【インタビュー】河村隆一「星々が消滅しても光が残るように思いは残る、永久に人の思いは届くということを伝えたかった」
■シングル「七色」にちなんで
■河村隆一を7つのキーワードで斬る
●COLOR
──普段の自分、ソロの河村隆一、LUNA SEAのRYUICHIをそれぞれ色分けするとしたら?
河村:普段はインディゴブルー。青っぽい色って子供の頃からサーフィンをやっていたからか好きなんですよ。河村隆一として歌ってるときは、秋の紅葉のような濃い赤。赤なんだけどちょっと枯れてきてるような赤。バンドはね、黒っていうのもあるし、ゴールドっぽい感じもあるし、闇な感じもあるし。不思議。
●SPORTS
──最近サーフィンのほうは?
河村:10年ぐらい前から全然やってないです。サーファーズイヤーの症状が出てきたのでやめました。サーフィンをやめる前からゴルフをやりだして。ゴルフはね、自分的には立体的な3次元のロールプレイングゲームをやってる感じなんですよ。このボールを400ヤード先にあるホールに4回で入れなさいとかお題がついてて、山あり谷あり砂地あり、そこをどんなルートをたどっていってもいい。1パーティー4人+キャディーさんで回るんだけど。その4人がプライベートな友人のときもあれば仕事仲間、ものすごい偉い人という場合もあるんです。でもゴルフをしてるときだからこそ、すごく気さくに話ができるという利点もあって。その辺がゴルフの良さかな。
●OVER THE LIMIT
──ギネスにも認定された6時間半で104曲を歌った武道館ライヴを始め、No Mic,No Speakersライヴなど河村さんといえば、自分の限界を越える前人未到のトライアルを自らに仕掛けるのが得意ですが。
河村:たぶん好きなんですよね。僕ね、ちゃんと自分もできるんだということを初めて音楽から学んだ人間なんです。例えば、すごく難しいアルバムを作りました。ライヴリハ、初日は全然歌えない。2日目はちょっと歌えるようになった。3日目は“あれ? いつの間にかこれ歌えるじゃん”って。僕がインディーズ時代からメジャー・デビューしてずっとやっていくなかで、スキルアップしていく自分に気づくわけです。そうすると、こういう努力をすれば、8時間後にはこれができるっていうのがだんだんわかるようになっていく。で、その集大成なんじゃないかな。104曲もNo Micも。そうやってできていくと、サーフィンもボクシングもゴルフもモータースポーツも、すべてのことが“あれができたんだからこれができないはずがない”って思えるようになったんですよね。今後挑戦したいこと? 音楽では「七色」のようなバラードだけを集めたコンサートをやってみたいな。まだやったことがないから。
●CINEMA
──河村さんは映画に出演したり、映画音楽の総監督もされてますが、個人的にはどんな映画が好きなんですか?
河村:僕は『ゴッドファーザー』とか好きでした。映画館にはなかなか行けないんで、普段はDVDで観るんですけど。一番最近映画館に行ったのは『ALWAYS 三丁目の夕日'64』を観に行きました。ツアー中にみんなで行って、みんなで“泣けるね”って帰ってきたんです。ボクも泣けました。脚本がいいんですよ。エンタテインメントの基本である、人に感動を与えるテッパンの手法って何なんだろうっていうのは、この映画で考えさせられました。
●ACT
──演劇、最近ではミュージカルの舞台にも出演されている河村さんですが、舞台の共演者の方々は、河村さんに対してどんなイメージを持たれてるんでしょうか?
河村:だいたい“もっと気難しい人かと思ってました”“しゃべりにくい人かと思った”と言われることが多いですね。僕は舞台の稽古場とかでは、けっこうノホホンとしているので、みんなまず最初にそれに驚くみたいです。座長公演でも、僕はどちらかというとユルい感じで。自分がちゃんとやってる姿を感じてもらうのが一番いいのかなと思ってやってるかな。
●VOICE
──レコーディングではいつもどれぐらい歌われるんですか?
河村:少ないですよ。「七色」は仮歌をメインにしてるので2回しか歌ってないです。でもその後に、もっとシルキーな声で歌った別テイクも録りましたけどね。声ってマイクから離れると、同じキーでも硬くなってしまうんです。僕はレコーディングのとき、僕の声は抜ける声なんですが、それが抜け過ぎると子供っぽく澄んだ声になりすぎるのが嫌で、マイクの近くで歌いたいんですよ。でも、元々声量がある人がそれをやると歪むんですね。仮歌は、そういうことを気にしないで録るから歌も歪みまくってて。だから「七色」はヴォーカルだけ抜くと、バリバリバリって音が歪んでるところもあるんです。それも含めていい歌だって思えないと仮歌は使えない。あと、レコーディングでのこだわりでいうと、僕は古いマイクばかり集めてるんです。もうくたびれてるから感度はあまりよくない。でも、古いぶん、わざとらしさがなくて、すぐ近くで歌ってるように録れるんです。声量がある人は絶対古いマイクで録ったほうがいいんです。「七色」は1960年代のマイクで歌いました。
●MUSIC
──歴史を超えて残っていく“いい曲”を作りたいと常々おっしゃってる河村さんですが、河村さんが思ういい曲とは?
河村:なにをもって“いい曲”とするのか。そこはいまだに悩んでいる気がしますね。僕は、いままでのどの曲も1曲1曲大切に書いてきたから、本当にいい曲だと思うんだけど。アーティストってそこに付随する、例えば売れた枚数とか、ファンの人の声など曲に対する評価というのが、いろんなところから返ってくるわけですよね。そうなってくると、何が自分にとっていい曲なのか、ファンの人にとってはどうなのか、そこはいまでもすごく悩むところではあります。あるプロデューサーは、“河村隆一は絶対バラードを歌うべきだ”って言うし、あるプロデューサーは“いや、河村隆一はバラードもいいけどアップテンポがいいんだよ”と言う人もいて。まだまだなにがいいのか、わからないんだけど。それでもこの音楽シーンに何10年、いや、何100年かな? 残っていく楽曲を歌い、作るのが永遠の変わらない僕の夢ですね。
取材・文●東條祥恵
New Single「七色」
5月29日(水)発売
(CD+DVD)AVCD-48414/B \1,890(tax in)
[CD]
1.七色
2.the earth~未来の風~
3.七色(for you)
[DVD]
1.七色(Music Video)
2.七色(Making Video)
(CD)AVCD-48415 \1,260(tax in)
[CD]
1.七色
2.the earth~未来の風~
3.七色(PIANO version)
4.七色(for you)
◆河村隆一 オフィシャルサイト
◆avex オフィシャルサイト
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