【インタビュー】Rayflower短期連載第四弾、YUKIが語る「奇跡が起きることがある」
■ツアーで演奏している新曲が育っていく
■育った状態で録ることが出来るのが楽しみ
──ギターの音色についても話していただけますか。
YUKI:昔からメタリックなドライヴトーンをメインにしていて、10年前はマーシャルのJCM-2000、今はマーシャルのJVMを使っているんです。なので、だいぶ音作りは変わりましたね。少し前に昔のアンプを昔のセッティングで弾く機会がたまたまあったんですけど、すごくドンシャリで、この音で2時間弾いたら耳が疲れて死んでしまうと思いました(笑)。今はもう少しファットというか、もちろんガッツリ歪んでいるけど耳が疲れるような音ではないですね。実は自分のJVMはちょっと手を加えていることにプラスして、EQをかましてミッドレンジをブーストしているんです。で、上のキラッとしているところをちょっとカットしています。
──メタリックなドライヴトーンが持っているスムーズさや洗練感を上手く活かしていることを感じます。
YUKI:ただ、僕の音はちょっと難しいところがあるので、ライヴの時はPAさんとよく話をするようにしています。というのも、PAさんに「ソロの音はもう少しハイレンジがほしい」と言われたことがあるんですよ。でも、わざとハイをカットしているので、その時にPAさんにステージ上に来てもらって、ワウを中間くらいで止めた音を聴かせて、「イメージ的に僕はこういう音でずっとギターソロを弾きたいんです」と伝えたんですね。そうしたら、「そういことか」と納得してくれて、「じゃあ、ソロは卓で上げられるところまで上げるから」と言ってくれたんですよ。
──メロウな音ですからね。ワウといえば、「哀しみのリフレイン」のギターソロは、ワウを途中で止めた音で弾いていませんか?
YUKI:違います(笑)。僕はライヴの時はワウを踏みたくないんですよ、立ち位置から動けなくなってしまうから(笑)。だから、ワウを途中で止めたような音をワウを使わずに出しているという。
YUKI:SakuraさんとIKUOさんに関しては、かなり自由度が高いですね。Sakuraさんはレコーディングトラックとは違うプレイをして、アクセントが違う時とかもあるんですよ。IKUOさんも同じフレージングを弾くことはなくて、僕はそれが2人の良さだと思っています。ギターはテーマやリフといった楽曲のキーになるものを弾いているから、そこまでライヴで変えることはできないけど、2人は毎回違うことをする。だから、2度と同じライヴはしないリズムセクションですね。
──2人の即興的なプレイに煽られて、“よし、自分も!”みたいな気持ちになったりしませんか?
YUKI:テーマのメロディーとかは崩さないけど、間奏は変えることもあります。ギターソロも基本的に音源と同じソロを弾くけど、アドリブでいっても大丈夫な場所を所々に作ってあって。そういう場所は、その場の感情に任せて速弾きをしたり、逆にロングトーン一発にしたりします。
──その場のフィーリングを活かすのはライヴの醍醐味ですからね。
YUKI:それに、その場で出てきた自由な発想からアレンジが変わったりすることもあって。なんていうんだろう……奇跡が起きることがあるんですよ。そういう時は、それを次のライヴから活かすようにする。でもしばらくすると、それすらもまた新しいパターンに変わったりするんですけど(笑)。
──歌をメインにしているバンドでは、ちょっと珍しいパターンといえますね。都さんと田澤さんについては、いかがでしょう?
YUKI:都さんが言ってたことですけど、僕らが若い頃にPro ToolsをはじめとするPCソフトが出始めて、寸分ズレないドラムがエディット出来るようになったじゃないですか。そこから人間味を出すため、わざとズラしたりするのが流行って。つまり、完全に合わせるというのは音楽じゃないし、ズレて良いんだという話をされていて。Rayflowerではライヴアレンジをする時に、シーケンサーとかをどんどんカットしていくんですよ。たとえばピアノが鳴っているところにシンセが入ってくるアレンジの曲は、ライヴでは再現できないですよね。そういう時にピアノをシーケンスで流すんじゃなくて、シンセに切り替えるんです。ピアノを弾くのを途中でやめても、お客さんの頭の中にはピアノが鳴り続けるからと。ギターソロのバッキングも同じで、たとえライヴの時に鳴っていなくても、お客さには聴こえるんですよね。そのほうがソロが抜けるというメリットもある。そういう風に、都さんは昔ながらの感覚というか、できるだけ生で勝負したいというロック魂みたいなものを持っていることに魅力を感じています。あと、都さんが弾くピアノも大好きだけど、ショルダーキーボードを弾くところが一番いい。ショルダーキーボードを弾く姿がカッコいいし、ライヴの時に都さんと肩を並べられる瞬間が好きなので。
──都さんは華がありますよね。田澤さんは?
YUKI:田澤君はとにかく声がパワフルですね。今はライヴの時は全員イヤモニを使っているけど、前は生のモニターを使っていたんですよ。でも、どんなにバンドがデカい音を出しても、彼の歌がガン!と前に抜けくる。あれだけ動いても歌がヨレないことも含めて、歌唱力は凄いなと常々思っています。
──さて、Rayflowerは<TOUR 2016~Bloom Moment~>開催中ですが、今回のツアーはどんなものにしたいと思っていますか?
YUKI:前回のツアーはアルバム『Color & Play』を中心にしたセットリストだったけど、今回は新旧織り交ぜているので、昔からRayflowerを知っている人も、最近知ってくれた人も楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。それに新曲をやっていて、それがツアーを通して育っていくだろうな。まだレコーディングしていないので、後々育った状態で録ることが出来るんですよね。それも楽しみです。僕らはとにかくRayflowerをもっと多くの人に知ってほしいと思っているんです。好きか嫌いかは別として、一度触れてほしい。Rayflowerがどういうバンドなのかを知ってもらうには、ライヴを観てもらうのが一番早いから。初めて観る人も楽しめるようなライヴをしているので、近くに行った時にはぜひ会場に足を運んでください。
取材・文◎村上孝之
撮影◎Ayumi Kobayashi
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■ライヴCD『TOUR 2015~Color & Play~ @品川ステラボール』
【通常盤・2CD】LNCM-1156~7 3,800円+税
【Loppi・HMV限定盤・2CD+DVD】LNZM-1153~5 5,800円+税
*デジパックパッケージ仕様(通常盤、Loppi・HMV限定盤 共通)
●CD収録内容:バンドとして更なる大きな飛躍を遂げた<Rayflower TOUR 2015〜Color&Play〜>より、2015年11月6日(金)品川ステラボールでのLIVE全20曲を完全収録
●Loppi・HMV限定盤 DVD収録内容:全国9都市にて行われたTOUR 2015 ~Color &Play~ライブ映像も織り交ぜたファン必見のドキュメンタリー作品
■<Rayflower TOUR 2016 ~Bloom Moment~>
18:30open/19:00start ※SOLD OUT
2016/08/27(土)名古屋E.L.L
17:15open/18:00start
2016/08/28(日)大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
16:45open/17:30start
2016/08/30(火)岡山 IMAGE
18:30open/19:00start
2016/09/01(木)福岡 BEAT STATION
18:30open/19:00start
2016/09/06(火)金沢 AZ
18:30open/19:00start
2016/09/07(水)長野 CLUB JUNK BOX
18:30open/19:00start
2016/09/21(水)仙台 darwin
18:30open/19:00start
2016/09/28(水)神戸 チキンジョージ
18:30open/19:00start
2016/09/29(木)京都 MUSE
18:30open/19:00start ※SOLD OUT
2016/10/13(木)札幌 cube garden
18:30open/19:00start
2016/10/20(木)東京 赤坂BLITZ
18:00open/19:00start
▼チケット
スタンディング前売:¥5,000-/当日:¥5,500- (税込)
※入場時ドリンク代別途必要 ※未就学児入場不可
一般発売:2016/6/26(日)AM10:00~
■ライヴCD『TOUR 2015~Color & Play~ @品川ステラボール』リリース記念イベント
08/29(月)19:30〜 岡山 HMVイオンモール岡山/握手会
08/31(水)19:30〜 福岡 HMV&BOOKS HAKATA/トーク&握手会
09/20(火)19:00〜 仙台 HMV仙台 E BeanS/トーク&握手会
09/27(火)19:30〜 兵庫 HMV三宮VIVRE/トーク&握手会
10/12(水)18:30〜 札幌 音楽処/トーク&握手会
10/17(月)19:00〜 東京 HMV&BOOKS TOKYO/トーク&握手会
◆Rayflower オフィシャルサイト
◆Rayflower オフィシャルYouTubeチャンネル
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