【インタビュー】BAND-MAID、ライブ、新譜リリースと、とどまるところを知らない破竹の活動

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【ライブレポート】
■BAND-MAIDワールドツアー真っ只中の追加お給仕「これからもノンストップで走り続ける」>

初のワールドツアーの真っ最中のBAND-MAIDが10月23日に下北沢GARDENでツアー<『Brand New MAID』Realese Tour>の追加“お給仕”(ライヴ)を開催した。

チケットはソールドアウト。後ろの関係者エリアもぎっしりという光景は彼女たちに対する注目度が高まっていることの証明でもある。開演時間の18時が迫る頃にはすでに場内は熱気で気温が上昇し、暗転するやいなや、大歓声。5人がスタンバイし、「お給仕始めます」の一言でライヴはスタートした。

オープニングナンバーはBAND-MAIDの存在がYou Tubeを通して海外に知られるキッカケになった痛快でハードエッジなナンバー「Thrill(スリル)」だ。気合いの入った演奏、小鳩ミク(Vo& G.)と彩姫(Vo.)が息の合ったツインヴォーカルで魅了し、彩姫が鋭い視線で「もっと来いよ! 下北!」と煽った「Don’t apply the brake」でフロアーは早くもクラウドサーフ続出。「FREEZER」では KANAMIの熱くテクニカルなギターソロに“ウォーッ”という歓声が上がり、数え切れない拳が突き上げられ、たて続けに激しいナンバーが投下されていく。

萌え系のメイド服姿からは想像できないガチのロックを鳴らすBAND-MAIDを初めて見て呆然とする人も多いというが、このギャップは体感してみないとわからない。笑顔をたやさず、パワフルなビートを叩き出すAKANE、クールビューティの容姿をいい意味で裏切る骨太なベースで音の隙間を縫ってフックのあるフレーズを入れ込んでくるMISA、ギターを持ったら人格が変わってしまう実はお嬢様タイプの KANAMI、ギターをかき鳴らしながらキュートで張りのある声でBAND-MAIDの音楽に彩りを与える小鳩、女王様然とした存在感で迫力のあるヴォーカルを響かせる彩姫。まさに5人5様の個性である。

「BAND-MAIDのお給仕へようこそ! 下北沢GARDENのご主人様、お嬢様(ファンのこと)くるっぽー! 小鳩は鳩です! “I am a pigeon”」と英語で挨拶して場内を沸かせ、「今日の皆様の元気を調べるために一緒に“くるっぽ”って言ってくださいますか?」と小鳩のキャッチフレーズでコール&レスポンスを楽しんだ後には本ライヴ初となる新曲「matchless GUM」(ニューシングル「YOLO」収録曲)が披露された。

恋に翻弄される女子の気持ちを歌ったラブソングながら、 KANAMIが切り裂くようなギターソロを響かせ、ヘヴィな味付けで甘さ控えめに仕上げているのがBAND-MAIDらしい。

そして、「ここからはノンストップ」と宣言し、アルバム『Brand New MAID』のオープニングを飾る疾走感たっぷりのキャッチーなナンバー「the non-fiction days」から、BAND-MAIDはさらに加速していった。切れ味鋭いハードなサウンドと憂いのあるメロディが彼女たちらしい「ORDER」ではOiコールで盛り上がり、MISAのベースソロに歓声が上がり、 KANAMIのタッピング奏法が炸裂。

彩姫が「みんな手を挙げて」と煽った「FREEDOM」では彩姫と小鳩が向かい合う見せ場も。アルバムからの楽曲が立て続けに披露される展開にテンションは上がる一方で、日本のみならず海外でも大人気の代表曲のひとつ「alone」が演奏される頃には早くもお給仕は後半戦に突入していた。


「ワールドツアーも国内ツアーもみなさまがご帰宅してくれるおかげです。これからもBAND-MAID、さらにノンストップで走り続けていきたいと思います。せっかくご帰宅してくれたんだから、全力で楽しんで帰らないともったいないっぽ! 小鳩が手持ちでマイクを持っているということは次の曲は決まってるよね?」_小鳩ミク

そう問いかけ、披露されたのは小鳩がリードヴォーカルをとり、ジャンプしながら歌ってコール&レスポンスが巻き起こるナンバー「Beauty and The Beast」。メタリックなリフと彩姫の挑発的なヴォーカルが冴える「Don’t let me down」ではメンバーもヘドバン、AKANEも椅子から立ち上がってドラムスティックで煽り、場内の興奮もマックスに。

終盤戦では小鳩が2017年1月11日にニューアルバム『Just Bring It』をリリースすることを報告し、囁き声でタイトルが「かかってこい!」という意味だとチャーミングに宣戦布告した。そして、BAND-MAID恒例の小鳩による“おなじないタイム”では“萌え萌え”、“キュンキュン”のコール&レスポンスが繰り広げられたが、ここでも「メキシコに負けてるっぽね!」と声の限りに叫んで全力モードだ。

彩姫が英語で“BAND-MAIDはアンコールはしません。私たちはフルパワーでパフォーマンスしてるから”といった意味のことを伝え、「オマエら、かかってこいや!」と叫び、ラストナンバーは今回のツアーで初披露され、彼女たちの新たな可能性を切り開いたポップなパワーチューン「YOLO」で締められた。

全19曲の追加お給仕でフロアーを熱くさせ、再びワールドツアーへと旅立っていくBAND-MAID。日本オリジナルの気合いの入ったガールズロックバンドの今後の活躍に期待したい。

取材・文●山本弘子
撮影●ヤマダマサヒロ

「Brand New MAID」Release Tour 追加お給仕@下北沢GARDEN セットリスト

1.Thrill(スリル)
2.Don't apply the brake
3.FREEZER
4.Price of Pride
5. Shake That
6.matchless GUM
7.the non-fiction days
8.LOOK AT ME
9.ORDER
10.Brand-New Road
11.YURAGU
12.FREEDOM
13.Before Yesterday
14.alone
15.Beauty and The Beast
16.Don't let me down
17.Arcadia Girl
18.REAL EXISTENCE
19.YOLO


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