[クロスビート編集部員リレー・コラム] 副編集長播磨編「ボンベイ・バイシクル・クラブ」
7/24付の全英チャートで8位を記録したボンベイ・バイシクル・クラブの新作『Flaws』は、前作の完成後すぐに制作が始められたアコースティック・アルバムだ。2009年10月に出たマムフォード&サンズのデビュー作『Sigh NoMore』がジワジワと売れ続けて同じチャートの6位に入っているが(初登場週に11位、1月に7位を記録した後、再び上昇して最高位を更新した)、こういった決して派手ではないタイプのフォーキーな音楽が確かな支持を得ていることは、ポップ・ミュージックに対するイギリスの懐の深さを表わしているようにも思う。
そんな『Flaws』には、最近多いDVD付のヴァージョンが存在する。このDVDにはアルバムの全収録曲をバンドが生演奏する様子が収められているが、これがなかなか味わい深くていいのだ。懐かしい感じに色褪せたような抑えめの色調や、被写界深度が浅くボケの利いた映像描写が、そもそもアルバムのトーンに合っていて素晴らしい。全体のイントロをメインマンのジャックが、そして各曲の紹介をメンバーたちがするのだが、みんな照れ臭そうにはにかみながら喋るのがらしいし、町中を歩いたり、車に乗って走ったりしながら演奏しているので、通行人などの周りの風景や音がそのまま入っているのもいい感じ。
撮影場所は彼らの地元のロンドン北部クロウチ・エンドで、メンバーの部屋が出てきたり、家族や飼い犬が出てきたりしてほのぼのムードも。また、細かい演出がニヤリとさせてくれたりもするので、手に入れるならこのDVD付きをお薦めしたい。
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