【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第18回 遂に決着!?『南十字星』真のオリジナル盤
D.W.ニコルズの鈴木健太です。
今回取り上げるのは、またしてもThe Bandの1975年の作品『Northern Lights – Southern Cross』(南十字星)。この連載の第3回で“6枚の南十字星”と題して取り上げ、“本当のオリジナル盤”を探し続けていましたが、これに新展開がありました! 今回はその報告をさせていただきたいと思いますので、マニアックな話にお付き合いください。
まずは連載第3回を読んでもらえれば話は早いのですが、少しおさらいをしてみたいと思います。
『南十字星』のUSオリジナル盤であるはずのレコードの音に、どうしても納得がいかなかったところがそもそもの始まりでした。オリジナルであるはずのオレンジ・キャピトル・レーベルなのにどうも音がイマイチ。The Bandのオリジナル盤がこんな音のはずはない、もっと音のよい本当のオリジナル盤があるはずだと、探し続けて見つけたのが、レコードレーベルのデザインは同じオレンジ・キャピトルながらもそのオレンジ色が濃く、タイトルが2段に印字された『南十字星』。聴いてみると音は太く、まさしくオリ盤の音がそこにあったのです。ただし盤質がよくなかったので、US盤で盤質のよい2段タイトル・濃オレンジ・キャピトルの『南十字星』を探し続ける…。
ここまでが第3回の連載の話です。まず入手した6枚をまとめてみると、
1枚目 国内盤
2枚目 USオレンジ・キャピトル盤 盤質△ …(1)
3枚目 USオレンジ・キャピトル盤 盤質◎ …(2)
4枚目 US「濃」オレンジ・キャピトル盤 盤質× …(3)
5枚目 UKオリジナル盤 盤質×
6枚目 UKオリジナル盤 盤質◎
となり、問題にしているUS盤の3枚を、入手順に(1)~(3)とします。聴感上の理由から(3)の濃オレンジキャピトル盤の方が(1)(2)のオレンジキャピトル盤よりもプレスが早いと断定しましたが、一応マトリクスも見てみると、(1)(2)ともZ5/Z6で同じなのですが、(3)の濃オレンジキャピトル盤はZ4/Z3で、やはり(1)(2)よりも早い番号。聴感とマトリクスは一致しているようで、このマトリクスのZの後ろの数字はプレスの早い順につけられたものと判断してよさそうです。おそらくはZ1が最も早いプレスであろうかと思われます。
ここまでがまず、おさらいとまとめです。写真は、左が(2)のオレンジ・キャピトル盤、右が(3)の濃いオレンジ・キャピトル盤です。
それ以降、レコード屋で『南十字星』を見つけては検盤し、レーベルをチェックすることを続けてきましたが、濃いオレンジ・キャピトルの2段タイトルの『南十字星』にはなかなか出会えませんでした。
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