増田勇一の『2012年の60枚』
2012年にもたくさんの素晴らしいアルバムと出会うことができた。2012年の今頃は、2011年のベスト・アルバム50選をお届けしていたのだが、今回はちょっと反則をさせていただき、“60選”にしたいと思う。というのも、僕自身としては通常、いわゆる純然たるオリジナル・ニュー・アルバム以外には選出したくないのだが、今回はいわゆるベスト盤や企画盤などのなかにも、どうしてもセレクトしたいものが多々あったからだ。
各々の作品に関する説明は避けておく。以下が僕の選んだ“2012年の60枚”である。掲載順は、アーティスト名のアルファベット順となっている。また、アーティスト名および作品タイトルの表記については、勝手ながらいわゆるオフィシャル表記などは無視して、欧文での大文字表記を基準とさせていただいた。あらかじめご了承いただきたい。そしてタイトルの後に★が付いているのは、「純然たる新作のみのなかから年間ベスト10を選ぶとすればこの10枚か?」という作品群である。
・AC/DC『LIVE AT RIVER PLATE』
・AEROSMITH『MUSIC FROM ANOTHER DIMENSION!』★
・ANAAL NATHRAKH『VANITAS』
・BARONESS『YELLOW & GREEN』
・BOB DYLAN『TEMPEST』
・BREEDING THROUGH『THE GREAT FIRE』
・BRUCE SPRINGSTEEN『WRECKING BALL』★
・BUCK-TICK『夢見る宇宙』★
・CHRIS ROBINSON BROTHERHOOD『BIG MOON RITUAL』『THE MAGIC DOOR』
・CRUCIFIED BARBARA『THE MIDNIGHT CHASE』
・THE DARKNESS『HOT CAKES』
・DEAD END『DREAM DEMON ANALYZER』
・DEFTONES『KOI NO YOKAN』★
・DIR EN GREY『UROBOROS [Remastered & Expanded]』
・FUN.『SOME NIGHTS』
・THE GAZETTE『DIVISION』
・GOJIRA『L’ENFANT SAUVAGE』
・いきものがかり『NEWTRAL』
・INORAN『DIVE YOUTH,SONIK DIVE』
・J『ON FIRE』
・JACK WHITE『BLUNDERBUSS』★
・JEFF THE BROTHERHOOD『HYPNOTIC NIGHTS』
・JESSE AND THE BONEZ『STAND UP』
・JOHN MAYER『BORN AND RAISED』
・THE JUNEJULYAUGUST『EDELWEISS』
・KATATONIA『DEAD END KINGS』
・KISS『MONSTER』★
・KISS『DESTROYER [RESSURECTED]』
・清春『UNDER THE SUN』
・KREATOR『PHANTOM ANTICHRIST』
・LAMB OF GOD『RESOLUTION』
・LYNCH.『INFERIORITY COMPLEX』
・MANIC STREET PREACHERS『GENERATION TERRORISTS 20TH ANNIVERSARY EDITION』
・MARK LANEGAN BAND『BLUES FUNERAL』★
・THE MARS VOLTA『NOCTOURNIQUET』
・MERRY『MERRY VERY BEST~白い羊/黒い羊~』
・百々和宏『窓』
・MUDDY APES『CRUSH IT』
・MUMFORD & SONS『BABEL』
・MUSE『THE 2 ND LAW』
・OBLIVION DUST『9 GATES FOR BIPOLAR』
・PANTERA『VULGAR DISPLAY OF POWER 20TH ANNIVERSARY EDITION』
・PAY MONEY TO MY PAIN『BREAKFAST』
・RAGE AGAINST THE MACHINE『RAGE AGAINST THE MACHINE-20TH ANNIVERSARY DELUXE EDITION』
・REDD KROSS『RESEARCHING THE BLUES』
・RUSH『CLOCKWORK ANGELS』★
・SCOTT WALKER『BISH BOSCH』
・SIGH『IN SOMNIPHOBIA』
・SLASH FEATURING MYLES KENNEDY AND THE CONSPIRATORS『APOCALYPTIC LOVE』
・THE SLUT BANKS『CYCLO』
・SOUNDGARDEN『KING ANIMAL』
・STONE SOUR『HOUSE OF GOLD&BONES Part 1』★
・SPYAIR『JUST DO IT』
・TIM CHRISTENSEN AND THE DAMN CRYSTALS『TIM CHRISTENSEN AND THE DAMN CRYSTALS』
・UVERworld『THE ONE』★
・VAN HALEN『A DIFFERENT KIND OF TRUTH』
・VARIOUS ARTISTS『PARADEⅡ RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK』
・VISION OF DISORDER『THE CURSED REMAIN CURSED』
・山下達郎『OPUS:ALL TIME BEST 1975-2012』
・ZIGZO『THE BATTLE OF LOVE』
というわけで、2012年は素晴らしい新作がたくさん登場したのみならず、歴史的名盤の20周年記念盤などが多々リリースされてきた事実にも改めて気付かされる。そして、CHRIS ROBINSON BROTHERHOODに関してはふたつのアルバムが連作となっているため、“60選”と銘打ちながらも実は“61選”になっていたりする。また、実際にはよく聴いたもののなかにも、たとえばもはや2013年発売の“次作”が遥かにそれを超越していることが明白な場合などは敢えて選外としたものもある。それが誰の作品であるかはご想像におまかせするとして、とにかく2013年もたくさんの素晴らしい作品と出会いたいものである。そのためには幸運な巡りあいを待つのではなく、やはり貪欲に“美味しい音楽”を探し続けたいものだ。
順序が逆になったが、2012年も読者の皆様からはたくさんのご感想やご指摘、叱咤激励の言葉をいただいた。この場を借りて、改めて御礼を申し上げたい。いつもありがとうございます! そして2013年も、微力ながら自分なりの積極性をもってどんどん素敵な音楽を紹介していきたいと思っている。これからも、どうぞよろしく!
増田勇一
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