【インタビュー】RYUICHI [LUNA SEA]、「HOLY KNIGHT」を語る「神聖なフィールドを5人が守る」

ポスト

LUNA SEAが自身初のクリスマスソング「HOLY KNIGHT」を12月23日および24日に行われるさいたまスーパーアリーナ公演<LUNA SEA「The Holy Night -Beyond the Limit-」>で会場限定リリースする。この両日はLUNA SEAにとって特別な2日間でもある。12月23日は初の東京ドーム公演<LUNATIC TOKYO>開催日であり、12月24日は終幕から復活を果たした東京ドーム公演開催日だ。「HOLY KNIGHT」は、その大切な日にリリースされる楽曲にして、ライヴ会場限定という販売スタイルにも彼らの想いがうかがえるだろう。

◆LUNA SEA 画像

「こういう曲が生まれるべき時期に来ていたのかな?と思います」とはRYUICHIの言葉だ。作詞を務めた彼が伝えたのはSLAVEへの愛であり、5人の決意。この秋から冬にかけてレコーディングされたばかりの新曲について、RYUICHIに訊いたロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■皆が何かを届けようとしてる……そこの中心に
■LUNA SEAのライヴの場合はSLAVEがいる

──LUNA SEA初のクリスマスソング「HOLY KNIGHT」がついに誕生しましたね。SLAVE(オフィシャルFC)限定で先行配信され、12月23日、24日のさいたまスーパーアリーナ公演の会場限定でCDが発売されます。

RYUICHI:これまで、クリスマスソングをあえてつくらなかったわけでもない、というのがたぶん正直なところで。LUNA SEAってどうしても、例えばお正月とかクリスマスとか、バースデーとか、そういう明るくてお祝いムードの曲はちょっとつくりにくいのかもしれないですね。歌詞だとか、最初のモチーフを選ぶ段階でそこは排除されている、というか(笑)。でも、振り返ると、12月23日という日は、初めてやった東京ドームもそうですし、ずっと僕らの記念日のようになっていて。12月23日、24日に特別なライヴをすることが続いて来たので、ファンも強く意識してるんじゃないかな?と思いますし。世間的なグローバルなクリスマスとはちょっと違った形でのLUNA SEAのクリスマスの在り方、過ごし方みたいなものが存在していますよね。<BLACK X’MAS>と呼んだりしているんですけど、僕らなりの演じ方というか、伝え方、届け方というか。そういうものがだんだんと定着してくる中で、こういう曲が生まれるべき時期に来ていたのかな?と思いますね。


──アンコールを待つ合間、「きよしこの夜」の合唱がファンの方から自然発生的に起きるのも恒例となっていましたよね。

RYUICHI:そういったことも含めて、ライヴを今まで続けてくる中で、LUNA SEA……もっと言うとヴィジュアル系というシーン自体がそうなのかもしれないですけど、やっぱりファンの力というのがすごく大きいな、と最近改めて思うんです。これは別に、ただおべっかを使ってファンを褒め称えている、ということでは決してなくて。例えば、僕はビリー・ジョエルやポール・マッカートニーのライヴを観に行ったり、この前もSIAM SHADEを観に行ったりとか、いろいろとライヴを観る機会がありましたし、<VISUAL JAPAN SUMMIT>というフェスにも出させてもらって、2015年には<LUNATIC FEST.>も開催もさせてもらって。そんな中、いろんなバンドのライヴのノリを垣間見ていると、やっぱりヴィジュアル系と呼ばれているシーンのファンの人たちは、一つの方向に向かっているというか、アーティストと一緒に“演奏”しているような気がする。X JAPANのファンもLUNA SEAやGLAYのファンもそうだし、曲に合わせて皆で面白くノリをつくっているんですよ。サビの手のフリもそうだし、訓練してもいないのにピシッと揃っていて。これは頭を縦に振るとか頭を回すとか、手を挙げるとか。いろんなシーンをつくり上げていて、すごく大きな力を持った強い存在だな、という想いがあるんです。

──特にそういう中で、LUNA SEAのファンである“SLAVE”の存在について、特色だと感じられるのはどんな点ですか?

RYUICHI:誰かをすごく好きで、誰かをリスペクトしてて、その人のためだったらすべてを投げ出してでも献身的に何かをしたい、という……そのぐらいの強い絆が、僕らからファンに対してもなければいけないし、ファンから僕らに対してもあって。それが成立しているからこそ、“SLAVE”なんていう名前が付いたファンクラブでも喜んで入会してくれている、というね(笑)。そういうことだと思うんですよ。“SLAVE”を直訳した意味のように、本当に何かを無理やりさせる、というのはもちろんありえないわけだし。例えば照明さんが“この曲のここは青色で、こういうふうにムービングライトが照らして”と考えるのと同じように、ファンはファンで、ここは全員で手を上に挙げてジャンプする、とか考えているわけですよね。そうやって曲に合わせて皆が演出しているし、皆が参加してる、皆が演奏してる、皆が何かを届けようとしてる……そこの中心にやっぱり、LUNA SEAのライヴの場合はSLAVEがいて。何万人という中から最初の誰かが「きよしこの夜」を歌い始めて、僕らが準備を終えてステージ袖に行く頃には、すごく綺麗な声で皆が歌っているのが聞こえて来て、感動するんです。やっぱりSLAVEの力、団結心は大きいんじゃないかな?と思いますよ。もとより、約10年間の終幕の期間……まあ、7年目に<One Night Dejavu>(2007年) として1日だけのステージはあったけれど、<REBOOT>(2010年) まではほぼどうなるか分からなかったバンドについて来てくれたファンの人たちがいたわけですから。

──心から信じていないと、そんなに長く待てないですよね。すごいことです。

RYUICHI:言ってみたら、いきなり消えちゃって音信不通の彼氏をずっと待ってる、みたいな10年間ですからね(笑)。いつ帰って来るかわからないバンドのために……本当にありがたいですよ。

◆インタビュー(2)へ
この記事をポスト

この記事の関連情報