【インタビュー】ラルクのyukihiro、時雨の345、モーサムの百々からなるgeek sleep sheep、結成前夜から現在までを語るロングインタビュー「ドラムがやりたかったんですよね」

ポスト

■1曲まるまる歌うとかってそれまでなかったんですね
■時雨とは歌い方を変えないと歌えなくて、頑張りました(笑)──345

──11月の梅田クアトロでの初公式ライヴや、12月に日本武道館で行われた<DECEMBER'S CHILDREN>では着々と曲数を増やして、2013年3月の初ワンマンライヴ<confusion bedroom>では全14曲中11曲のオリジナルナンバーを披露していました。ライヴのたびに曲が増えていくスピードにまず驚いたんですが、<confusion bedroom>でみたgeek sleep sheepの印象は、男女のツインヴォーカルスタイルが際立ったものだったんですね。345さんが歌う曲があれば、momoさんが歌う曲もあるし、2人のハモリやユニゾンも掛け合いもあるみたいな。

momo:それはね、最初のリハでストロベリー・スウィッチブレイドの「シンス・イエスタデイ」をセッションしたことが大きくて。

──「シンス・イエスタデイ」って80年代にリリースされた女性デュオによるエレポップ、ニューウェーヴ色の強い曲ですよね?

momo:90年代以降のいわゆるオルタナティヴだけをこのバンドでやってしまうと、モーサムとも近くなってしまうし。そういう音楽とちょっと距離を持ちながらもそこでやってるみたいなところが僕にはあったんで。345ちゃんはベースで歌えるし、ひとつ80年代ニューウェーヴとポストロックあたりのこともやれたらいいなという。で、「シンス・イエスタデイ」を入れてみたんです。

yukihiro:初めてのリハのときに女性ヴォーカルの曲を提案してくれたのがmomoくんだけで、なるほど!と思いました。後日、345ちゃんにスタジオに来てもらって、アレンジしていきました。

momo:そうだ! いきなり345ちゃんヴォーカルバージョンのデモが届いた(笑)。

345:時雨とは歌い方を変えないと歌えなくて、頑張りました(笑)。1曲まるまる歌うとかってそれまでなかったんですね。

momo:ベースをちゃんと弾いてて、歌まで入ってて。そのデモを聴いて、もう、ちょっと……ビビりましたね。“きたー!”と思いました(笑)。やっぱり時雨で歌ってるイメージがあったから、そういう歌い方をされる人なんだという風に思い込んでいたので。もうこのデモを聴いたときに、一気にgeek sleep sheepの伏線が見えた。“この歌が歌えるならいくらでもできるぞ”ってすごい嬉しくなった記憶がありますね そこから僕の345推しが(笑)。

345:それがいまだに続いてる(笑)。

──10月16日にリリースされるデビューシングルには「SINCE YESTERDAY」がカップリングナンバーとして収録されますが、タイトル曲の「hitsuji」はどなたが原曲を?

momo:僕なんですけども、まさに345ちゃんを活かす曲を作りたいと思ってできた曲ですね。この曲だけは完成形がすごい見えていたので、リズムと歌メロとギターを入れたデモをバーっと作ったんです。2012年末の武道館ライヴぐらいのときには、バンドの方向性とかまでしっかり考えた曲作りがカタチになりだしていて。そういうタイミングで「hitsuji」ができたんです。シューゲイザーのテイストを持った曲でもあるし、この3人でやってる強みみたいなものが、この曲を作った時点では一番濃く出せた感じがありましたね。

──男女それぞれの視点で描かれた歌詞が曲のエンディングでリンクするロマンチックな曲に仕上がりましたね。

momo:歌詞はですね、345ちゃんが歌うというイメージで、僕が絶対書かない歌詞を……勝手に345ちゃん目線で書いたという(笑)。デモに手応えを感じていたので、これは代表曲になるかもしれないぞと。だったら歌詞とかタイトルにバンド名との絡みもつけたらおもしろそうだなと。ホントに初めての経験だったので、自分の作った歌詞を女性が歌うっていうのは。

──ある意味では、ヴォーカリスト345さんの新たな側面をmomoさんがプロデュースするというような視点があったということですか?

momo:まさにそうですね。「SINCE YESTERDAY」はとにかく345ちゃんの声、これでいこう!みたいなのがすごくあって。「hitsuji」は345ちゃんの歌ってる感じとか、声の感じに合うなって勝手に僕が思って書いたようなところがあるんです。

── 12月24日には東京での2回目のワンマンライヴが開催されるほか、2014年1月に東名阪を廻る初のツアーが予定されています。どちらもステージを至近距離で体感できる貴重な機会ですが。

yukihiro:ああ、ライヴだとドラムの目の前に誰もいないっていうのがあって……それは馴れないですね(笑)。実は、丸見えだから恥ずかしいんですよ。僕にとってはドラムの前にヴォーカリストがいるカタチが普通で、トリオのこういうカタチは初めてだから……すごい不思議なんです(笑)。

345:そうなんですか?

momo:え? でもacid androidは?

yukihiro:acid androidはヴォーカルだから。ドラム叩いてるときとは、また違う感じなんです(笑)。

──では最後に、バンド名のgeek sleep sheepほか、始動当初はパジャマ姿がステージ上の衣装だったりと、このバンドには“夜”のイメージがあるんですが?

yukihiro:僕が夜にちなんだようなイメージを持っていたんです。揃いの服っていうのも、新しく3人で始めたバンドなんだっていうことをわかりやすく示せるし、初めのライヴで3人がパジャマっていうのはおもしろいんじゃない?って。

──では、geek sleep sheepというバンド名は?

yukihiro:そのシークレットライヴが終わった後に、「そういえばそろそろ名前決めないと」っていう話になって。オールナイトのシークレットライヴから始まったバンドだし、衣装がパジャマだったというのもあって、夜から連想する“sleep”と“sheep”はすぐ出てきたんですよ。で、もうひとつ何か加えたいなと思ったときに“geek”が出てきました。

──“geek”にはあるひとつの物事に対して熟練的な技能を持っているとか、才能を持っているという意味でも使われるみたいですね。

yukihiro:うん。でも意味よりも、響きの良さとか、eが並んだスペルの面白さを取りました。

──バンドサウンドを匂わせる名前でもありますよね、ひとつの側面で語り尽くせない音楽性であったり、いろいろな景色が想像できる。

momo:だからバンド名をyukihiroさんから聞いて、「きた!きた!」って感触がすごくあったんですよ。

345:うん。このバンドにピッタリだと思いましたね。

取材・文◎BARKS編集部 梶原靖夫


■メジャーデビューシングル「hitsuji」
2013年10月16日(水)発売
TYCT-30007 ¥1,260(税込)
1.hitsuji
2.SINCE YESTERDAY(アルバム未収録曲)
3.Good Dream(アルバム未収録曲)
※初回生産分 封入特典:ツアーチケット先行予約チラシ封入

初のワンマンツアー<tour confusion bedroom>
■2014年1月23日(木) 大阪 なんばHatch
Open / Start 18:30 / 19:30 Ticket: all standing ¥4,200(tax in)
[問]キョードーインフォメーション 06-7732-8888 (全日10:00~19:00)
■2014月1日24日(金) 名古屋 クラブダイアモンドホール 
Open / Start 18:00 / 19:00 Ticket: all standing ¥4,200(tax in)  
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(10:00~18:00)
■2014年1月29日(水) 東京 EX THEATER ROPPONGI
Open / Start 18:30 / 19:30 Ticket: standing ¥4,200(tax in)
[問]DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
※ドリンク代別
※未就学児童のご入場はできません
※小学生以上はチケットが必要になります
一般発売日: 2013年11月16日(土)

■ワンマンライヴ<confusion bedroom vol.2>
2013年12月24日(火) 恵比寿LIQUIDROOM
開場/開演:18:00/19:00 SOLD OUT

■メジャーデビューアルバム『nightporter』
2013年12月11日(水)発売
TYCT-60022 ¥3,059(税込)
※収録曲等詳細は随時発表

◆geek sleep sheepオフィシャルサイト

◆インタビュー(2)へ戻る
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報