【インタビュー】ASH DA HERO「100年後も“僕という現象”が」
■このアルバムで提言したいのは、“反逆”はいらないってこと
──では、ASH DA HEROが描く未来像は?
ASH DA HERO:「One Hundred Years Later」で歌っているんですけど、僕の最終的な夢は、“100年後も生き続けていたい”っていうこと。それは生命があることではなくて、100年後も“僕という現象”が転がっていてくれたらと思っていて。人間なんて明日死んじゃうかもしれないじゃないですか。そのために自分のバカみたいな夢を種としてばら撒いておきたい。
──バカみたいな夢って、壮大そうでいいですね(笑)。
ASH DA HERO:ローリング・ストーンズのミック・ジャガーやエアロスミスのスティーヴン・タイラーくらいの年齢になったら、宇宙ロックフェスを主催したいと思っていてね。そのときに世界を賑わせているアーティストを招いて、みんなで宇宙から地球を見たい。地球はこんなにも小さくて丸くて、このひとつの星のなかで僕らは一緒に生きてるんだぜって。国も違うし、言語も違うけど、手を取り合えるはずだよ、みたいなことを最後に届けられたらいいなと。それをやったら100年後の教科書にも絶対載るでしょ(笑)?
──間違いないですね(笑)。
ASH DA HERO:まだ無名なアーティストが何をバカなことを言ってんだって話だと思うんだけど、それを語ることで、こんなバカな奴がいたんだよって残るでしょ。その先には、それをマジで目指す奴が出てくるかもしれない。もちろん自分で叶えることが理想だけど、夢を配ることも僕の仕事。ロックスターってそういう職業だと思うんです。未来へ向かって理想や夢を発信し続けたい。叶っちゃうぐらいの夢とか、諦めのつく夢ならみないほうがいいと思う。がんばれば達成できちゃうぐらいの夢なんて“ノルマ”で、成功率0%のものが夢というか。
──“0か100”がASH DA HEROの魅力でもありますね。
ASH DA HERO:僕は自然体ですからね。「キャラ作ってるんでしょ?」ってよく言われるけど、むしろ昔の僕がキャラ作って生きてきたんだよ。ASHになってからはリミッターが外れて、メジャーデビューして拍車がかかった(笑)。それに、キャラ作ろうとしてもうまくいかないんですよね。新しいアーティスト写真も、カメラテストのカットで。そこから先のカットはカッコつけようとしてるあざとさが出ちゃう。
──このアーティスト写真って、一番さり気ないASH DA HEROってこと?
ASH DA HERO:そう。ホントにカメラテストの一枚目。アルバムを作ってすぐ撮ったから、この作品で一番自分が伝えたい、喜怒哀楽全ての感情が表情になって出ているなって思いますね。衣装も含めて。
──ジャケットを着ているし、今までとの印象の違いにびっくりしました。
ASH DA HERO:メジャー一発目のアルバムで“反逆のロックスター”みたいな肩書を付けて広めてもらったんですけど、このアルバムで提言したいのは、“反逆”はいらないってこと。もうカウンターは求めていなくて自分の王国を作りたい。
──これまでがワイルドサイドだとしたら、このアルバムからは王道へ?
ASH DA HERO:自分のイデオロギーとかそういうものが広がっていくためには、一個城を作んなきゃいけないっていうのがあって。そういうイメージだからちょっと貴族っぽくね。
──ジャケットのハートは?
ASH DA HERO:すごく早い段階で“ハート一発ドン”にしようって決めていて。それをデザイナーさんとすり合わせながら進めていったんだけど、いろんな捉え方ができていいデザインですよね。ハートにも心臓にも見えるだろうし、いろんなカケラが集まってハートになっているって見方もできる。もうひとつのポイントは、檻の内か外かわからないけど、その影がある。すごく意味を感じるというか、とってもアーティスティックでイマジネーションが広がりますよね。
──その意味合いは限定しない?
ASH DA HERO:聴いた人の心理状況によっていろんな見え方をするんじゃないのかな。だからこのアルバムタイトルなんですよ。『THIS IS LIFE』の“LIFE”って、“命”って意味もあるけれど、人生。アメリカのスラングだと、“生きてて良かった”っていう意味合いにもなる。人生って痛いことも悲しいことも寂しいこともあるけど、とにかく生きてるじゃんっていう。“生きてるってことだよ!”っていうのを一番伝えたい。聴くたびに、その人に一番響く曲が見つかるアルバムだと思うんだよね。
取材・文◎BARKS編集部 高橋ひとみ
▲『THIS IS LIFE』
New Album『THIS IS LIFE』
¥2,315+税
CRCP-40464(CROWN STONES/日本クラウン)
1. Overture
2. You Gotta Power
3. Anchor
4. Everything
5. いつかの街で
6. 上京難民
7. Never ending dream
8. 生命のリレー
9. One Hundred Years Later
10. HELLO NO FUTURE
<ASH DA HERO ONE MAN TOUR 2016 「THIS IS LIFE」>
8月19日(金)大阪 : 大阪 MUSE
8月26日(金)名古屋 : Electric Lady Land
開場 18:00 / 開演 19:00(全日程共通)
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