「WORLD SONIC NEWS VOL.26」ブライアン・セッツァー「裏通りの小さな飲み屋が好きなんだよ。布袋やチャーと飲むよ」

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今回ご紹介するのはネオロカビリー界の重鎮、ブライアン・セッツァーです。1980年代前半に伝説のネオロカビリー・バンド、ストレイ・キャッツで一世を風靡。1990年代に入ると、ソロ活動と並行して、ブライアン・セッツァー・オーケストラを結成し、活動。ビッグ・バンドによる“スウィング・ロック”で人気を博し、1999年にはグラミー賞で最優秀ポップ・グループとインストゥルメンタルの2部門を受賞、全米のスウィング人気をリードします。たびたび、来日している親日家としての顔もあり、2002年にイチロー選手が出演したペプシ・コーラのCMソングを担当したことでも知られています。

◆ブライアン・セッツァーI画像

そんなブライアンをジャパン・ツアー直前にキャッチ。都内某所のホテルでインタビューすることが出来ました。ブライアンが初めて日本に来たのが1981年、ということで、今回の来日で30年目。そこで日本に来ると訪れる、お気に入りの場所とか、過ごし方を聞き出しました。

「お気に入りの場所ね、あるよ。」(教えてもらえますか?)「ん~いいよ(笑)食べ物屋がいいんだっけ…俺は、野球を見に行くのが好きなんだ。もうシーズン・オフが近いよね。何度も野球を見に行ったよ。日本の野球好きなんだよね。気に入ってるレストランもあるしさ。でも裏道が好きだね。“Back Street of Tokyo”って曲もかいたし。裏通りを歩いて小さな店を見つけるのが好きなんだ。何かないかなって探しながらね」

ブライアンは六本木でも食べ物がおいしい小さなお店を見つけてあって、親しい友人だけでビールを飲みながら、静かに過ごすのが好きなんだそうです。実は親しい友人にはこんな人たちがいるんです。「布袋寅奏とチャーとはすごく仲良くしているよ。いつも電話をくれて、一緒に出かけたりするよ。ツアー中はなかなか難しいけどさ。今回は娘も一緒に来ているんだ。かなり興奮してるよ。あちこち写真を撮りまくってるしね。アメリカとは全然違うからさ。子供が大喜びしているのを見るのは父親として嬉しいね。」

娘の話をするブライアンは目尻が下がりっぱなし。関係者の話によれば、超美人らしいですよ(会いたかったな~(笑)。先ほど話に出て来た「BACK STREET OF TOKYO」という曲はBRIAN SETZER VS HOTEIの名義でシングルとしてリリースされ、2006年にスマッシュ・ヒットしました。実はこの曲が完成したのは、ブライアンの娘さんが「ダディ、そのメロディー、すごくいい。だから、ちゃんと曲にしたほうがいいわよ」というひとことがあったからなんだそうです。

続いて、ギター・コレクターとしても有名なブライアンにコレクションの中からいちばん値段の高いギターはどんなギターか、教えてもらいました。

「自分が持っているギターの中でいちばん高いのは、ジャズ・ギターを作っていたジョン・ディアンジェリコって人がいるんだけど、私はそのギターをナット・キング・コールの曲をプレイするために買ったんだ。1950年代のディアンジェリコだよ。「クリスマス・ソング」や「アンフォゲッタブル」を演奏するのに使ったね。あのギターは高かったなぁ」(おいくらなんですか?)「言いたくないな~。ものすごく高いからさ(笑)」

ブライアンいわく「天使のようなサウンドが鳴る」というそのギターの気になる値段は明かしてくれませんでしたが、車が数台!買える金額なんだそうです。調べたところ、ジャズ・ギターのストラディヴァリウスといわれる幻のギターで、そのギターをブライアンは2本、所有しているらしいです。すごっ!

今回のジャパン・ツアーは6人編成のバンドによるパフォーマンス。ストレイ・キャッツ時代の盟友スリム・ジム・ファントムも参加し、80年代の懐かしいヒット・チューンが満載の、ノリノリのロカビリー・ナイト。東京公演は10月3日(月)と4日(火)、渋谷C.C.レモンホール、6日(木)の追加公演は中野サンプラザホール。開演はいずれも19時。チケット料金はS席8,500円、A席7,500円。詳しくはウドー音楽事務所のホームページをご覧ください。

2011年の春、5年ぶりにソロ名義でリリースされた新作は全編、ギター・インスト・アルバム。ブライアンのテクニカルで痛快なロックンロールに仕上がっています。ぜひ新作『セッツァー・ゴーズ・インストゥル-メンタル』もチェックしてください。ご機嫌ですよ。

text by kenji kurihara:UNITED PROJECTS

『セッツァー・ゴーズ・インストゥル-メンタル』
VICP-64897 2,625円

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