SONYのビデオ編集ソフト「Vegas Pro 12」が作業効率を向上する多数の新機能を搭載して登場
フックアップは、Sony Creative Software社のビデオ編集ソフトの新バージョン「Vegas Pro 12」を11月上旬より発売した。
「Vegas Pro」はオーディオに強いことで知られるビデオ編集ソフト。バージョン8.1より32ビット版に加え64ビット対応版が提供されてきたが、新バージョンとなる12では64ビット版のみの提供となった。64ビット版では、シングルコードベースによる強化されたパフォーマンスと安定性を実現。同社のオーディオ編集ソフト「Sound Forge Pro」の64ビットオーディオプラグイン(Noise Reduction、Wave Hammer、Acoustic Mirror)が使用可能となっている。
ラインナップは、DVD/ブルーレイオーサリング関連機能を含む「Vegas Pro 12」と、ビデオ・オーディオ製作に特化した低価格版の「Vegas Pro 12 Edit」の2種類。いずれもタイトラーNewBlue Titler Pro 1.0、30以上のDirectXオーディオプラグインと300種以上のビデオトランジションとエフェクトを搭載。「Vegas Pro 12」のみ「DVD Architect Pro 5.2」、「Dolby Digital Professionalエンコーダ」が同梱される。
新機能は多岐にわたるが、10月26日に開催された発表会ではいくつかの注目機能が紹介された。まずは拡張編集モードの搭載だ。「Vegas Pro」ではマウスまたはテンキーを使用して、妥協のない精度で編集を微調整可能。拡張編集モードでは、編集ポイントでトラックが分割され、2つのクリップの隣合うフレームの確認が容易になっている。不要なフレームを表示しながら編集ポイントを左右にドラッグでき、さらに編集ポイントを囲むループリージョンを設定するとメディアを再生しながら編集ポイントのどちら側からでもフレームを動的に追加または編集できるので、きわめて正確でインタラクティブに編集作業が行える。
DPX画像シーケンス、MVCや4KのようなCPUへの負荷が高いコーデック、HDCAM SR444のような高いビットレートの素材の使用時にうれしいのがスマートプロキシ機能。高性能で編集しやすいSmart Proxyクリップを作成して幅広いハードウェアで高速再生が可能となる。メディアはプレビュー再生設定に基づいてオリジナルからプロキシに自動的かつ動的に切り替わり、最終的なレンダリング時には最適な品質を確実に得られるようオリジナルメディアファイルが使用される。
また、カラーマッチングやさまざまなプラットフォームとのプロジェクト互換(Avid Pro Tools、Adobe Premiere Pro CS6、After Effects CS6、DaVinch Resolve 8、Apple Final Cut Pro 7とFinal Cut Pro Xなどに対応、FCPではエクスポートのみ対応)、Panasonic P2クリップのインポート、Academy Color Encoding System(ACES)いろ空間基準によるSログのサポート、HDCAM SRマスタリングといった現場の要望に応えた新機能も搭載する。
編集作業の効率化では、パン/クロップビューで矩形/正方形および円/楕円形のマスキングツールが新たに追加。単純な形状のマスキングには、従来のベジエ形状マスキングツールよりもカンタンに設定が行えるほか、キーボードで組み合わせキーを押し続けると、角を丸くしたり、マスクの中心を移動することも可能だ。また、パン/クロップビュー内のマスキングツールを有効にすると、定義したエリアまたはそれ以外のエリアにエフェクトを適用することも可能。人の顔などにぼかしを入れる作業がトラックを追加することなく非常に楽に行えるようになっている。
UIの改善も多数加えられている。たとえば、分割に使用する新しいツールバーアイコンの追加、タイムライン上に最近追加されたクリップを示す黄色の境界線、さまざまな対話型のイベント修飾子を把握しやすくするタイムラインイベント上の大きな青いハンドル、ツールの名前だけでなくツールの機能についても説明するより総合的なツールヒントなどが挙げられる。また、ウィンドウを垂直方向に重ねてドッキングすることが可能となり、画面をより有効に使えるようになった。シングルモニタ使用環境では特にうれしい強化といえるだろう。
最初のビデオ・クリップをタイムラインに追加すると、プロジェクトのプロパティをクリップに一致させるかどうかを尋ねるプロンプトは、さまざまなメディアを扱う際にありがたい機能。プロジェクトメディアビューには、サムネイルのアスペクト比を確認しやすくする機能や、タグ付けによる分類、検索を容易する機能も用意。メディアを扱うエクスプローラではブレッドクラムコントロール(いわゆるパンくずリスト)により前のディレクトリにすばやく移動が可能、CTRL+マウスホイールでサムネイル画像のスケールを変更してブラウズしながらさらに画像の詳細を表示できるなど、HDD内のメディアを探す作業がカンタンになっている。
新しいプラグインとしては、グラフィックおよびビデオクリップに奥行きを与えるSonyのレイヤー多次元プラグインが追加。アルファ透明度レイヤーを含むテキストまたは他の要素と連動し、リアルな影、グロウ、エンボスエフェクトが追加可能となっている。
編集とトリミングも強化。LカットおよびJカット(オーディオと関係なくビデオのエッジをトリミングする場合など)をカンタンに実行可能。さらにオーディオとビデオの同時フェードも使用可能となった。また、タイムライン上のループリージョンを選択し、1つのキー操作でリージョンの外側の部分をすべてトリミングできるなど、さまざまな改善が施されている。
◆Vegas Pro 12 通常版
価格:84,000円
◆Vegas Pro 12 アカデミック版
価格:47,250円
◆Vegas Pro 12 クロスグレード版
価格:73,500円
◆Vegas Pro 12 Edit
価格:63,000円
発売日:2012年11月上旬
◆Sony Creative Software 製品ラインナップページ
◆フックアップ
◆BARKS 楽器チャンネル
「Vegas Pro」はオーディオに強いことで知られるビデオ編集ソフト。バージョン8.1より32ビット版に加え64ビット対応版が提供されてきたが、新バージョンとなる12では64ビット版のみの提供となった。64ビット版では、シングルコードベースによる強化されたパフォーマンスと安定性を実現。同社のオーディオ編集ソフト「Sound Forge Pro」の64ビットオーディオプラグイン(Noise Reduction、Wave Hammer、Acoustic Mirror)が使用可能となっている。
ラインナップは、DVD/ブルーレイオーサリング関連機能を含む「Vegas Pro 12」と、ビデオ・オーディオ製作に特化した低価格版の「Vegas Pro 12 Edit」の2種類。いずれもタイトラーNewBlue Titler Pro 1.0、30以上のDirectXオーディオプラグインと300種以上のビデオトランジションとエフェクトを搭載。「Vegas Pro 12」のみ「DVD Architect Pro 5.2」、「Dolby Digital Professionalエンコーダ」が同梱される。
新機能は多岐にわたるが、10月26日に開催された発表会ではいくつかの注目機能が紹介された。まずは拡張編集モードの搭載だ。「Vegas Pro」ではマウスまたはテンキーを使用して、妥協のない精度で編集を微調整可能。拡張編集モードでは、編集ポイントでトラックが分割され、2つのクリップの隣合うフレームの確認が容易になっている。不要なフレームを表示しながら編集ポイントを左右にドラッグでき、さらに編集ポイントを囲むループリージョンを設定するとメディアを再生しながら編集ポイントのどちら側からでもフレームを動的に追加または編集できるので、きわめて正確でインタラクティブに編集作業が行える。
DPX画像シーケンス、MVCや4KのようなCPUへの負荷が高いコーデック、HDCAM SR444のような高いビットレートの素材の使用時にうれしいのがスマートプロキシ機能。高性能で編集しやすいSmart Proxyクリップを作成して幅広いハードウェアで高速再生が可能となる。メディアはプレビュー再生設定に基づいてオリジナルからプロキシに自動的かつ動的に切り替わり、最終的なレンダリング時には最適な品質を確実に得られるようオリジナルメディアファイルが使用される。
また、カラーマッチングやさまざまなプラットフォームとのプロジェクト互換(Avid Pro Tools、Adobe Premiere Pro CS6、After Effects CS6、DaVinch Resolve 8、Apple Final Cut Pro 7とFinal Cut Pro Xなどに対応、FCPではエクスポートのみ対応)、Panasonic P2クリップのインポート、Academy Color Encoding System(ACES)いろ空間基準によるSログのサポート、HDCAM SRマスタリングといった現場の要望に応えた新機能も搭載する。
編集作業の効率化では、パン/クロップビューで矩形/正方形および円/楕円形のマスキングツールが新たに追加。単純な形状のマスキングには、従来のベジエ形状マスキングツールよりもカンタンに設定が行えるほか、キーボードで組み合わせキーを押し続けると、角を丸くしたり、マスクの中心を移動することも可能だ。また、パン/クロップビュー内のマスキングツールを有効にすると、定義したエリアまたはそれ以外のエリアにエフェクトを適用することも可能。人の顔などにぼかしを入れる作業がトラックを追加することなく非常に楽に行えるようになっている。
UIの改善も多数加えられている。たとえば、分割に使用する新しいツールバーアイコンの追加、タイムライン上に最近追加されたクリップを示す黄色の境界線、さまざまな対話型のイベント修飾子を把握しやすくするタイムラインイベント上の大きな青いハンドル、ツールの名前だけでなくツールの機能についても説明するより総合的なツールヒントなどが挙げられる。また、ウィンドウを垂直方向に重ねてドッキングすることが可能となり、画面をより有効に使えるようになった。シングルモニタ使用環境では特にうれしい強化といえるだろう。
最初のビデオ・クリップをタイムラインに追加すると、プロジェクトのプロパティをクリップに一致させるかどうかを尋ねるプロンプトは、さまざまなメディアを扱う際にありがたい機能。プロジェクトメディアビューには、サムネイルのアスペクト比を確認しやすくする機能や、タグ付けによる分類、検索を容易する機能も用意。メディアを扱うエクスプローラではブレッドクラムコントロール(いわゆるパンくずリスト)により前のディレクトリにすばやく移動が可能、CTRL+マウスホイールでサムネイル画像のスケールを変更してブラウズしながらさらに画像の詳細を表示できるなど、HDD内のメディアを探す作業がカンタンになっている。
新しいプラグインとしては、グラフィックおよびビデオクリップに奥行きを与えるSonyのレイヤー多次元プラグインが追加。アルファ透明度レイヤーを含むテキストまたは他の要素と連動し、リアルな影、グロウ、エンボスエフェクトが追加可能となっている。
編集とトリミングも強化。LカットおよびJカット(オーディオと関係なくビデオのエッジをトリミングする場合など)をカンタンに実行可能。さらにオーディオとビデオの同時フェードも使用可能となった。また、タイムライン上のループリージョンを選択し、1つのキー操作でリージョンの外側の部分をすべてトリミングできるなど、さまざまな改善が施されている。
◆Vegas Pro 12 通常版
価格:84,000円
◆Vegas Pro 12 アカデミック版
価格:47,250円
◆Vegas Pro 12 クロスグレード版
価格:73,500円
◆Vegas Pro 12 Edit
価格:63,000円
発売日:2012年11月上旬
◆Sony Creative Software 製品ラインナップページ
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◆BARKS 楽器チャンネル
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