【インタビュー】植田真梨恵、デビュー作発表「全部をそぎ落としてもいいというのが今の私のキーワード」

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■いっぱいお客さんとキャッチボールしたほうが面白い
■弦が切れて音が鳴ってないから、めっちゃ手拍子してもらうとか(笑)

──3曲目の「アリス」は可愛らしいというか、これこそ女の子が持ってる気持ち。同性の共感を集めそうな歌詞ですね。この曲だけは、17~18歳当時のデビューが決まる以前からあった曲なんですね。

植田:自分で聴いてても少し懐かしい感じがして。最近、すごく小さいときの記憶を思い出すことが多いんですね。それこそ歌手になりたいっていう、ものすごく大きな夢を描いていた5~6歳の頃だったり。保育園にお母さんが迎えに来てくれたこととか、そういうノスタルジックな感じなんですけど。アリスからはすごくそれを感じるというか。ずっと可愛らしいままのイメージで古ぼけていくようなところがあって。私にとってもこの曲は、過去の曲になっちゃっているのでわりと客観的に聴いているんです。女の子にとっての、過去のあのときのあの気持ちというか。それがこのCDに合うかなと思って収録したんです。

──収録された3曲は、「彼に守ってほしい10のこと」でギターロック、「ダラダラ -demo-」でアコースティックギターの弾き語り、「アリス」ではプログラミングによるローファイなサウンドを聴くことができるわけですが。これら3曲はアレンジ面でもバラエティーに富んでいて、シンガーソングライター植田真梨恵の本質がどこにあるのか、すごく気になるところなんですが?

植田:ふふふ、たしかに(笑)。でも、全然どれでもいいんです。打ち込みでも、弾き語りでも、ギターロックでも。それらを全部アレンジし直しても別にいいくらいの気持ちで曲を書いているんです。

──シンプルで強いメロディと歌詞が核にあればこそ、その味付けはどんなカタチでも成立するという。

植田:だから、全部をそぎ落としてもいいっていうのが、今の私のキーワードになっているんです。

──そういう意味では、「ダラダラ」には“-demo-”という言葉がタイトルに付いていて。これはあくまでも原型であり、ここからの発展が予想できるタイトルでもありますよね。

植田:そう……かもしれませんね(笑)。

──あと、すごく細かいことなんですが、「彼に守ってほしい10のこと」のギターソロは岡本仁志さんによるものですか? いつもの岡本さんのプレイとはちょっと違うというか。

植田:あらかじめプリプロで作った仮ギターのニュアンスをそのまま弾いてくださったんです。「曲を作った本人のイメージの中でこういうふうに鳴ってるんだったら、そっちのほうがいいからコピーする」って言ってくださって(笑)。

──そういうことなんですね。ちょっとしたギリギリ感があるギターソロです。ヘタウマというか。

植田:そう(笑)。岡本さんにはその感じをそのまま再現していただいて、本当にありがとうございます!っていう。

──ではライブの話もうかがいたいのですが、インディーズ時代からかなりライブも重ねてきたようですけど、ライブハウスはいつぐらいから出はじめたんですか。

植田:大阪に来てからだから、16~17歳くらいで弾き語りライブを始めて。バンドでもたまにやるような感じで。でも最初は弾き語りとかもできなかったので、高校時代にたくさんやって覚えたという感じですね。多いときは月に何本も、下手だから武者修行でお客さんいるとかいない関係なく、とにかくやってました。

──そのなかで自分なりのやり方もつかめてきましたか。

植田:回を重ねるごとにですね。お客さんが来てくれるっていうのが、普通になってきちゃったらいけなくて。毎回みなさんチケットを買って、いろんな行程を経てライブハウスまでたどり着いてくれるので。それぞれの人生を思うと、毎回同じことは絶対できないし。その人たちひとりひとりに向けて、歌いたいなと。その空気をつかみながらやっていかないと、どんどん嘘みたいになって、自動再生モードみたいになっていっちゃうから。弾き語りでわざわざやってる意味がないし。

──お客さんに対する気持ちが強いんですね。

植田:困ったことが起きたりしても、わりと大丈夫になってきましたね。最近面白かったのは、渋谷のストリートライブイベントで弦が4本切れたこと(笑)。全然音が鳴らないんですよ(笑)。そうそう、ピックも割れちゃったこともありました。お客さんでピック持ってる人がいたので、借りたりして。

──たまたまピックを持っていたお客さんもすごいですけど(笑)。

植田:そういうこともあるから(笑)。いっぱいお客さんとキャッチボールしたほうが面白い。弦が切れて音が鳴ってないから、めっちゃ手拍子してもらうとか(笑)。

──度胸ありますね。もともと大阪に行ったのは所属する会社があったからではあるけど、そういう植田さんの持ってる空気にも合っていたのかなって思っちゃいます。

植田:もしかしたらそうかもしれない。私、福岡出身なんですけど、福岡の人って結構気が強くて。根性もんが多いなって思うんですよ。関西ではとくに、お客さんが厳しかったりするじゃないですか。だから、そういう意味では熱いパッションはどんどん磨かれていったのかもしれないですね。でもね、熱いパッションで乗り越えたりとかはあまりしたくないんですよ(笑)!

──音楽ありきですからね(笑)。

植田:そうなんです。なので、なるべくちゃんとしようと思ってます。

──今回は新しいトライもありましたが、これからまた新しい切り口としてやってみたいことはありますか。

植田:わかりやすく曲が進むのを大前提にしようとは思い始めていて。AメロがあってBメロがあってサビっていうような、それでテンポもあまり変わらないような、“普通”っていう枠組みのなかでどれだけいいものが作れるかっていう。今までわりとぐちゃぐちゃやってきたので、今むしろ、それをするのが面白いんですよね。

取材・文◎吉羽さおり


■1st major single「彼に守って欲しい10のこと」
2014年8月6日(水)発売
GZCA-4140 ¥1200 + 税
1.彼に守ってほしい10のこと
詞と曲:植田真梨恵 編曲:いっせーのーせ
2.ダラダラ - demo -
詞と曲とギター:植田真梨恵
3.アリス
詞と曲:植田真梨恵 編曲:麻井寛史
4.彼に守ってほしい10のこと - off vo. -

■<「彼に守って欲しい10のこと」リリース記念インストアイベント>
8月6日(水) 19:30~ タワーレコード渋谷店 1F 店内イベントスペース
8月7日(木) 19:00~ タワーレコード横浜ビブレ店 店内イベントスペース
※その他地域のインストア情報に関しましては、決まり次第、随時お知らせいたします。

■<SOUND SHOCK 2014>
2014.8.22(金) CREATIVE CENTER OSAKA (名村造船所跡地)
OPEN 10:30 / START 11:00
ゲストバンド:植田真梨恵、空想委員会、夜の本気ダンス、MAMADRIVE、ココロオークション他
前売 ¥2,000 / 当日 ¥2,500(1D別)
*入場時に学生証提示で¥500キャッシュバック
[問]SOUND SHOCK運営委員会

■<植田真梨恵LIVE TOUR 2014 UTAUTAU vol.1>
2014.9.07 梅田Shangri-La
2014.9.23 原宿ASTRO HALL
OPEN 17:00 / START 17:30
TICKET 前売 ¥3,500 / 当日 ¥4,000 (1D別)
一般発売日:8/16(土)
チケットぴあ[Pコード(共通) 235-055]
ローソンチケット[Lコード(大阪)59874 / (東京)72365]
e+
[問]H.I.P. 03-3475-9999

◆植田真梨恵 オフィシャルサイト
◆植田真梨恵 オフィシャルYouTubeチャンネル

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