【インタビュー】岸田教団&THE明星ロケッツ、オールドスクールなハードロックのリフとモダンなメロディー「天鏡のアルデラミン」
■この曲のデモを聴いた時にサーカスっぽいイメージが浮かんだんです
■キラキラしているんだけど、ちょっとノスタルジックなイメージ
――でも、個性の強い歌とギター、ドラムの中でしっかりとボトムを支えるベースは貫禄を感じさせます。続いて“アーティスト盤”のカップリングとして収録されている「Circus」の話をしましょう。
岸田:この曲はタイアップとかはなくて、純粋に「天鏡のアルデラミン」のカップリングとして作りました。カップリングも必要だという発注が来た時に、僕は「天鏡のアルデラミン」のMVだったり、ライブの準備だったりで追い込まれている状況だったんです。なので、とりあえず最初に思いついたものを形にしようと思って。それでイメージ待ちをしていたらパッと浮かんできたものがあったので、それをそのまま形にしました。
――パワフル&アッパーなナンバーながら、そこはかとなくオリエンタルな匂いが漂っていることが印象的です。
岸田:それは、メロディーが要因ですね。僕が曲を作ることに追い込まれて、最初に浮かんだイメージでパンッと決め込むと、そういうメロディーになることが多いんです。なので、それは僕が元々持っているメロディー感なんだと思います。モロに和風ではなくて、ほんのりと和が香っているねというのは、たまに言われます。
ichigo:それは、私の歌い方もある気がしますね。私はファルセットの出し方が元々邦楽の出し方で、ファルセットから地声に戻る時に、声が“クルクルッ”となるんですよ。意識しているわけではなくて、自然とそうなるんです。
――面白いです。それに、この曲のイントロのギター・メロディーはバイオリンっぽくないですか?
岸田:それは、はやぴ~さんのニュアンスです。メロディー自体はオーソドックスなものだけど、彼はギターのテクニックとして、ビブラートの使い方に強いこだわりを持っていて。はやぴ~さんは、'30年代から'60年代にかけて活躍したバイオリニスト/作曲家のクライスラーの演奏がすごく好きで、その人は結構特徴的な演奏をするんです。それにインスパイアされた部分が出ているんだと思います。
――インパクトのあるイントロになっています。「Circus」の歌詞は、ichigoさんが書かれていますね。
ichigo:さっき言われたオリンタルと感じた部分がそうなのかもしれないけど、私はこの曲のデモを聴いた時に、どこか哀愁があるなと思って。そうしたら、サーカスっぽいイメージがなんとなく浮かんだんです。キラキラしているんだけど、ちょっとノスタルジックみたいなイメージ。そういうところから入っていきました。
――次々と男性を変えていく女性の姿を空中ブランコに例えているのが秀逸です。
ichigo:私は“僕”という一人称で歌詞を書くことが多くて、ヒドい女に振り回される悲しい男の子という構図が好きなんです。でも、今回は女を最後にヒドい目に遭わせたいなと思って。でも、やっぱりそこに恋愛感情が絡んでいないと、女がヒドい目に遭う理由とかが見えない。それで、歌詞を読んだ人が、この女はヒドい女なんだなとか、男も結構しつこい性格だなといったことが見える歌詞にしました。私は、ヒドい女が3回転半で落ちるという描写が気に入っています。
――細かいことを説明していないのに、いろいろなことが伝わってくる辺りはさすがです。
ichigo:細かいところまで書く歌詞は、好きじゃないんです。“そんなに全部喋っちゃうの?”みたいな歌詞が多いですよね。私は、そういうのは嫌なんです。
岸田:僕は、ichigoさんのそういうところも信頼しています。「Circus」のベースは、この曲は変拍子なので、まずはちゃんと弾けるかどうかっていう(笑)。でも、実際に弾いてみたら、思ったより簡単でした。日頃やっている曲のほうがメンドくさかったりしますね。「Circus」はずっと3拍子で、途中で大きくノリが変わったりしないから、わりと楽だった。それは、はやぴ~さんも言っていて、みっちゃんだけが泣きそうになってた(笑)。
ichigo:アハハ(笑)。私も、この曲は楽でしたね。たしか、2回くらい歌って終わったと思います。この曲は、すごく歌いやすかったんです。
――やりますね。「天鏡のアルデラミン」よりも歌のダイナミクス・レンジが広くて、この曲のほうが歌の難易度は高い気がします。
ichigo:自分で歌詞を書いたというのもあると思うけど、選ぶべきニュアンスというのがもう全部決まっていたんです。Aメロにしても、サビ・パートにしても。それに沿って歌ったら全然それで良いと言われて、すぐに終わりました。
岸田:たしかに一般的には「Circus」のほうが難易度が高いと思うけど、ichigoさん個人からすると歌いやすいというのは分かる。彼女は、こういう曲のほうが得意なんですよ。「Circus」は、良い歌詞を書いて、良い歌を歌ってくれたなと思います。
――たしかに。同時に、岸田教団&THE明星ロケッツは、個性的であると同時に岸田さんの要求に職人的に応えられるスキルを持ったメンバーが揃っていることも感じます。「天鏡のアルデラミン」のリリースに加えて、7月23日に<全国ワンマンツアー 2016 ~ひさしぶりのおそと~>のファイナルとして日比谷野外大音楽堂で行なわれるワンマン・ライブも注目です。
岸田:僕らは座席があるワンマンというのは、今回が初めてなんです。そういうライブをやろうということになったのは、【ANIMAX MUSIX】が大きいよね?
ichigo:うん。2015年の11月に横浜アリーナで開催された【ANIMAX MUSIX】に出させていただいたんですけど、その時の私達がテンでダメだったんです(笑)。
岸田:自分達としてはできることを最大限やったけど、終わった後に、もうちょっとできないとダメだよねという話になって。その後いろいろやっていった結果、やっぱり座席ありのライブを一度やってみたほうが良いんじゃないか…みたいな空気が流れて。だったら野音だろうということになりました。野音は個人的に憧れがある会場だし、規模的に自分達の力量を見るのに最適なんですよね。だから、野音をやってみて、自分達はこれより上の世界は無理だと思ったら、素直にZeppに帰ろう…みたいな(笑)。
ichigo:ええっ? 私は武道館へのステップにしたい。武道館をやったバンドのボーカルとして、ちやほやされたいから(笑)。
――武道館、ぜひ目指して欲しいです。日比谷野外大音楽堂のライブは、内容的にはどういうものになりますか?
ichigo:岸田教団&THE明星ロケッツのライブに来てくれた人には、“楽しかった。めっちゃ運動したな”と思って帰って欲しいというのがあって。いつもパーティー感のあるライブというか、お客さんが思いっきり騒げるライブをしているんです。野音もそういうライブになるよね?
岸田:うん。ただ、ハードなライブをしているけど、最近はそれ一辺倒ではないようにしたいというのがあって。激しいだけじゃなくて、聴かせるところは聴かせるようにすべきだなと思っているんです。なので、野音のライブもそういう意識で臨むことになると思う。そうはいっても、暴れられるライブということに変わりはないですけど。
ichigo;夏の野外ですからね。もう、みんなでビシャビシャになりたいなと思っています(笑)。さっきも言ったように、私はさらに上を目指すきっかけになるライブにしたいし。必ず成功させたいです。
岸田:そうだね。ただ、成功というのは、埋まったか、埋まらないかで決まることじゃないから。終わった時に、みんなが何を持って帰るかが大事だよね。だから、野音も来てくれた人みんなに何かしら良いものを持って帰ってもらえるようなライブを目指します。
取材・文●村上孝之
New Single「天鏡のアルデラミン」
1000611362 <アーティスト盤>1,800円+税 CD+DVD
CD収録内容
1.天鏡のアルデラミン
(TVアニメ「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」オープニングテーマ)
2. Circus
3. 天鏡のアルデラミン -Instrumental-
4. circus -Instrumental-
DVD収録内容
・天鏡のアルデラミン MUSIC Video
・天鏡のアルデラミン TV-SPOT
1000611363 <アニメ盤>1,500円+税 CD+DVD
CD収録内容
1. 天鏡のアルデラミン
(TVアニメ「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」オープニングテーマ)
2. 天鏡のアルデラミン -TV-size
3.天鏡のアルデラミン -Instrumental-
DVD収録内容
TVアニメ「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」PV
1000611364 <通常盤>1,200円+税 CD
CD収録内容
1. 天鏡のアルデラミン
(TVアニメ「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」オープニングテーマ)
2. Circus
3. 天鏡のアルデラミン -Instrumental-
4. circus ?Instrumental-
ライブ・イベント情報
【東京公演】
●出演者:岸田教団&THE明星ロケッツ
●日時:2016年7月23日(土)
●会場::日比谷野外大音楽堂
●時間:開場/開演 17:15 / 18:00
<ナゴヤアニソンフェス2016in名古屋城>
●出演者:岸田教団&THE明星ロケッツ ほか
●日時:2016年8月7日(日)
●会場::名古屋城二の丸広場 特設野外ステージ
●時間:開場/開演 15:00 / 16:00
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