【ライヴレポート】geek sleep sheep、思い出の場所で「結構な勢いじゃない?(笑)」

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geek sleep sheepが8月22日、CLUB CITTA’にてライヴ<confusion bedroom vol.4 with candy>を開催した。これは、2014年10月にLIQUIDROOM EBISUで行われた<confusion bedroom vol.3>以来、約11ヶ月ぶりのワンマンとなるものだ。

◆geek sleep sheep 画像


geek sleep sheepはアルバム『candy』リリース直後の5月29日より、各会場にゲストアーティストを迎える対バンツアー<tour geeks 2015>で東名阪を駆け抜けた。同ツアーは対バン形式というgeek sleep sheep初の試みに加え、3公演にはそれぞれカバー楽曲をセットリストに組み込むという企画色の強いものでもあった。そして、この日行われた<confusion bedroom vol.4 with candy>はライヴタイトルにもあるように、ニューアルバム『candy』の世界観を存分に体感できるワンマンとなる。

momo kazuhiro(Vo&G)のノイジーなギターとyukihiro(Dr)のタメのきいたドラム、ドリーミィな345(Vo&B)のヴォーカルがサイケデリックな煙幕をはっていく「planet ghost」で、アルバム『candy』の扉を開けると、そのポップで甘美な毒のある世界へと観客を連れていった。そして間髪入れずに、アンニュイなけだるさとポップさとが同居した345のヴォーカルが冴える「night crusing」、momoのヴォーカルが描いていく哀愁のメロディが切なく響く「lost song」をプレイし、さらなる深みへと進んでいく。前作『nightporter』から、さらにディープなサウンド、ディープなアンサンブルへと深化を遂げ、無邪気にノイズをかき鳴らしていた前作とはまた違った、ヒリリとした緊張感がサウンドから滲んでいる。


「こんばんは、confusion bedroomへようこそ。素敵なウィークエンドになりますように、この歌を贈ります」──momo kazuhiro

というmomoの言葉から、「Weekend Parade」(『nightporter』収録)が軽やかにスタート。yukihiroの乾いたドラム・ビートが心地よい風を起こし、345とmomoのハーモニーを運ぶと、フロアはビートに気持ちよく体を揺らして音に応える。一方、「rain song」では、幻想的で美しい雨に降られるようなエフェクティヴなギターに酔う。ロードムーヴィーを観るような感覚で、その音で、さまざまな匂いや温度、手触りを感じさせるステージだ。


geek sleep sheepの活動も3年目。3年前の8月、彼らが初めてバンドとしてステージに立ったのが、このCLUB CITTA’だったとmomoが語り、「その時はまだ名前もなかったけど、それがこの3年でアルバム2枚。結構な勢いじゃない?」と笑う。yukihiro(L’Arc~en~Ciel)、momo(MO’SOME TONEBENDER)、345(凛として時雨)の3人ともそれぞれの活動と並行した活動ながら、これだけハイペースに作品を生んでいるのは、このバンドだからこそできる音遊びだったり、居心地の良さがあるのだろう。

中盤には『nightporter』の曲も織り交ぜた構成となったが、「Daydream」「hitsuji」「Last Scene」などもライヴアレンジされ、インプロ的なギターやダイナミックかつ濃厚なサウンドを響かせる。白熱した3人のアンサンブルに、会場のテンションがグッと上がった。

後半は345によるライヴグッズ紹介ではじまり、会場を和やかな笑いで包んだが、ほっこりとした空気も束の間。「feedback」のソリッドなビートがフロアを駆け抜け、ディストーション・ギターが爆音の雨を降らせていく。「Candy,I love you」の残響から、「kaleidoscope」の美しい轟音サウンドへというリレーは最高のカタルシスで、恍惚感のなかラスト・チューン「kakurenbo」がエモーショナルにフロアを包み込むと、大きな拍手と歓声が沸いた。


アンコールでは、アコースティック曲「color of dream」を披露。この曲でアルバム『candy』からは全曲がプレイされ、さらに新曲までもがプレイされた。345とmomoのヴォーカルによるドリーミィなメロディと、うねりのあるドラム&ベース、重厚なギターによるサイケデリックな雰囲気の1曲。男女ヴォーカルでのパラレルなサビがファンタジックで、これもまたぜひ音源化してもらいたい曲だ。

アルバム発売後初のワンマンであり、ワンマンとしても久々となったステージ。今回は新たなカヴァー曲はなかったけれど、その分たっぷりと『candy』という濃厚で奥深い作品を堪能する一夜となった。

取材・文◎吉羽さおり 撮影◎河本悠貴

■<confusion bedroom vol.4 with candy>
2015.08.22 (土)@CLUB CITTA’セットリスト
1.planet ghost
2.night cruising
3.lost song
4.Weekend Parade
5.happy end
6.floating in your shine
7.rain song
8.Daydream
9.Addicted
10.Last Scene
11.hitsuji
12.feedback
13.Candy, I love you
14.kaleidoscope
15.Kakurenbo
encore
en1.color of dream
en2.新曲
en3.frame
en4.MOTORCYCLE




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