【イベントレポート】SOPHIA、18年ぶり<獅子に翼>開催決定「全力の気持ちで向かいたい」

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SOPHIAが10月9日、神奈川・Kアリーナ横浜にて伝説のライブシリーズ<獅子に翼 V>を開催することが発表となった。

◆SOPHIA 画像

この発表は、6月13日に東京・Spotify O-WESTにて開催されたイベント<Eternal presents Dear SOPHIAns>で明らかとなったもの。同イベントはバンド復活とともに再始動したファンクラブ“Eternal”のリスタート1周年を記念して行われたものであり、その模様がYouTubeライブ配信されているなかでの電撃発表となった。SOPHIAがKアリーナ横浜でライブを行なうのは初。通称<シシツバ”>を屋内開催するのも初となる。以下に<Eternal presents Dear SOPHIAns>のレポートをお届けしたい。

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5月からSOPHIAns(=SOPHIAファンの呼称)はずっとドキドキしていた。なぜなら、Eternal初のイベント開催発表に加え、SOPHIAオフィシャルYouTubeチャンネル開設も急遽。さらには、そのイベントの模様が、YouTubeを通して誰もが視聴できる形でライブ配信するという知らせに、“これはなにかあるに違いない”と感じていたからだ。


まず、イベント<Eternal presents Dear SOPHIAns>の会場となったSpotify O-WESTは、SOPHIAにとって原点回帰の場所でもある。彼らが初めてここに降り立ったのは、1995年3月21日のこと。限定プレスアルバム『SOPHIA』を掲げて、<TOUR’95 もしもあなたに届くなら…>と題した無料GIGを全国7都市で行なったツアーの最終日だ。SOPHIAは自身初の東京公演をO-WESTで行なっていたのだ。

さらに、その東京初ライブから15年を経た2010年3月21日。15周年セルフカバーアルバム『15』購入者から抽選で500名を招待し、再び同会場で同タイトルを冠した無料GIG<SOPHIA 15th Anniversary Live もしもあなたに届くなら 2010>を開催した。ニコニコ動画で完全生中継したこのライブ中、メンバーの都啓一(Key)が悪性リンパ腫に罹患していることを告げ、それにともなって同年4月1日の東京・中野サンプラザ公演を最後にグループとしてのライブ活動の休止、15周年の集大成としての開催を予定していた<獅子に翼 V>の中止を告げたのだ。バンドとしての原点である場所に戻ったSOPHIAは、「都が再びステージに戻ってきたら<獅子に翼Ⅴ>をやろう」と語っていた。

だが、都復帰後もその夢が叶うことなく、2013年8月12日、東京・日本武道館公演で無期限の活動休止を宣言。「次に逢うのは、<獅子に翼>」という松岡充(Vo)から届けられたラストメッセージを信じて、SOPHIAnsはSOPHIA復活を待ち続けていた。そして、2022年10月。約束の場所である日本武道館で、SOPHIAは9年ぶりに復活。翌2023年1月8日には、彼らの始まりの場所である大阪城ホールにて凱旋ライブも開催した。声出し解禁となった大阪公演では、バンドにSOPHIAnsの声が加わり、完全復活の狼煙を上げた。その終演後にはスクリーンを通して、伝説のライブシリーズ<獅子に翼>を2023年に開催することを告知、全SOPHIAnsを歓喜させた。


かくの如きストーリーがあるなか、Spotify O-WESTで迎えたのがEternal初のイベント<Eternal presents Dear SOPHIAns>だ。当日会場には高倍率のプレミアムチケットを引き当てた幸運なSOPHIAnsが集結した。開演前から場内の様子がYouTubeで生配信されてフロアもコメント欄も徐々に興奮が高まっていくなか、イベントの進行を務める司会者が登場。SOPHIAのメンバーを呼び込むと、いつもの「愛の讃歌」ではなく「青い季節」が流れ、ステージ下手から黒柳能生(B)、都啓一(Key)、松岡充(Vo)、赤松芳朋(Dr)、豊田和貴(G)が姿を現した。SOPHIAnsの目の前に5人が揃って姿を現すのは、3月4日および5日に東京・ガーデンシアターにてMTVプロデュース公演を行なって以来だ。

イベント内容は、SOPHIAnsが事前に書き込んだ質問にメンバーが答えていく『SOPHIAnsからの願い!』コーナー、SOPHIAにまつわる質問にメンバー自身が早押しで答えていく『SOPHIAのこと分かってんの?』コーナーなど、メンバーの掛け合いトークやわちゃわちゃした様子を見て、SOPHIAnsたちも大盛り上がり。



『THANK YOUメンバー』なる最後のトークコーナーでは、黒柳が都へ感謝の気持ちをガチで綴った手紙を読み上げ、その流れで「Thank you」の演奏がスタート、イベントはライブコーナーへと突入した。「GOD BLESSS」演奏後は、会場のファンから初期ナンバーのリクエストを募集。リクエストされた曲をさわりだけ歌っていくと、松岡がメンバーに曲名を告げ、このあとは誰も予想していなかった懐かしの「Dancing in the moonlight」を演奏。SOPHIAnsを大いに驚かせ、「エンドロール」でライブも終わりに近づいたことを伝えた。そして同曲の一節“約束は忘れない”に繋がるように「ここで、発表があります」と松岡が話し始めた。

松岡は、「あのとき、なにも約束できない状況だったなかでも、“絶対また逢おう、次は<獅子に翼>で”という言葉を残した」と活動休止を告げた日本武道館のことを振り返った。SOPHIAは、それから9年の時を経て、約束の場所、日本武道館で復活を遂げている。そして凱旋ライブとなった大阪城ホールで「<獅子に翼>やります」と伝えたものの、それ以降なにも発表がなかった<シシツバ”>。その話題に触れてこう続けた。

「10月9日、月曜日だが祝日です。場所は、雨が降っても大丈夫。<獅子に翼>初の屋内です。初めて僕たちはそこに立ちます。会場は、横浜Kアリーナです。SOPHIA、<獅子に翼 V>決定しました」──松岡充

嬉しいサプライズ報告を伝えると、これにはSOPHIAnsも絶叫。続けて、「9年間、みんなに心配させた想い、その借りを返せるような<獅子に翼Ⅴ>にします」と力強く宣言し、イベントラストには「<シシツバ>を想像して歌ってくれ。いくぜ、獅子に翼!」という掛け声で「Believe」をみんなで大合唱。最後は、メンバー5人がフロントに並んで挨拶した。



「Eternalイベント、めっちゃ楽しかった。またいろいろやりたいな。<獅子に翼>、絶対来てくれよな」──豊田和貴

「またひとつ、10月9日という目標ができたのが嬉しい。みんなで伝説のライブにしたいなと思います。笑顔で会いましょう」──都啓一

「10月9日、一人チケットノルマ100人ね。それぐらい連れてきてくれたら2回まわしできるから。期待してます」──黒柳能生

「今回の<獅子に翼>は、SOPHIAとして活動できなかった9年間、その集大成を出せればと思ってます」──赤松芳朋

「ようやく発表できて安心しております。僕はSOPHIAの音楽で自分を肯定したい。メンバーが生きてること、あなたたちが生きることを肯定したい。9年間それができなかった。もしかしたらこれが最後になるかもしれない。それぐらい全力の気持ちで向かいたいと思います。10月9日、会えたら僕は全力で歌います」──松岡充

こうしてメンバーとSOPHIAnsが普段はなかなか体験できない近い距離感で、FCイベントならではの楽しい時間を共に過ごし、<シシツバ>開催のサプライズ発表で大興奮に包まれたなか、ステージを締めくくった。



イベント終演後には、スクリーンで<獅子に翼Ⅴ>開催を伝える映像と新しいアーティスト写真も初公開となった。映像は1999年8月28日、東京・立川国営昭和記念公園にてSOPHIA初の大規模野外コンサートとして初開催された<獅子に翼 I>からスタートした。約3万人の観客が野外で一斉にヒマワリを振る絶景を作り出し、大成功を収めたのが<獅子に翼 >の初回だった。そして<獅子に翼 II>は2001年7月20日、凱旋ライブとして大阪・万博記念公園お祭り広場に会場を移して開催。ここでも25,000人の観客動員を記録した。バンド結成10周年を迎えた2004年にはレコード会社を移籍、これにともなって3週連続シングルリリースを実施(「旅の途中」「please, please」「花は枯れて また咲く」)。そのCD購入者特典として購入者全員をインボイス西武ドーム(現ベルーナドーム)に無料招待するという衝撃企画で、<獅子に翼 III>を2004年8月8日に開催した。招待制ライブとしては当時の国内最大規模を記録。さらにその翌年8月7日に開催された<獅子に翼 IV>は、デビュー10周年を記念して行われたもので、インボイス西武ドームに2年連続で25,000人を動員してみせた。

開催のたびに伝説となり、SOPHIAnsに感動の瞬間を刻みつけてきたのが、人気ライブシリーズ<獅子に翼>だ。デビュー15周年を迎えた2010年にも開催計画はあったものの、前述したように一度目の活動休止にともなって中止。以降はずっと止まったままになっていた…。2013年8月12日、日本武道館で無期限活動休止を宣言したあのライブの終演後、松岡から届けられた「次に逢うのは<獅子に翼>」というラストメッセージ。その<獅子に翼>が、満を持して復活する。



▲1999年<獅子に翼>


▲2001年<獅子に翼 II>

<獅子に翼 V>は、2023年10月9日、自身初のKアリーナ横浜で、同ライブシリーズ初の屋内開催となる。これだけでも、いままでになかったSOPHIAの、<シシツバ>の新たな伝説を目撃できそうな予感がたっぷり漂う。活動休止していた9年間もの間、ひたすら復活を信じて待ち続けていたすべてのSOPHIAnsに対して、完全復活や凱旋ライブを経たSOPHIAが今、最大限の感謝の気持ちを込めて借りを返す。それが今回の<シシツバ>の大きなテーマだ。

「この9年間にケリをつけるから」──映像を通してキッパリとそう伝えた松岡。時空を超えて、さらには世代をも超えて、SOPHIAという“青春”をみんなが共有したその瞬間、なにが起こるのか。<シシツバ>でしか引き起こせない伝説をできるだけ多くの人に会場で目撃して欲しい。今回を見逃すと、次は本当にいつ観られるのかわからないかもしれない。だからこそ正真正銘、史上最強となった現在のSOPHIAが贈る渾身のライブをお見逃しなきよう。


取材・文◎東條祥恵
撮影◎宮脇進

■伝説のライブシリーズ<SOPHIA LIVE 2023 ”獅子に翼 V”>

10月9日(月) 神奈川・Kアリーナ横浜
open16:00 / start17:00
https://k-arena.com/
※Eternal会員先行受付の実施決定。詳細は後日改めて



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