【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第22回「クレジットで聴くレコードの世界」
そう、この作品は、アメリカンロックの聖地ともいえるマッスル・ショールズ サウンドスタジオでの、「マッスル・ショールズ録音」だったのです。もちろん“Recorded at Muscle Shoals Sound Studio”との記載もあります。マッスル・ショールズものはファンも多いですが、僕ももちろん大好きです。ロック / ポップスには最高の南部臭を漂わせ、ソウルには逆にロックっぽさと、洗練されたテイストを醸し出す、そんなところが好きなのです。そしてさらに詳しく見てみると、なんとDuane Allmanの名前があります。
これはもちろん“買い”です。マッスル・ショールズ録音というだけではそうはいかなかったかもしれませんが、Allman Brothers Bandのリードギタリストであり、そしてDerek and the Dominosにゲストギタリストとして参加し、Eric Claptonにも影響を与えたDuane Allmanの名前を見つけたので、これは買わずにはいられません。この作品は1970年。デュアンはAllman Brothers Band結成前にマッスルショールズのスタジオミュージシャンとして活動していたので、'60年代後半からこのころまでのマッスル・ショールズ録音ものには参加しているものが結構あるのです。僕はこのマッスル・ショールズ時代のDuane Allmanの演奏も見つけたら買っているので、これはラッキーな出会いでした。
この作品、内容はなかなかの好盤でした。基本的にはやはりホワイトブルースという感じですが、やはり演奏が良いです。マッスル・ショールズ録音だと、単なるホワイトブルースではなく、ちょっとソウルっぽい感じがするのがまた良いです。デュアンは4曲で弾いていますが、1970年になるとすっかりスタイルもできあがっているのか、ちょっと聴けばすぐ彼とわかるデュアン節を耳にすることができます。ジョン・ハモンドに関しては、この作品を聴いてから'60年代の作品も聴いてみたのですが、ジョン・ハモンド自体としてはその頃のカントリーブルース作品の方が僕は好きでした。
これもUSオリジナル盤なので、せっかくですからレーベルも見てみましょう。
赤 / 緑のアトランティック・レーベル。僕の中ではコロンビアの「2eye360SOUND」レーベルと並び“いかにもレコード”なデザインのひとつです。1970年ではリム表記が「1841 BROADWAY, NEW YORK, N.Y.」がオリジナルです。
この時期のアトランティックのレコードはマッスル・ショールズ録音がたくさんあるので要注意ですが、この作品も、もし裏ジャケットにクレジットが載っていなかったらスルーしていたことでしょう。本当にラッキーな出会いを嬉しく思います。
今回はたまたまマッスルショールズ録音でひっかかりましたが、たくさんアンテナを張っておくと、さらにレコードを探すのが楽しくなります。The Band関係、George Harrison(Goerge O'hara等の変名でのクレジットも多いので要注意)、Eric Clapton、Ry Cooder、Dr.John(Mac Rebennack)、The Section(Donny Kortchmar、Lee Sklar、Russ Kunkel、Craig Doerge)、Geoff MuldaurとAmos Garrett、Delarney & Bonnie人脈、Jesse Ed Davis、Tom Dowd、等々。SSW / ROCK方面でざっと挙げただけでもキリがないほどですが、さらにソウル系ではソウル系で好きなプレイヤーはたくさんいます。
クレジットを辿ることは、宝探しのようで本当に楽しいものです。そういえば、連載第12回で取り上げた『Turley Richards / EXPRESSIONS』との出会いもまさにこのパターンでした。レコードは裏ジャケットや内ジャケットにわかりやすくクレジットが載っているからこそ、こんな嬉しい出会いもあるのです。
オリ盤探求の旅はまだまだ続くのであります。
text by 鈴木健太(D.W.ニコルズ)
◆連載『だからオリ盤が好き!』は、D.W.ニコルズのアーティストページに順次掲載されます
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D.W.ニコルズオフィシャルmyspaceにてUSTREAMとの連動企画がスタート!
10/7(木)から『DWのUST』が毎週木曜生放送!(予定変更有り)
◆ ◆ ◆
「イイ曲しか作らない」をモットーに、きちんと届く歌を奏で様々な「愛」が溢れる名曲を日々作成中のD.W.ニコルズ。
2005年9月に、わたなべだいすけ(Vo&Ag)、千葉真奈美(Ba&Cho)が中心となり結成。
その後、鈴木健太(Eg&Cho)、岡田梨沙(Drs&Cho)が加わり、2007年3月より現在の4人編成に。
一瞬聞き返してしまいそうな…聞いた事がある様な…バンド名は、「自然を愛する」という理由から、D.W. =だいすけわたなべが命名。(※C.W.ニコル氏公認)
2ndアルバム『ニューレコード』
2011年1月26日リリース
曲目:01.バンドマンのうた 02.あの街この街 03.一秒でもはやく 04.チャールストンのグッドライフ 05.大船 06.風の駅 07.HAVE A NICE DAY! 08.2つの言葉 09.レム 10.Ah!Ah!Ah! 11.beautiful sunset
【CD+DVD】
価格:3,000円
品番:AVCH-78025/B
【DVD収録内容】“2 MUSIC SHOW! & 2 MUSIC VIDEO”
【CD only】
価格:2,500円
品番:AVCH-78026
これはもちろん“買い”です。マッスル・ショールズ録音というだけではそうはいかなかったかもしれませんが、Allman Brothers Bandのリードギタリストであり、そしてDerek and the Dominosにゲストギタリストとして参加し、Eric Claptonにも影響を与えたDuane Allmanの名前を見つけたので、これは買わずにはいられません。この作品は1970年。デュアンはAllman Brothers Band結成前にマッスルショールズのスタジオミュージシャンとして活動していたので、'60年代後半からこのころまでのマッスル・ショールズ録音ものには参加しているものが結構あるのです。僕はこのマッスル・ショールズ時代のDuane Allmanの演奏も見つけたら買っているので、これはラッキーな出会いでした。
この作品、内容はなかなかの好盤でした。基本的にはやはりホワイトブルースという感じですが、やはり演奏が良いです。マッスル・ショールズ録音だと、単なるホワイトブルースではなく、ちょっとソウルっぽい感じがするのがまた良いです。デュアンは4曲で弾いていますが、1970年になるとすっかりスタイルもできあがっているのか、ちょっと聴けばすぐ彼とわかるデュアン節を耳にすることができます。ジョン・ハモンドに関しては、この作品を聴いてから'60年代の作品も聴いてみたのですが、ジョン・ハモンド自体としてはその頃のカントリーブルース作品の方が僕は好きでした。
これもUSオリジナル盤なので、せっかくですからレーベルも見てみましょう。
赤 / 緑のアトランティック・レーベル。僕の中ではコロンビアの「2eye360SOUND」レーベルと並び“いかにもレコード”なデザインのひとつです。1970年ではリム表記が「1841 BROADWAY, NEW YORK, N.Y.」がオリジナルです。
この時期のアトランティックのレコードはマッスル・ショールズ録音がたくさんあるので要注意ですが、この作品も、もし裏ジャケットにクレジットが載っていなかったらスルーしていたことでしょう。本当にラッキーな出会いを嬉しく思います。
今回はたまたまマッスルショールズ録音でひっかかりましたが、たくさんアンテナを張っておくと、さらにレコードを探すのが楽しくなります。The Band関係、George Harrison(Goerge O'hara等の変名でのクレジットも多いので要注意)、Eric Clapton、Ry Cooder、Dr.John(Mac Rebennack)、The Section(Donny Kortchmar、Lee Sklar、Russ Kunkel、Craig Doerge)、Geoff MuldaurとAmos Garrett、Delarney & Bonnie人脈、Jesse Ed Davis、Tom Dowd、等々。SSW / ROCK方面でざっと挙げただけでもキリがないほどですが、さらにソウル系ではソウル系で好きなプレイヤーはたくさんいます。
クレジットを辿ることは、宝探しのようで本当に楽しいものです。そういえば、連載第12回で取り上げた『Turley Richards / EXPRESSIONS』との出会いもまさにこのパターンでした。レコードは裏ジャケットや内ジャケットにわかりやすくクレジットが載っているからこそ、こんな嬉しい出会いもあるのです。
オリ盤探求の旅はまだまだ続くのであります。
text by 鈴木健太(D.W.ニコルズ)
◆連載『だからオリ盤が好き!』は、D.W.ニコルズのアーティストページに順次掲載されます
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D.W.ニコルズオフィシャルmyspaceにてUSTREAMとの連動企画がスタート!
10/7(木)から『DWのUST』が毎週木曜生放送!(予定変更有り)
◆ ◆ ◆
「イイ曲しか作らない」をモットーに、きちんと届く歌を奏で様々な「愛」が溢れる名曲を日々作成中のD.W.ニコルズ。
2005年9月に、わたなべだいすけ(Vo&Ag)、千葉真奈美(Ba&Cho)が中心となり結成。
その後、鈴木健太(Eg&Cho)、岡田梨沙(Drs&Cho)が加わり、2007年3月より現在の4人編成に。
一瞬聞き返してしまいそうな…聞いた事がある様な…バンド名は、「自然を愛する」という理由から、D.W. =だいすけわたなべが命名。(※C.W.ニコル氏公認)
2ndアルバム『ニューレコード』
2011年1月26日リリース
曲目:01.バンドマンのうた 02.あの街この街 03.一秒でもはやく 04.チャールストンのグッドライフ 05.大船 06.風の駅 07.HAVE A NICE DAY! 08.2つの言葉 09.レム 10.Ah!Ah!Ah! 11.beautiful sunset
【CD+DVD】
価格:3,000円
品番:AVCH-78025/B
【DVD収録内容】“2 MUSIC SHOW! & 2 MUSIC VIDEO”
【CD only】
価格:2,500円
品番:AVCH-78026
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