【ライブレポ】ASH DA HERO、音楽の楽しさ伝えた初アコースティックワンマン

ASH DA HEROが8月26日、自身初となるアコースティックワンマンライブ＜ASH DA HERO ACOUSTIC NIGHT 2017＞を東京・LIQUIDROOMで開催した。

◆ASH DA HERO ライブ画像

このライブは、毎週火曜日にInstagramで定期配信していた＜インスタLIVE＞視聴者からの、「生でアコースティックライブが観たい」という声に応えて実施が決定したもの。1ヶ月前に急遽発表されたにもかかわらず、多くのファンが集結し会場を埋め尽くした。

白シャツに黒のジャケットという普段とは違ったシックな装いでASHが登場。「One Hundred Years Later」に続いて、最新アルバム『A』より「BRAND NEW WORLD」「ラブソング」など新曲を聴かせ、「Somebody To Love」「生命のリレー」では、シェイカーを振ったりブルースハープを吹いたりと、珍しい姿も見られた。

後半では、カバーナンバー「夏の終りのハーモニー」（井上陽水＆玉置浩二）、「世界中の誰よりきっと」（WANDS＆中山美穂）を2曲続け、サポートメンバーが一旦退場。アコースティックギターを持ち、自らを律するように「状況は5年前や10年前からしたら変わってるかもしれないけど、まだまだこのときの気持ちを忘れたくないと思って」と語り「いつかの街で」へ。サポートメンバーが再び揃った「上京難民」では鬼気迫る歌声と表情で、ASH DA HEROになる前の“彼”が地元にいた頃の感情が生々しく吐き出されていった。


観客が微動だにできないほどの緊迫した空気は「大切な人はいますか？　大好きな人はいますか？　その人の横顔がちゃんと思い出せますか？」の言葉でほぐれ、様々な愛を歌った「BABY GOOD NIGHT」「Everything」「THIS IS LOVE」で本編が終了。

アンコール1曲目は、宮田“レフティ”リョウ（イトヲカシ）の鍵盤に合わせて、ふたりだけで珠玉のバラードナンバー「GOOD MORNING HELLO GOOD BYE」をパフォーマンス。久しぶりの共演に喜びを隠しきれないといった様子のASHは、音楽を辞めようかと悩んだときに宮田“レフティ”リョウの言葉のおかげで思い留まったと明かし、照れ隠しにおちゃらけながらも旧友に感謝の想いを伝えた。

残り3人を呼び込むと、その場のリクエストに応え即興で「Honesty」（ビリー・ジョエル）、「らいおんハート」（SMAP）、「糸」（中島みゆき）をワンフレーズずつパフォーマンス。「このまま朝までやりたい」「いつまででもできる」と収集がつかなくなったところで、「I Don't Want to Miss a Thing」（エアロスミス）をカバー。そして「みんなそろそろ気づき始めてると思うけど、そんなにアコースティックじゃなくねえ？って（笑）」と笑わせ、「ツアーへの意気込みも込めて、みんな立ち上がってライブハウスっぽく終わりましょう！」と観客を立たせ、「Prologue」で会場を一体にして初のアコースティックワンマンライブを締めくくった。


“音楽の楽しさを伝えたい”という趣旨から、ゆったりと聴く環境を整え、シッティング形式がとられていた今回のライブ。椅子に座っていることで観客の反応も普段とは異なり、ASHは終始「大丈夫？　楽しんでる？」と心配していたが、誰しもがASHの歌声に聴き入っていたからだというのは言うまでもないだろう。先日のTSUTAYA O-EASTワンマンでのアグレッシブなパフォーマンスとはまた一味も二味も違った、ASH DA HEROの魅力が発揮された一夜となった。

終演後には新アーティスト写真を使用したツアーフライヤーが配布された。同ツアーはASHの誕生日である9月21日に地元・名古屋を皮切りにスタートし、7公演が予定されている。


ライブ写真撮影◎粂井健太