デヴィッド・ボウイに一番近い日本人、逸話、秘話を明かす
3月13日に発売となったデヴィッド・ボウイ『ザ・ネクスト・デイ』のリリースを記念し、期間限定でオープンしている銀座ソニービルのDAVID BOWIE CAFEで、3月14日(木)「ボウイに一番近い日本人」ふたりを迎えてスペシャル・トーク・イベントが行なわれた。
◆デヴィッド・ボウイ画像
ゲストは『ザ・ネクスト・デイ』アートワークの題材となっている『ヒーローズ』のジャケット写真を撮影した鋤田正義と、「ジギー・スターダスト」期のボウイのスタイリングを担当した高橋靖子というふたりだ。司会は新作のライナーノーツを書いた吉村栄一と日本語の訳詞を作成した熊谷朋哉というボウイ通のふたりを迎えてのトークショーとなった。19時半スタートのイベントだったが、店には17時頃からボウイ・ファンが押し寄せ、開演前には超満員となり、立ち見でも入りきれない人が外に溢れ、入場できない状況となっていた。
トークでは、彼らが初めてボウイに会った時のこと、それから一緒に仕事をしたときのエピソード、プライベートでの素顔など貴重な話が満載となった。ボウイは今回、前触れもなく新作を突然リリースしたわけだが、鋤田氏も「ジャケットの話は全く聞いていなかった。発表されてから誰かに聞かされた」と語り爆笑を誘った。鋤田氏は2012年にイギリス・ジェネシス社から発売された写真集『Speed Of Life』のためにボウイと直接やりとりを続け、「2009年に写真を撮っているから、全然引退したなんて思っていなかった」という。
一方で歌詞対訳を手掛けた熊谷氏は「写真集『Speed of Life』の中で、今回の『ザ・ネクスト・デイ』と『ヒーローズ』の有名なポーズをとって“これを見て僕が何のアルバムカバーのポーズをとっているのか分からない人がいたら、僕は引退して植木職人にでもなるよ”とコメントしていた。私はこれを読んでボウイは現役のつもり、現役なんだと思わされた。」と語り、ボウイが公式に、新作を発表するヒントを出していたことを指摘した。
ボウイと数多くの仕事をしたスタイリストの高橋氏は、初めて会った時の模様を「ジギー・スター・ダスト時代、山本寛斎氏の服をボウイが好み、私がスタイリングをし、それを鋤田さんがカメラマンとして撮ることになった。なんだか知らないうちに、そうなっていたのよね…」と語った。
逸話としては、鋤田氏が「デヴィッドの息子のダンカン・ジョーンズが、映画監督として2009年にデビューし、新人賞を総ナメにしましたよね。このことから、親父としてのデヴィッドも相当力をもらったんじゃないか。息子に負けられないぞと。根っこのところが、親バカなんですね。」と考察すると、ライナーノーツを手掛けた吉村氏は「ライナーノーツにも書いたのですが、本作からの最初にシングルになった「ホエア・アー・ウィー・ナウ」は実は、息子さんが撮った出世作『月に囚われた男』の最初に出てくる字幕フレーズなんですよね。」とその親バカぶりを掘り下げた。
今後、鋤田氏はこの3月に開かれるヴィクトリア&アルバート美術館に於けるデヴィッド・ボウイ展に写真を出品する他、イギリスに於ける初の展覧会が3月23日よりロンドンSNAPギャラリー(http://www.snapgalleries.com/)にて開かれる。このことはデヴィッド・ボウイのオフィシャル・サイト(http://www.davidbowie.com/)でいち早く発表され、ボウイと鋤田氏の結びつきの強さを感じさせてくれた。
鋤田正義(すきた・まさよし)http://sukita.jp/
1938年福岡県生まれ。ドキュメンタリーから広告、映画、音楽まで幅広く活動。写真集に『T.REX 1972 SUKITA』、『氣──デヴィッド・ボウイ写真集』、沢田研二写真集『水の皮膚』他多数。映画では寺山修司『書を捨てよ町へ出よう』撮影監督、ポール・シュレーダー『MISHIMA』、ジム・ジャームッシュ『ミステリー・トレイン』、是枝裕和『ワンダフル・ライフ』のスチール写真他。
高橋靖子(たかはし・やすこ)http://blog.madamefigaro.jp/yasuko_takahashi/
日本のスタイリストの草分け的存在。現在も、広告、CMなど第一線で活躍中。71年、ロンドンで山本寛斎氏とファッションショーを成功させ、その後、「ジギー・スターダスト」期のデヴィッド・ボウイの衣装を担当。鋤田正義氏によるデヴィッド・ボウイやT・レックスの撮影をアレンジしたことでも知られる。エッセイ「表参道のヤッコさん」(河出書房新社)は70年代のカルチャーを満載。「家族の回転扉」で第19回読売「ヒューマン・ドキュメンタリー」大賞を受賞。
◆デヴィッド・ボウイ・オフィシャルサイト
◆デヴィッド・ボウイ画像
ゲストは『ザ・ネクスト・デイ』アートワークの題材となっている『ヒーローズ』のジャケット写真を撮影した鋤田正義と、「ジギー・スターダスト」期のボウイのスタイリングを担当した高橋靖子というふたりだ。司会は新作のライナーノーツを書いた吉村栄一と日本語の訳詞を作成した熊谷朋哉というボウイ通のふたりを迎えてのトークショーとなった。19時半スタートのイベントだったが、店には17時頃からボウイ・ファンが押し寄せ、開演前には超満員となり、立ち見でも入りきれない人が外に溢れ、入場できない状況となっていた。
トークでは、彼らが初めてボウイに会った時のこと、それから一緒に仕事をしたときのエピソード、プライベートでの素顔など貴重な話が満載となった。ボウイは今回、前触れもなく新作を突然リリースしたわけだが、鋤田氏も「ジャケットの話は全く聞いていなかった。発表されてから誰かに聞かされた」と語り爆笑を誘った。鋤田氏は2012年にイギリス・ジェネシス社から発売された写真集『Speed Of Life』のためにボウイと直接やりとりを続け、「2009年に写真を撮っているから、全然引退したなんて思っていなかった」という。
一方で歌詞対訳を手掛けた熊谷氏は「写真集『Speed of Life』の中で、今回の『ザ・ネクスト・デイ』と『ヒーローズ』の有名なポーズをとって“これを見て僕が何のアルバムカバーのポーズをとっているのか分からない人がいたら、僕は引退して植木職人にでもなるよ”とコメントしていた。私はこれを読んでボウイは現役のつもり、現役なんだと思わされた。」と語り、ボウイが公式に、新作を発表するヒントを出していたことを指摘した。
ボウイと数多くの仕事をしたスタイリストの高橋氏は、初めて会った時の模様を「ジギー・スター・ダスト時代、山本寛斎氏の服をボウイが好み、私がスタイリングをし、それを鋤田さんがカメラマンとして撮ることになった。なんだか知らないうちに、そうなっていたのよね…」と語った。
逸話としては、鋤田氏が「デヴィッドの息子のダンカン・ジョーンズが、映画監督として2009年にデビューし、新人賞を総ナメにしましたよね。このことから、親父としてのデヴィッドも相当力をもらったんじゃないか。息子に負けられないぞと。根っこのところが、親バカなんですね。」と考察すると、ライナーノーツを手掛けた吉村氏は「ライナーノーツにも書いたのですが、本作からの最初にシングルになった「ホエア・アー・ウィー・ナウ」は実は、息子さんが撮った出世作『月に囚われた男』の最初に出てくる字幕フレーズなんですよね。」とその親バカぶりを掘り下げた。
今後、鋤田氏はこの3月に開かれるヴィクトリア&アルバート美術館に於けるデヴィッド・ボウイ展に写真を出品する他、イギリスに於ける初の展覧会が3月23日よりロンドンSNAPギャラリー(http://www.snapgalleries.com/)にて開かれる。このことはデヴィッド・ボウイのオフィシャル・サイト(http://www.davidbowie.com/)でいち早く発表され、ボウイと鋤田氏の結びつきの強さを感じさせてくれた。
鋤田正義(すきた・まさよし)http://sukita.jp/
1938年福岡県生まれ。ドキュメンタリーから広告、映画、音楽まで幅広く活動。写真集に『T.REX 1972 SUKITA』、『氣──デヴィッド・ボウイ写真集』、沢田研二写真集『水の皮膚』他多数。映画では寺山修司『書を捨てよ町へ出よう』撮影監督、ポール・シュレーダー『MISHIMA』、ジム・ジャームッシュ『ミステリー・トレイン』、是枝裕和『ワンダフル・ライフ』のスチール写真他。
高橋靖子(たかはし・やすこ)http://blog.madamefigaro.jp/yasuko_takahashi/
日本のスタイリストの草分け的存在。現在も、広告、CMなど第一線で活躍中。71年、ロンドンで山本寛斎氏とファッションショーを成功させ、その後、「ジギー・スターダスト」期のデヴィッド・ボウイの衣装を担当。鋤田正義氏によるデヴィッド・ボウイやT・レックスの撮影をアレンジしたことでも知られる。エッセイ「表参道のヤッコさん」(河出書房新社)は70年代のカルチャーを満載。「家族の回転扉」で第19回読売「ヒューマン・ドキュメンタリー」大賞を受賞。
◆デヴィッド・ボウイ・オフィシャルサイト
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