【2017年グラミー特集】唯一無二の歌声で聴く者を惹きつけるアデル
アデルは1988年生まれ、サウス・ロンドン出身のシンガー・ソングライター。2008年のデビュー・アルバム『19』およびセカンド・アルバム『21』は、各国でチャート1位を獲得し、その歌声で世界を魅了した。
◆アデル画像
アデルはソウルフルな力強い歌声で、聴く者を惹きつける。セカンド・アルバム『21』は評論家たちに絶賛され、2012年のグラミー賞で『最優秀アルバム』に輝いた。子どもを産んで母親となった後、3作目となるアルバム『25』をリリースし、2017年グラミー賞で『最優秀アルバム』および『最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム』にノミネートされた。
アデルは幼い頃から音楽に対して情熱を持っていたが、彼女の家庭は特別音楽に関心があるわけではなく、どこにでもある普通の家庭だった。そのため、アデルの知っていた曲はチャートの上位にくるヒット曲ばかりだった。ローリン・ヒル、メアリー・J・ブライジ、デスティニーズ・チャイルド。誰もが知っているアーティストの曲を聴いていた。
彼女が15歳になった時、音楽に目覚める瞬間がやってきた。それは、地元の店で偶然、エタ・ジェイムスとエラ・フィッツジェラルドのレコードを見つけた時だった。
ブルースやジャズの名手であったエタ・ジェイムスとエラ・フィッツジェラルドの歌を聴き、とても感銘を受け、音楽の素晴らしさを痛感した。アデルの歌うことに対する情熱、ソウルフルな楽曲は、この時に聴いた音楽が大きな影響を与えている。
アデルのデビュー・アルバム『19』は、ソウル・ミュージックであり、失恋や人間関係について歌っている。『19』はファンに支持され成功を収めた。その当時、他の女性ソウル・シンガーたちも成功し、ソウル・ミュージックが流行していたが、アデルは他の歌手とは比較できないほどのクオリティとオリジナリティを持っていた。
アデルのセカンド・アルバム『21』は、前作のソウルの余韻とフォークソングからの影響を受けているが、アメリカのカントリー・ミュージックと南部のブルースの音楽性が色濃く反映されている。アルバムを制作した際、アデルは当時付き合っていたパートナーと別れた。そのため、失恋や許しといったテーマが追求され、歌詞やメロディに反映されている。彼女自身「別れのアルバム」と表現している。
3枚目のアルバム『25』について、「これまで私がしてきたことのすべてに対する償いのアルバム」とアデルは述べている。過去の自分に対する後悔、ノスタルジア、メランコリー。そういったものが、このアルバムの雰囲気を作り出している。しかし、過去に失われたものに捕われている時間はないし、終わったことは終わったこととして、アデルはこれからの人生を前向きにとらえている。
アデルは女性の最低音域を有していたが、喉の手術をしてからさらに音域が広がり、声がきれいになったと言われる。自分の声を使ってどのように歌うのかについて、エタ・ジェイムスやエラ・フィッツジェラルドの歌を何度も聴いて練習した。
その歌声は世界中の評論家たちから賞賛を得て、現世代の最も優れた女性シンガーとして評されている。アデルの歌声が存分に発揮されている最新作『25』をぜひとも聴いてほしい。
第59回グラミー賞 ノミネート 5部門
・最優秀レコード
・最優秀アルバム
・最優秀楽曲
・最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス
・最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム
写真:Getty images
WOWOW番組
放送日:2月13日(月)午前9:00[WOWOWプライム]
●「生中継!第59回グラミー賞授賞式」
放送日:2017年2月13日(月)午前9:45[WOWOWプライム]※二カ国語版(同時通訳)
●「第59回グラミー賞授賞式」
放送日:2017年2月13日(月)夜10:00 [WOWOWライブ]※字幕版
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