[クロスビート編集部員リレー・コラム] 編集長大谷編「スティーヴン・タイラー」

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2009年のスティーヴン・タイラー脱退騒動も記憶に新しいエアロスミスだが、よくよく考えてみるとここ10年間は何だか変なキャリアだった。2001年の『ジャスト・プッシュ・プレイ』発表以降、ずっと新作はご無沙汰なのだ。その間ブルースのカヴァー作やベスト、ライヴ盤を出していたから不在感はなかったものの、リリースの間隔がこんなに空いた前例はない。しかもツアー自体はコンスタントに続けていて、2010年も先日までやっていたほど。最近はそれと並行して、ジョー・ペリーがソロを出すだけではなく、ブラッド・ウィットフォードがエクスペリエンス・ヘンドリックスのツアーに参加したり、ジョーイがザ・クレイマー・モンゴメリー・ブルース・エクスプロージョンでライヴをやったりと、各自の活動も精力的だ。

そんな中でリリースされるのがスティーヴン・タイラーのソロ・シングルである。映画『Space Battleship ヤマト』のテーマとなったこの曲は、『ジャスト・プッシュ・プレイ』のプロデューサー、マーティ・フレデリクセンやセリーヌ・ディオンの曲を書いたキャラ・ディオガルディと共作した王道バラードだ。ソロ名義だけにバンドと違うことをやろうとするなら、やはりスティーヴン得意のこの路線しかあるまい。ストリングス・アレンジをフィーチャーしたヴォーカル・ナンバーに仕上がっている。

こうやって久々の声を聴くとやっぱりエアロが聴きたくなるのも事実。10年でアルバム一枚はあまりに悲しすぎる。いつの間にかスティーヴンも62歳だけに一刻も早い前線復帰を待ちたい。

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