[クロスビート編集部員リレー・コラム] 杉山編「クリスタル・キャッスルズ」
2009年の10月に制作中との報が流れるも、その後何の情報も追加されずにいたクリスタル・キャッスルズのニュー・アルバム。タイトルも正式な発売日も未定だが、なんと既に完成していて、6月にはリリース予定だとイギリスのBBCが報じている。
2008年に世界各地からデビューした人気アクトの中でもエレクトロ色が強く、同時に最もパンキッシュだった彼女達。当時は“一発屋かも”という見方もあったものの、NMEが選んだ2000年代のベスト・アルバム50に入っていたり、期待の新譜特集でも取り上げられたりと、新作への期待値は相変わらず高い。実は2009年に実現したブラーのハイド・パーク公演にも前座として出演したが、時間が経つにつれて彼ら=エレクトロといった誤解が解けてきた印象もある。
さて、気になる新作はアイスランドの教会、北オンタリオのキャビン、デトロイトのガレージなどで録音されているようで、ヴォーカルの練習テイクをそのまま作品に収録した前作と同じく、D.I.Y.精神は健在の予感。1曲ポール・エプワースと共作しており、「Baptism」「Celestica」「Doe Deer」「Young Love」など7曲の曲名が決まっているようだが、「Baptism」は既に海外のライヴで演奏済みの楽曲だ。
2007年に日本も巻き込んで音楽/カルチャー・シーンを席巻したエレクトロ・ブームはすっかり終わったが、そうした時流に関係なく、才能のあるバンドはいい作品を届けてくれるはず。彼らが前作からどんな進化を遂げるのか、今後の動向も含め、楽しみに待っていたいと思う。
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