怜：昔一緒にやってたナイトメアは、ずっと一線に居続けた。
また同じステージに立てるというのは、気持ち的にスイッチが入りますよ。

――ナイトメアとバロックという組み合わせ自体、すごく異色に思えますけど。

RUKA：自然だよ。2マンやるならこれが一番自然！　だって、もう10何年も知り合いだし。一番最初に俺と万ちゃん（バロックの万作／B）が出会ってるんですけど。お互いローディーやってた頃から知ってるし。圭と怜コンビに至っては10年ぐらい前に出会って。だから、俺ら実は全然“初めまして”じゃないんだよ。

圭：確かに。10年ぐらい前はまだバロックは始まったばかりの頃で、ナイトメアも東京に来だした頃で。お互いスタイルは全然違ったけど、近いっちゃあ近かったよね。系統としては。

RUKA：うん。

圭：いろんなヴィジュアル系バンドがいる中で。

怜：曲が似てたとか、そういうんじゃなくて。同じステージにも立ったことあるんだけど。温度感なのかな？　似てたのは。

圭：俺らも（当時は）5人バンドで。ちょっとしたキャラクター性も似てる部分があって。昔はそういう共通点もあった。

RUKA：本当に初期のバロックとは似てるんだよ。

YOMI：だから、今回RUKAさんから“対バンしようよ。誰とやりたい？”って話が出たとき、バロックがいいんじゃないかって話はすぐに出て。自分としても一番バロックがしっくりきたし、やったら面白いんじゃないかと思いましたね。

――そもそも、お互いイベントなどには積極的に出ていくバンドではないし、ライヴはワンマン主体でやってきたバンドじゃないですか？

RUKA：そうなんですよね。

――そういうバンド同士ががこのタイミングで対バン・ツアーをやる。そこにはどんな意味があったのでしょうか。

RUKA：言葉にすると難しいところなんだけど。これがね、例えばまったく交流のないバンドとやるんだったら、すっごい打算的に俺は考えてやると思うんですよ。でも（バロックは）知ってるから、そこが変わる。精神的に、俺はこっちのほうがいいです。たまには、こういう損得考えなくてもいい楽しいライヴをやるのもいいんじゃないかなと思って。

怜：俺らも2マンっていうものをやりたいっていう気持ちがあったから、こうして誘ってもらえたのは素直に嬉しかった。昔一緒にやってたナイトメアは、あれからずっと一線に居続けた。そこに対して俺らはもちろん尊敬をしてるし。そういうバンドとまた同じステージに立てるというのは、気持ち的にスイッチが入りますよ。

YOMI：そのスイッチの入り方も、単なるイベントに出るときだと、他のバンドに負けないようにって考えが働いたりするけど、知ってるバンドとの2マンってなるとそういう変な考え、駆け引きもなく純粋に音楽だけでぶつかり合える。そういうところが一番違うんじゃないかな。

圭：俺はちょっとみんなと違うかもしれないんだけど。俺が今回一番いいなと思ったのは（東名阪）3本やれるってとこなんですよ。これが1本だと単なるお祭り的なものになっちゃう。でも、ナイトメア、バロックのメンバーもバンドマンとしてあれから10何年ステージに立ち続けてる訳だから、ライヴの本数を重ねればきっと何か感じる気がする。それがあるからみんなここまでバンドをやり続けてるんだと思うから。ポッと出の新人じゃなく、そういう2バンドがお互いのライヴを間近で見ながらツアーやるんだから、すっげー刺激になると思う。だってさ、初日どっちが先にライヴやるかもまだ分からないんだけど。それだけで、お互い何か思う事はあるだろうし。

――ああー、いわれてみれば。

圭：しかも、次もある訳だから。そりゃあ刺激はあるよ。お互い、いろんな意味で。

RUKA：当時はメチャクチャだったからな。いろんな意味で（笑）。
渋谷でライヴやったとき、圭がホテルの部屋着で来たとかね。

――なるほど。過去、インディーズ時代に同じステージに立っていた頃といま、お互いのバンドに対する印象は変わりました？

圭：バロックは変わったんじゃない？

RUKA：あぁー。（当時は）メチャクチャだったからな。いろんな意味で（笑）。書ける範囲でいうと、渋谷O-EASTでライヴやったとき濱田（圭）がホテルの部屋着で来たとかね（一同笑）。

怜：よく憶えてるなぁ（笑）。

圭：地方じゃなく東京なのにホテルの部屋着って（笑）。そういうのあったわ。

RUKA：その部屋着の下にジーパン履いて（笑）。

怜：すっげー攻撃的だなぁ（笑）。

圭：ナイトメアは、ある意味その当時から変わってない。当然スキルアップしてるけど、それぞれのキャラクター、楽曲の芯の部分、根本的なところは変わってない。それだけ最初からあったんでしょうね。変わらないものが。

――お互い、楽曲とか知ってるんですか？

圭：昔からある曲は知ってるよ。

RUKA：俺、「ila.」までは知ってるな。

圭：「ila.」とか「ガリロン」作ってる当時、デモ聴かせたことあるもんね？　RUKAさん家に行ってね。

怜：俺ん家来たときも初期のバロックいっしょに聴いたね。

YOMI：あーっ！　そうかも。当時僕たちはプリプロっていう作業はなかったから。あのとき聴かせてくれたのってプリプロの音源だよね？

怜：そうだったかも。あのときヒッツー（ナイトメアの柩／G）もいて。

YOMI：そうそう。“プリプロやってる！　凄いな”と思ったのをいま思い出した。

RUKA：我々はないよね？　プリプロ。

YOMI：ないね。

RUKA：そんなこと1度もやったことない。そういうやり方すると収拾つかなくなる。

YOMI：作曲者が完成させたものをみんなで練るってことはできるんだけど、1からみんなでっていうのはないね。

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