タワレコがショパンを力いっぱい応援「ショパンイヤーの楽しみ方」前編

タワーレコードがショパンを力いっぱい応援する企画「タワーレコード・ショパン・スペシャル・キャンペーン」を展開させている。

日本最大のクラシック音楽祭<ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2010>を目前に、<ラ・フォル・ジュルネ>に携わるクラシックソムリエのオヤマダアツシ氏に、ショパンイヤーの楽しみ方を訊いてみた。
[ショパンイヤーの楽しみ方前編]
──ショパンの楽曲で、一番好きな曲はありますか?

──ちなみにピアニストによって、全く印象が変わるのをどう聴きますか?
オヤマダアツシ:クラシックってポップ・ミュージックで言うところの“カバー”の歴史ですよね。同じ楽譜なのにいろんなピアニストが弾き、同じ曲でも情感たっぷりに聴かせるピアニストもいれば、陶酔してこのまま止まっちゃうんじゃないの?ってくらい静かにゆっくり聴かせるピアニストもいる。そう考えると、クラシックってつまり後から出てくるアーティストが、曲を自分なりに弾いていく“カバー”なんだな、と。究極のリサイクル芸術なんですよね。楽譜っていうオリジナルはくずせないけど、その範囲を越えなければあとは思うがままにどうぞ、というのがクラシックですよね。だから、「こう来たか!」みたいな楽しみ方ができるんです。特にショパンの曲は、そういった自由さが似合うかもしれません。
──“特にショパンは”…というのはなぜ?
オヤマダアツシ:ショパンの生涯を振り返ってみると、他の有名な作曲家たちと異なり、ポップ・スターというかシンガー・ソングライターみたいな側面があるんです。後半生を生きたパリではおよそ16年の間に大きなコンサートを開いたのがたった10回ほどで、彼ほどのスター音楽家にしてはとても少ない。コンサートにチケットを売り出すと、たちまちソールドアウトになるほどの人気だったのにもかかわらず、です。そのかわり貴族の館なので開かれるサロンというパーティーだったり、近所のカフェなんかでは気軽に弾いているんですよね。即興でピアノを弾いている最中にいいメロディーが生まれ、「今の良かったな」って楽譜に残したりしている。そういう意味でも、普通の作曲家とは違ってポップス寄りの雰囲気が強いんです。ショパンの曲は短いから、いわゆるシングルヒットみたいなもの。そういう背景からも、気軽に聴けるクラシックの代表的な作曲家です。クラシックをあまり聴かないという皆さんだって、絶対にショパンの曲はどこかで聴いて知っていると思います。

オヤマダアツシ:クラシックのコンサートは、「何を着て行ったらいいんだろう?」とか「チケット高いなあ」って思う人がまだまだいると思いますけれど、普段そう思ってなかなか行けない人こそ、<ラ・フォル・ジュルネ>で「お試し」をしてはいかがでしょうか。東京国際フォーラムの中で一日ばっちり楽しめる、音楽を主役とした遊園地みたいなものです。いろいろな料理が食べられる屋台は出てるし、グッズ販売もあるし、野外のステージでは演奏が始まるとお客さんが大興奮して、ロック・フェスみたいな状態になっちゃう。アンコールがかかるとアーティストものってきて止まらなくなったり。<ラ・フォル・ジュルネ>を始めたフランス人プロデューサーのルネ・マルタン氏は、U2の野外コンサートが大きなヒントになったんだって言っているんですよ。だから、まさにロック・フェスのクラシック版なんです。身構えないで、まず体験してみるのがいいと思いますよ。2010年のテーマ作曲家はショパンですからピアノ音楽がメインですけれど、他の作曲家の音楽やオーケストラ曲、ワールド・ミュージックにアレンジしたショパンなども楽しめます。

──予習ってしていったほうが楽しめますか?
オヤマダアツシ:より楽しめるとは思いますけれど、しなくても全然OK。だってお祭りなんですもん。三社祭へ行くのに予習はしないように、とにかく会場へ行って、音楽やアーティストに出会って、あー楽しかった!でいいんです。
◆後編に続く…
◆ラ・フォル・ジュルネ・オフィシャルサイト
◆タワーレコード・ショパン・スペシャル
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