ルネ・フレミング、ミューズやアーケイド・ファイアーのカヴァー・アルバムを

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オバマ米大統領の就任記念コンサートでもパフォーマンスしたアメリカを代表するソプラノ歌手、ルネ・フレミングが、ミューズやアーケイド・ファイアー、ジェファーソン・エアプレイン、ピーター・ガブリエルらのトラックをフィーチャーしたカヴァー・アルバム『Dark Hope』を制作した。

オペラだけに留まらず、現代音楽やジャズ、さらにはマイケル・ボルトンとのデュエットまで幅広いジャンルを網羅してきた彼女だが、今回はさらに前進。ロックの世界まで足を踏み入れた。

それだけでも十分意欲的だが、ヴォーカルの面でもこれまでとは違うスキルを見せている。美しい高音で人々を魅了するフレミングが、あえて男性ヴォーカリストの楽曲を選択。ソプラノではなく低音で歌うことに挑戦した。フレミング自身、このアルバムを制作するにあたりここが最大のチャレンジでありリスクだったと話している。ソプラノ歌手として一流のキャリアを誇る彼女が、今回ばかりは何度もプロデューサーからダメ出しされたという。

カヴァー・トラックにはミューズ、ピーター・ガブリエル、レナード・コーエン、ジェファーソン・エアプレイン、ティアーズ・フォー・フィアーズだけでなく、アーケイド・ファイアーやデス・キャブ・フォー・キューティーといったインディものまで取り上げた。この選択には、彼らの音楽のファンである子供たちから「恥ずかしいから止めて欲しい(笑)」との声も上がったそうだが、出来上がった音は彼らのお墨付き。

ロック・ファンにとっても興味深いが、フレミングはこのアルバムを「こういう音楽を聴かない、これらのアーティストが存在することすら知らない、わたしと同世代の人たちに聴いてもらいたい」とも話している。ただのカヴァー・アルバムに終わらず、オペラ・ファンとロックの橋渡しとなる作品が完成した。

『Dark Hope』はこの夏、リリース予定。収録トラックは以下の通り。

「Endlessly」 (ミューズ)
「No One's Gonna Love You」 (バンド・オブ・ホーセズ)
「Oxygen」 (ウィリー・メイソン)
「Today」 (ジェファーソン・エアプレイン)
「Intervention」 (アーケイド・ファイアー)
「With Twilight As My Guide」 (マーズ・ヴォルタ)
「Mad World」 (ティアーズ・フォー・フィアーズ)
「In Your Eyes」(ピーター・ガブリエル)
「Stepping Stone」 (ダフィー)
「Soul Meets Body」(デス・キャブ・フォー・キューティー)
「Hallelujah」 (レナード・コーエン)

Ako Suzuki, London
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