【インタビュー】SUGIZO [LUNA SEA]、「HOLY KNIGHT」を語る「特別な曲を作りたいという想い」

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■物質的なものは滅びていくけど
■目に見えない世界は永遠

──Jさんのベースの存在感もいつも以上に強いですね。滑らかにスライドしつつ、ドライヴ感もあって。

SUGIZO:素晴らしいですね。スライドと“間(ま)”をすごく生かしたフレーズで。Jと真矢に対する僕のリクエストは、とにかく野性的に荒く、ということでした。上物がとても綺麗でロマンティックな曲なんですが、リズムは凶暴にしたかったんですね。僕の中ではそこで反対側のベクトルに引っ張るファクターが欲しかった。リズムのイメージはツェッペリンでした。

──RYUICHIさんの歌録りの時は、どんなディレクションをなさったのですか?

SUGIZO:RYUの時だけは僕、レコーディングに立ち会っていないんですよ。遠隔で連絡は取っていましたけどね。基本的に、彼と僕とは時間が全く合わないので。彼が起きている時間帯に僕は寝ていますからね(笑)。

──そういった録り方で、何か困ることはないですか?

SUGIZO:ないですね。だって、来年でデビューから25年経ちますからね。そういう細かいところでは全然、問題はないですよ。歌詞についても何もリクエストせず、「クリスマスをテーマに」とだけ伝えました。

──タイトルのNIGHTにKを付けてKNIGHT(騎士)に、というのはRYUICHIさんのアイディアだそうですね?

SUGIZO:そうなんです。最初は僕が普通に「HOLY NIGHTはどう?」と言ったら、「せっかくだったらKを付けようよ」とRYUが言って、「あ、いいね!」となりまして。珍しくレコーディングに入る1ヵ月ぐらい前からもう、タイトルは決まっていました。<VISUAL JAPAN SUMMIT>(2016年10月14日、15日、16日開催)に向けたリハーサル現場でのことですね。

──ナイトとしてファンに寄り添うという、RYUICHIさんの専売特権ともいえる、美しい表現ですよね。

SUGIZO:まあ、こんなにロマンティックな、キザなタイトルはRYUしか思い浮かばないですよ(笑)。さすがですね。愛の吟遊詩人ならではでしょう(笑)。

──(笑)。歌詞についても、SUGIZOさんから「ここをこうしてほしい」というリクエストはなかったのですか?

SUGIZO:一か所だけ、雨だったものを「雪にしてほしい」というお願いはしました。でも基本、とても素晴らしい歌詞だと思ったので、そこだけです。

──“永遠のこの夜に”と歌詞にありますが、2016年は音楽界の訃報も相次ぎ、命の儚さを思い知る年でした。現実には永遠はないからこそ、この瞬間を共に分かち合おう、と歌っているようにも思えたのですが……。

SUGIZO:僕は、永遠ってあると今でも思っていますけどね。その瞬間が永遠になる気もするし。あらゆる考え方があっていいと思うんですが。もちろん物質的なものは滅びていくけど、目に見えない世界は永遠だと感じています。原子と銀河というのは僕の中では繋がっていて。音楽を作っていても、これは本当に不思議なことなんだけど、そういうトリップ感によく襲われます。意識がどんどんミクロに入って行き、細胞に入って次は原子核に、その途端、次は銀河に行く……。我々が住んでいる銀河だって、直径が10万光年ですよ? 銀河団になると、その銀河が豆粒のようにたくさん存在しているので、もう大きさという概念が機能しないし、我々人間のレベルでは到底想像もつかない。でも、そこに僕は刹那と永遠を感じるのです。人がどんどん亡くなっていくのはとても寂しいですけど、同時に、“それは永遠の別れではない”とも僕は思ってますけどね。

──なるほど。12月23日、24日のさいたまスーパーアリーナ公演では、この曲をどんな風に届けたいとお考えですか?

SUGIZO:スペシャルな演出も計画しているので、楽しみにしていてほしいですね。もしこの曲がちゃんと機能してくれれば、今後クリスマスのタイミングには披露できますし、逆にそこ以外には絶対にやらない、という曲になるだろうな、とも思っています。1年に1回しか聴けない曲、みたいなね。まあ、2DAYSあれば2回になりますけども(笑)。

──LUNA SEA以外にもメンバーの皆さんはそれぞれにいくつも活動の場があり、そんな中で、LUNA SEAという場の位置付けは、より“実家”的なものになっているんでしょうか?

SUGIZO:うん、そうですね。実家、ホームであり、やはり核ですね。自分にとってのバンドというフォーマットの理想郷、というか。

──X JAPANともまた違って、ということですね?

SUGIZO:X JAPANでは僕はあくまでもプレイヤーであり、立場としてサポート的ですからね。

──もちろん、欠かせない存在だと思いますが……。

SUGIZO:うーん……それは自分ではよくわかりませんね。でも、間違いなくLUNA SEAとは違いますから。自分のポテンシャル、アイデンティティを余すことなく表現でき、実現ができるバンドはここ、LUNA SEAだけですね。

取材・文◎大前多恵


■初のクリスマスソング「HOLY KNIGHT」

▼CD
2016年12月23日、24日さいたまスーパーアリーナ会場でのみ限定販売
※1曲入り ¥800(税込)
▼配信
FC「SLAVE」会員限定で先行配信


■<LUNA SEA The Holy Night -Beyond the Limit->

2016年12月23日(金・祝) さいたまスーパーアリーナ
2016年12月24日(土)さいたまスーパーアリーナ
▼チケット
前売¥9500 / 当日¥10000(税込み) 全席指定 3歳以上有料
【ステージプラン決定により追加席発売】
2016年11月25日(金)AM 10:00 より各プレイガイドにて販売スタート
(問)キョードー東京 0570-550-799(平日11時〜18時 土日祝10時〜18時)
http://www.kyodotokyo.com/lunasea2016

■生中継!LUNA SEA The Holy Night -Beyond the Limit-

放送チャンネル:WOWOWプライム(BS-9ch)
放送日時:2016年12月24日(土)16:00~
番組オフィシャルサイトURL http://www.wowow.co.jp/music/lunasea/


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