【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第3回 「6枚の『南十字星』」
まずレーベル。同じ“オレンジ・キャピトル”でも色合いが違う! オレンジ色が濃く鮮やか。capitolの金色ロゴも煌びやか。素材はツルツル。印字も違っていて、タイトルが2段。そして盤自体も厚くて重い。これは完全にプレスが違う! 何か風格さえ感じました。値段は通常の『南十字星』同様安かった(お店の方はこの違いには気付いてなさそうでした)ので即購入(4枚目)、ワクワクドキドキしながら気をつけて帰宅し、祈るような思いで針を落とすと…
正真正銘の“THE BANDの音”がそこにはありました!
温かく、迫力のある太い一音一音が、くっきりと、グッと前に出てくるのです。楽曲の素晴らしさ、足りないものも無駄なものもないアンサンブルの完璧さ、そして一発録りならではの緊張感。崩壊寸前のTHE BANDから放たれるすべてが、消える直前の蝋燭の炎のような美しさを持って、僕の心に一層深く響き、感動し涙しました…。やはりTHE BANDはTHE BAND。最高です!!
これで満足のはずだったのですが、もはやここまで来るとほとんど病気…。今度は『南十字星』のUKオリジナル盤が聴いてみたくなり、探し始めました。そして根気よく探した甲斐あって、レアなUK盤もついに手に入れたのです(5枚目)。
ジャケットはレーベル・ロゴの有無等以外、デザイン自体はUS盤とまったく同じですが、色合いは少し違っていて、US盤がやや緑がかっているのに比べ、UK盤は青味がかっています。紙質は他のレコードのUK盤と同じように、ペラペラ気味。インナーは、US盤・国内盤には内袋にクレジットが印刷されていますが、UK盤では内袋とは別で一枚の紙に印刷されています。そしてレコード・レーベルは、デザインは同じ“オレンジ・キャピトル”ながら、質感も色合いも印字も、US盤とは違っています。
さて、音はどうかというと、他のレコードのUK盤同様の印象でした。締まっていて硬め。US盤よりも奥行き感がある。低音のパンチと粘りはUS盤より淡白だけど、ギュッと詰まった中音域とヌケの良い高音域は気持ちがいい。THE BANDのアルバムには低音の粘りがないとつまらないかも、とも思っていたのですが、実際にUK盤を聴いてみると、その奥行き感と中音域の厚みが予想以上に気持ちよく、『南十字星』のタイトなサウンドにマッチしているような気がします。そしてUS盤ではあまり聴こえてこなかった音がよく聴こえてきたりもして(その逆も然り)、とても新鮮な感じもするのです。これこそUKオリ盤を買ってみた甲斐があるというもの。
でも、チリチリパチパチと盤質がよくなくて、こうなったらもっと盤質のいいものが欲しいなあ、なんて思っていたら、何とレアなはずのUKオリ盤に再び遭遇(6枚目)。今度は極美品! これは本当にラッキーでした。出会うときは出会うものなんですね。僕のTHE BANDへの愛が報われたのでしょうか…。
こうして僕の手元には6枚の『THE BAND / Northern Lights - Southern Cross』があるわけですが、結局このアルバムに関しては、USオリもUKオリもどちらも甲乙つけがたく、その日の気分でどちらも愛聴しています。ただ、USオリの濃オレンジキャピトル盤は盤質がよくないため、美盤を求めて日々探しています。
そして実は、この濃オレンジキャピトル盤、この後さらに謎を深めるものに出会ってしまいます。その話はまた次回!
オリ盤探求の旅はまだまだ続くのであります。
text by:鈴木健太(D.W.ニコルズ)
◆連載『だからオリ盤が好き!』は、D.W.ニコルズのアーティストページに順次掲載されます
--------------------------------
「イイ曲しか作らない」をモットーに、きちんと届く歌を奏で様々な「愛」が溢れる名曲を日々作成中のD.W.ニコルズ。
2005年9月に、わたなべだいすけ(Vo&Ag)、千葉真奈美(Ba&Cho)が中心となり結成。
その後、鈴木健太(Eg&Cho)、岡田梨沙(Drs&Cho)が加わり、2007年3月より現在の4人編成に。
一瞬聞き返してしまいそうな…聞いた事がある様な…バンド名は、「自然を愛する」という理由から、D.W. =だいすけわたなべが命名。(※C.W.ニコル氏公認)
待望のメジャー1st フルアルバム
2010年4月7日発売
『ONELBUM』(ワンルバム)
初回盤(DVD付)
AVCH-78012/B/3,000円(tax in)
通常盤
AVCH-78013/2,500円(tax in)
【CD】
01.B.D.K.
02.春風
03.ファミレス
04.SMOKE
05.グリンピースヌーピー
06.熱帯夜
07.太陽
08.サマーレイン
09.波待ちサーファー
10.マイライフストーリー
11.haleiwa
【DVD(初回盤のみ)】
01.マイライフストーリー
02.春風
03.B.D.K.
◆D.W.ニコルズ オフィシャルウェブサイト
◆D.W.ニコルズ MySpace
正真正銘の“THE BANDの音”がそこにはありました!
温かく、迫力のある太い一音一音が、くっきりと、グッと前に出てくるのです。楽曲の素晴らしさ、足りないものも無駄なものもないアンサンブルの完璧さ、そして一発録りならではの緊張感。崩壊寸前のTHE BANDから放たれるすべてが、消える直前の蝋燭の炎のような美しさを持って、僕の心に一層深く響き、感動し涙しました…。やはりTHE BANDはTHE BAND。最高です!!
これで満足のはずだったのですが、もはやここまで来るとほとんど病気…。今度は『南十字星』のUKオリジナル盤が聴いてみたくなり、探し始めました。そして根気よく探した甲斐あって、レアなUK盤もついに手に入れたのです(5枚目)。
ジャケットはレーベル・ロゴの有無等以外、デザイン自体はUS盤とまったく同じですが、色合いは少し違っていて、US盤がやや緑がかっているのに比べ、UK盤は青味がかっています。紙質は他のレコードのUK盤と同じように、ペラペラ気味。インナーは、US盤・国内盤には内袋にクレジットが印刷されていますが、UK盤では内袋とは別で一枚の紙に印刷されています。そしてレコード・レーベルは、デザインは同じ“オレンジ・キャピトル”ながら、質感も色合いも印字も、US盤とは違っています。
さて、音はどうかというと、他のレコードのUK盤同様の印象でした。締まっていて硬め。US盤よりも奥行き感がある。低音のパンチと粘りはUS盤より淡白だけど、ギュッと詰まった中音域とヌケの良い高音域は気持ちがいい。THE BANDのアルバムには低音の粘りがないとつまらないかも、とも思っていたのですが、実際にUK盤を聴いてみると、その奥行き感と中音域の厚みが予想以上に気持ちよく、『南十字星』のタイトなサウンドにマッチしているような気がします。そしてUS盤ではあまり聴こえてこなかった音がよく聴こえてきたりもして(その逆も然り)、とても新鮮な感じもするのです。これこそUKオリ盤を買ってみた甲斐があるというもの。
でも、チリチリパチパチと盤質がよくなくて、こうなったらもっと盤質のいいものが欲しいなあ、なんて思っていたら、何とレアなはずのUKオリ盤に再び遭遇(6枚目)。今度は極美品! これは本当にラッキーでした。出会うときは出会うものなんですね。僕のTHE BANDへの愛が報われたのでしょうか…。
こうして僕の手元には6枚の『THE BAND / Northern Lights - Southern Cross』があるわけですが、結局このアルバムに関しては、USオリもUKオリもどちらも甲乙つけがたく、その日の気分でどちらも愛聴しています。ただ、USオリの濃オレンジキャピトル盤は盤質がよくないため、美盤を求めて日々探しています。
そして実は、この濃オレンジキャピトル盤、この後さらに謎を深めるものに出会ってしまいます。その話はまた次回!
オリ盤探求の旅はまだまだ続くのであります。
text by:鈴木健太(D.W.ニコルズ)
◆連載『だからオリ盤が好き!』は、D.W.ニコルズのアーティストページに順次掲載されます
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「イイ曲しか作らない」をモットーに、きちんと届く歌を奏で様々な「愛」が溢れる名曲を日々作成中のD.W.ニコルズ。
2005年9月に、わたなべだいすけ(Vo&Ag)、千葉真奈美(Ba&Cho)が中心となり結成。
その後、鈴木健太(Eg&Cho)、岡田梨沙(Drs&Cho)が加わり、2007年3月より現在の4人編成に。
一瞬聞き返してしまいそうな…聞いた事がある様な…バンド名は、「自然を愛する」という理由から、D.W. =だいすけわたなべが命名。(※C.W.ニコル氏公認)
待望のメジャー1st フルアルバム
2010年4月7日発売
『ONELBUM』(ワンルバム)
初回盤(DVD付)
AVCH-78012/B/3,000円(tax in)
通常盤
AVCH-78013/2,500円(tax in)
【CD】
01.B.D.K.
02.春風
03.ファミレス
04.SMOKE
05.グリンピースヌーピー
06.熱帯夜
07.太陽
08.サマーレイン
09.波待ちサーファー
10.マイライフストーリー
11.haleiwa
【DVD(初回盤のみ)】
01.マイライフストーリー
02.春風
03.B.D.K.
◆D.W.ニコルズ オフィシャルウェブサイト
◆D.W.ニコルズ MySpace
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