hayato kaori、無垢でキュート、大胆で繊細、熱いのにクールな2ndアルバム『Lindas(リンダス)』リリース特集

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hayato kaori 2ndアルバム『Lindas(リンダス)』リリース特集

マルコス・ヴァーリなど大物ブラジル人アーティストの作品をフィーチャー 無垢でキュート、大胆で繊細、熱いのにクール そんな、ブラジルと日本のハイブリッド・ミュージック

「ボサノバ第二世代って、ブラジルではミュージック・ポピュラー・ブラジレイラの頭文字をとってMPBっていう言い方をされてるジャンルなんです」

──苦労といえば、作詞面ではどうでした? 本場のボサノバとかに日本語を乗せるのって難しくなかった?

hayato: えっと、今回ボサノバは最後の1曲だけで、あとの曲はボサノバ第二世代なんですよね。

──ボサノバ第二世代って?

hayato: はい。ボサノバそのものではなくて、ボサノバに洋楽だとかオリジナリティだとか、いろんなものが絡まり合ってできた楽曲で、ブラジルではミュージック・ポピュラー・ブラジレイラの頭文字をとってMPBっていう言い方をされてるジャンルなんです。日本で言うJ-POPみたいな感じなんですよ。で、今回のアルバムもMPBというか、ブラジリアン・ミュージックと捉えて歌ったんです。そこに日本語を乗せるっていうのは、私にとってはすごく自然な流れで。もしかしたら他の人がやったら難しいのかもしれないけど、私自身ブラジルと日本のハーフなので、血の部分で、リズムとかメロディを理解できるところがあって。だから難しいと感じることはなかったですね。

──なるほど。どの曲も馴染みやすいのは、そんなふうに力まずナチュラルな感覚で日本語が乗せられ歌われてるからかもね。この曲達を聴いて思ったのは、日本人って私も含めてブラジルの音楽に馴染みの薄い人が多いと思うんだけど、このアルバムがきっかけでブラジリアン・ミュージックに興味を持つ人もたくさん出てくるんじゃないかなって。

hayato: あ、それは私も望んでるところで。だから今回、日本語で歌う必要があったんです。聴いてもらいたいのは日本人だから。

「私の表現が誰かの第二の本能を刺激したり、聴き手の感情に花の芽を埋めるように、何かのきっかけになったらいいなって思ってます」

──kaoriちゃんは、ブラジル音楽の良さを日本人に伝えたいっていう思いが強い?

hayato: そうですね。ブラジルの音楽って、メロディが豊かで、リズムが独特で、ハーモニーが美しいっていう印象があって。その豊かな音楽を純粋に伝えたいっていう想いもあります。人間は美しいメロディが好きだっていう第二の本能を持ってると私は思ってるんですね。で、そういった部分でも、私の表現が誰かの第二の本能を刺激したり、聴き手の感情に花の芽を埋めるように、何かのきっかけになったらいいなって思ってます。

──“聴き手の感情に花の芽を埋めるように”って、いい表現だなぁ。ところでアルバム・タイトルを『Lindas』(=美しいものたち)にしたのは?

hayato: “linda(リンダ)”っていう単語は、元々“美しい”っていう意味もあるんですけど、ブラジル人は相手の意見に同意したり、すばらしいと思った時に「リンダ!」って言うんですよ。で、この言葉は今回のレコーディング中にも飛び交ってて。セルソ(フォンセカ)が私と毎日会う時も、私を茶化して「あ~、カオリンダ~!」とか(笑)。

──ブラジル版オヤジギャグだ(笑)。

hayato: そういうダジャレを言ったりしてて(笑)。だから“リンダ”って言葉が自然と身体の中に入ってきてたし、それぞれの曲がとても美しく仕上がったので、“Lindas”と。だからこのアルバムはまさにこのタイトルに集約されてると思いますね。

──kaoriちゃんの歌声自体、美しくてまさに“リンダ!”だしね。

hayato: 自分でも今回は歌手としての魅力が出せたアルバムになったなって思ってるんですよ。今作が出来上がった時に思ったのは、なんかすごいものができちゃったなあって(笑)。でも同時に、歌の深さも知ったので、これからももっといろんなことを体験して、もっと洗練された表現をしていけたらなって思いますね。

──日本とブラジルの懸け橋的役割も担いつつ。

hayato: そうですね。まだまだやりたい曲とかもたくさんあるし、アイディアはいっぱいあるので、第2弾、第3弾もやれたらいいなって。

──ぜひやってください! …って、ちょっと気が早いけど。

hayato: 頑張ります!

取材・文●赤木まみ

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