意に落としてしまう

結果から紐解くならば
これが、神様のいたずらでもあり

何よりも、躊躇いを抱えながらも
決断をし、いや、とある少女にはその決断をする余裕
もしかしたら、段階すらないまま
その純粋さゆえ、当然のように走り出したのかもしれませんが
その選択が、夢のような現実へ導いていく

とある少女は、その物語の中で
不意に、ガラスの靴が脱げたわけですが…

僕はそうではなく、こんな風に感じ、受け取りもします

その現実世界を受け入れて、そこへ向かい走り始めた時点で
すでに、そのガラスの靴を自ら脱いだに等しい、と


- このまま　叶うなら時間を止めて　夢のようなこの世界で　忘れられない夜を歩いてる -


僕達とみんなが共にする時間、その空間は
いつだって、夢のような現実でいたいし
そうでなければいけないと、そう僕は思っています

どこを探してもないような
キラキラした、素敵な光が満ちた世界

サヨナラは、いつだって淋しいものだけど

“もしも　未来に今日のような　素敵な時間が待つなら”

お互いを、その未来を信じて
今夜は、そのガラスの靴を脱ぎましょう

僕達は、そのガラスの靴を頼りに
君との再会の場所へ向かいます







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