[クロスビート編集部員リレー・コラム] 杉山編「オッド・フューチャー・ウォルフ・ギャング・キル・ゼム・オール」
ノー・エイジやヘルスが台頭した2007年から数えて早3年。最近ではウォーペイントがNMEの表紙を飾ったりして、本格的に盛り上がりつつある現在のLAシーン。同地への視線は日に日に熱を増しているけれど、その中にオッド・フューチャー・ウォルフ・ギャング・キル・ゼム・オール(現地の記事ではOFWGKTAと略されている)という連中がいて、個人的には今一番興奮している。
彼らはLAの若手ヒップホップ集団で、中心人物のタイラー・ザ・クリエイターが中心になって2007年に始めたプロジェクト。タイラーによるとメンバーはほぼ全員が学校で出会った悪友同士で、自分達の音楽を“ジャズ・コンサートに出来たモッシュ・ピット”と表現しているが、大先輩のウータン・クランからデイヴ・ブルーベックのようなジャズにまで影響を受けながら、かなりハードコアな領域に踏み込む瞬間もあって最高に面白い。しかもタイラー、2010年のお気に入りはアリエル・ピンクス・ホーンティッド・グラフィティやトロ・イ・モイ(!)。
同じくOFWGKTAの一員で弟のアールはマッドヴィレイン(マッドリブ+MFドゥーム)の“All Caps”をまるまるサンプリング。それも“スマートな悪ガキ”という感じでなかなか好印象なのだ。
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