【ライヴレポート】VAMPS、ASH DA HEROとの<JOINT 666>で「どんな言い分があってもテロは卑怯だろ」

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VAMPSが11月15日、ツアー<LIVE 2015-2016 JOINT 666>の3日目をZEPP TOKYOにて開催した。

◆VAMPS 画像

この日の対バン相手に抜擢されたのは、VAMPS所属事務所の後輩にあたるソロアーティストASH DA HEROだ。バンドメンバーが待つステージに現れた彼が一瞬、不敵な笑みを見せた。まだ、デビュー前の新人アーティストが、ZEPP TOKYOに集まった3,000人を前に見せた大胆な表情に驚きが隠せなかった。


バスドラの4分打ちに乗せて、囁くように「THIS IS LOVE」を歌い出すという静かなオープニング。その声は次第に力強さを増して爆発していく。インターでは「みんな跳べる? 上へ!」と叫んだASH DA HEROに、無数の手が挙がり、会場全体がジャンプで揺れた。続いて、エレクトロな音色を採り入れた「結局なんにもやれてない」、激しいスクリームとエモーショナルなメロディーが共存する「Spawn」へ。マイクスタンドを振り回したり、ステージ狭しと駆けまわるなど、エネルギッシュなステージングに導かれて、会場の温度も高まっていく。

「今、実はすっごく緊張していまして。ブーイングが起きたらどうしようとか、全員がタバコ吸いに行っちゃってたらどうしようとか、すっげー思ってた(笑)」──ASH DA HERO


それまで自信に溢れた堂々たるパフォーマンスを展開していたASH DA HEROが、不安を抱えてステージに臨んだことを明かした。もちろんそれは杞憂に終わり、「温かく迎えてくれて嬉しいです! ありがとうブラサカベイビー(BLOODSUCKERS BABY)! 今日は名前だけでも覚えて帰ってくれ!なんて言う気はさらさらないから。ちょっとでもいいなあと思ったら、がっつりファンになって帰ってください!」と、メジャーデビューミニアルバムから「反抗声明」、アイリッシュをはじめとする様々な音楽要素が組み込まれた「WAKE UP ROCK AND ROLL」を立て続けに披露。曲が終わった途端に大歓声が上がった。

ひたすら会場を温めた後はバラードの出番だ。「とっておきの歌を聴かせる」と語ってコールされたナンバーは、「GOOD MORNING HELLO GOOD BYE」だった。ピアノの伴奏から静かに曲が始まった同曲では、これまでとはまた違った優しくハスキーな歌声が響く。伸びやかなその声に包み込まれるような錯覚を覚えた。


「呼んでくれたVAMPSのみなさん、本当にどうもありがとう。必ず自力でここに帰ってこようと思います」──ASH DA HERO

感謝と野望を伝えたステージは、最後に「Prologue」へ。ラストソングに“序章”を意味する楽曲を持ってくるという演出が心憎い。ASH DA HEROはこの曲をスタートに、また前へ突き進んでいくという気概を感じさせてくれたのだ。また、オープニングナンバーで“その壁を超えて 今 君の声を 届けてくれ”と歌った彼のステージは、それをまさに具現化した。ZEPP TOKYOに帰ってくる日は、そう遠くはないと感じさせるライヴとなった。



主役の登場を前にざわつく場内に、流れるBGMがだんだんと大きくなり、その音量がピークに達した時、目を見張るような照明演出と共にVAMPSがステージに降臨した。閉じ込められていたとんでもない何かが解き放たれたような衝撃。まだ演奏は始まっていないというのに、圧倒的な存在感を醸し出すVAMPSの姿がそこにあった。

オープニングナンバーをはじめ、セットリストは初日とも2日とも異なるものだった。一体VAMPSはこのツアーに何通りのメニューを用意しているのか。飽きさせないどころか、その日限りのドラマを毎回会場に描いてくれる。


ダークでヘヴィ。恐怖に似た感情と興奮が入り混じる序盤では、「BLOODSUCKERSのかわいこちゃんたち、今日もいっぱいかわいがってあげるからね。だから全部脱いで、全部見せてくれよ!」と煽るHYDEとアグレッシヴなサウンドを聴かせるK.A.Z。それに共鳴したBLOODSUCKERSは、身体を激しく揺らしたり次から次にダイブをしたり、待ってましたとばかりに暴れ狂う。

一転、場内に鐘の音が鳴り響いた。「どんな言い分があってもテロは卑怯だろ」とのHYDEのひと言は、この日報じられたパリの同時多発テロに対するものだった。そして楽曲は「JESUS CHRIST」へ。“Jesus Christ, I believe you”と歌うその声は悲痛な叫びへと変わり、BLOODSUCKERSの胸に深く刻まれたはずだ。続く、「VAMPIRE’S LOVE」に浄化されたかのような会場には厳かな空気が流れ、場内から万感の拍手が。




「楽しんでる? 3日目ですね。ASH DA HERO、大したもんだと思いますよ。僕にはここが武道館に見えたね。そこまで、すぐ行きそうな感じがします。まあ、褒めるのはこれくらいにして(笑)」──HYDE

と中盤のMCでHYDEは、対バン相手にして後輩のASH DA HEROへ最高の褒め言葉を贈り、「そろそろパーッといきたいでしょ? 一緒にエッチな星に行こうぜ! Here We Go!」と「ZERO」へ。浮遊感のあるサウンドに加え、ミラーボールから放たれる無数の光が、その言葉通り場内を宇宙に変えた。ドラムソロに続き、イントロが流れるやすぐさまクラップが起こった「LOVE ADDICT」では、HYDEがフロアに向けて水を噴射、K.A.Zもペットボトルの水を客席に浴びせて、ボルテージの高まりが見て取れるようだ。

「ここは俺たちのホームだから。一番すごくないとおかしくねえか? 全然足りねえよ! 血が足んねえ!」と叫んだHYDE。終盤はその声に呼応したBLOODSUCKERSが拳を突き上げ、至るところでクラウドサーフが沸き起こった。何十台もの照明機材によるライティングはVAMPSの楽曲にシンクロして、会場の熱気をさらに高めていく。VAMPSのショーはこの日も美しかった。


迎えたアンコール。そのラストナンバーでは「ここで、ヤンチャなやつ呼んでいいかい? ASH!」とHYDEが叫ぶと、ASH DA HEROが再びステージに登場。「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」でお立ち台に上ったHYDEは、ここに来いと言わんばかりに足元を指差してASHを自分の隣に呼び、一斉にジャンプをキメた。HYDEとASHが1本のマイクで歌い、この日のラストシーンは2人が固い握手とハグを交わすという温かいもの。「また明日。それまで首洗って待ってろよ!」という言葉を残して3日目のステージも大盛況のうちに終了した。

取材・文◎高橋ひとみ(BARKS)
撮影◎田中和子

■<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>
11月15日@ZEPP TOKYO ASH DA HEROセットリスト

01.THIS IS LOVE
02.結局なんにもやれてない
03.Spawn
04.反抗声明
05.WAKE UP ROCK AND ROLL BAND
06.GOOD MORINING HELLO GOOD BYE
07.BABY GOOD NIGHT
08.からっぽの街
09.Prologue


■<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>

【東京 ZEPP TOKYO】
2015年11月12日(木) MY FIRST STORY
2015年11月13日(金) MONORAL
2015年11月15日(日) ASH DA HERO
2015年11月16日(月) HIM
2015年11月18日(水) HIM
2015年11月19日(木) HIM
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
【大阪 なんばHATCH】
2015年12月05日(土) TBD(未定)
2015年12月06日(日) TBD(未定)
2015年12月09日(水) TBD(未定)
2015年12月10日(木) TBD(未定)
2015年12月12日(土) Nothing More
2015年12月13日(日) Nothing More
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
【名古屋 ZEPP NAGOYA】
2016年01月09日(土) TBD(未定)
2016年01月10日(日) TBD(未定)
2016年01月13日(水) Apocalyptica
2016年01月14日(木) Apocalyptica
2016年01月16日(土) Apocalyptica
2016年01月17日(日) Apocalyptica
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

OPEN 18:00 / START(JOINT ACT) 19:06 (平日)
OPEN 16:00 / START(JOINT ACT) 17:06 (土日)
前売り 6,660円(税別)
■一般発売日:2015年10月18日(日) AM 10:00

追加公演【福岡 ZEPP FUKUOKA】
2016年01月21日(木)
2016年01月23日(土)
2016年01月24日(日)
(問)キョードー西日本 092-714-0159
追加公演【札幌 ZEPP SAPPORO】
2016年01月28日(木)
2016年01月30日(土)
2016年01月31日(日)
(問)マウントアライブ 011-623-5555

OPEN 18:00 / START(JOINT ACT) 19:06 (平日)
OPEN 16:00 / START(JOINT ACT) 17:06 (土日)
前売り 6,660円(税別)
■一般発売日:2015年12月05日(日) AM 10:00

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