カサビアン、サージが新作を大いに語る
6月3日に最新アルバム『ルナティック・アサイラム』を発売したカサビアン。8月5日には超プレミアムなライヴ・イベントを開催することをお知らせしたばかりだが、彼らからのメッセージ映像とインタビュー・テキストが到着している。これをバッチリ紹介しておこう。アルバムを目いっぱい楽しむことの大きな助けになるはずだ。ちなみに、インタビューはすべてサージ(セルジオ・ピッツオーノ)が答えている。
◆トムとサージからのメッセージ映像
──3年ぶりのアルバムですが、この3年間はバンドにとってどんな3年間でしたか?
サージ:15回くらい世界中を回ってたよ。2008年にツアーが終わったので、数ヶ月オフを取って3月にデモのレコーディングを始めたんだ。その間、夏のツアーがあって9月にアルバム・レコーディングの総仕上げをしにサンフランシスコにも行った。そして12月にやっとマスタリングが終わったんだ。結局9ヶ月くらいで終わったかな。そんなに悪くなかったね。1枚目と2枚目のアルバムの間はほとんどオフがなかったし、4年間ツアーで世界中をまわりっぱなしだったから、本当に休息が必要だった。庭の手入れとかしたかったしね。
──3年間で複数回来日してますが、そんな日本のヴァイブレーションは今回のアルバムに反映されてますか?
サージ:具体的には反映されていないかもしれないけど…。渋谷の夜の喧騒やネオンの色合いはとても印象的だった。たとえば、アンダードッグの中間部分の混沌とした感じは、渋谷の喧騒と似てるかもしれないな。あと富士山はすごかった。あんな場所、今まで行ったことがないよ。異様な雰囲気だったね。フェスといえば、<フジロック>に出演している間中、ずっと変な耳鳴りがしてたんだ。どこから聞こえてくるのかわからないけど、すごい変な感じだったよ。時差ボケのせいかな。
──今回作曲するにあたって重点を置いたことはありますか?
サージ:どこからともなく曲が降りてきた感じだったからね。キース・リチャーズがよく言ってたよ、“自分はアンテナで曲を受信するだけだ”って。本当にそんな感じだった。普段からいろんな音楽を聴いて、自分を刺激したり、いろんなものを吸収してビートだったりサウンドだったり、ギターを弾いたりとにかく自分の部屋で音を出してた。特に計画みたいなものはなかったんだよ。曲は自然に完成に向かっていった。アレンジとかプロデュースは、作る過程で決めていく。でも、曲ごとの方向性があるから、例えば「ファスト・フューズ」は、はじめにメロディーと歌詞をギター弾きながら作ってんだけど、そのときから“ディック・デール風の楽曲にしたい”って曲が訴えてたんだよ。そんな風に曲ごとに方向性を決めていったんだ。
──前作と比較してユニークなプロセスで出来た曲はありましたか?
サージ:う~ん、小さな部屋で機材をいじりながら書き上げたからね。例えば7曲目の「ウエスト・ライダー・シルバー・ブレット」では初めてのデュエットだったし、セルジュ・ゲンスブール的なものをイメージして作ったものなんだ。前作と違うっていえばこの曲かな。
──ロザリオ・ドーソンとのデュエット(M-7「ウェスト・ライダー・シルヴァー・ビュレット」)を決めた理由を教えて?
サージ:もともと曲を作っているときに、“主旋律にかぶせる旋律を女性に歌ってもらったら面白いかな”って思ってたんだ。でもイギリス人の女性や歌手に歌ってもらうんじゃなくではなく、何か“人の期待を裏切りたい”って気持ちがあった。ロザリオが出演してる作品はぶっ飛んでるものばかりだったし、今ならではのホットな女優だから、彼女に歌ってもらうのはサイケだな、って思ったんだよ。
──映画『ホーリー・マウンテン』にインスパイアされたと聞きましたが、どういったところに? また音楽以外のものにインスパイアされることはありますか?
サージ:ホーリー・マウンテンに関して言えば、まず視覚的にぶっ飛んだよ。あとセレブリティーや名声、キリスト、宗教に疑問を投げかける描き方など、あの時代では理解されなかった斬新なアイディアやメッセージがつまっている。今の時代、そんな常軌を逸した作品を大胆不敵に世間に投げかける人間なんていなくなってしまったように思うんだ。アンダーグラウンドでは、エレクトロのシーンで革新的で実験的なことが行なわれているけど、メインストリームには、世間に違うものの見方を提示して衝撃を与えたり実験的なことをしたりするアーティストはいないと思うんだ。だから、あの映画を観て、(自分たちの)アルバムのタイトルにしてもあっと驚かせるようなものにしたかったし、“何か魔法めいた、世間の興味をそそる作品にしたい”って思ったんだ。ただヒット・シングルを出して他の曲とまとめてアルバムにするっていうのはゴメンだったし、1枚目、2枚目と成功を収めてこられたから、3枚目もリスクを犯さずに…っていう風にはできなかった。それで失敗したとしても、自分の好きなようにやったわけだからそれでいいし。アモン・デュールの『メイド・イン・ジャーマニー』にしたって、カンにしたって、周りの流行なんて一切おかまいなしで自分の好きなことをやってただろ。今の時代にはない姿勢だと思うよ。そんなところに自分も刺激を受けるんだ。
──傑作揃いのアルバムですが、女の子に聴いてほしい曲とかありますか?
サージ:「ファイア」がお勧めだね。あんまり上品な曲ではないと思うけど、踊れる曲だから。ストリップ・ダンスやポール・ダンスに向いてる…とまでは言わないけど、綺麗に踊るというよりは下品に色気ムンムンで踊れる曲だし。
──2009年のサマーソニックではどんなライヴをしてくれますか?
サージ:そうだな。ゴジラみたいなライヴかな。
──いま、オアシスとツアー中ですね。オアシスのオーディエンスにどういう刺激が与えられるか楽しみじゃないですか?
サージ:そうだね。会場もウェンブリー・スタジアムで巨大だし、60年代のジミ・ヘンドリックス、ザ・フー、ドアーズ、スモール・フェイセズなどのまったく音楽性の違うバンドたちが集まってライヴをしていたのを思い出すよ。盛り上がるだろうし、すごく楽しみにしてるよ。
──今後追求していくことのヴィジョンはありますか?
サージ:そうだな…。まあ俺自身この先どうなるかわからないし、それだから面白いっていうとこもあるよね。まあ風向きに任せていこうって思ってるよ。
◆iTunes Store カサビアン(※iTunesが開きます)
◆カサビアン・オフィシャルサイト
◆トムとサージからのメッセージ映像
──3年ぶりのアルバムですが、この3年間はバンドにとってどんな3年間でしたか?
サージ:15回くらい世界中を回ってたよ。2008年にツアーが終わったので、数ヶ月オフを取って3月にデモのレコーディングを始めたんだ。その間、夏のツアーがあって9月にアルバム・レコーディングの総仕上げをしにサンフランシスコにも行った。そして12月にやっとマスタリングが終わったんだ。結局9ヶ月くらいで終わったかな。そんなに悪くなかったね。1枚目と2枚目のアルバムの間はほとんどオフがなかったし、4年間ツアーで世界中をまわりっぱなしだったから、本当に休息が必要だった。庭の手入れとかしたかったしね。
──3年間で複数回来日してますが、そんな日本のヴァイブレーションは今回のアルバムに反映されてますか?
サージ:具体的には反映されていないかもしれないけど…。渋谷の夜の喧騒やネオンの色合いはとても印象的だった。たとえば、アンダードッグの中間部分の混沌とした感じは、渋谷の喧騒と似てるかもしれないな。あと富士山はすごかった。あんな場所、今まで行ったことがないよ。異様な雰囲気だったね。フェスといえば、<フジロック>に出演している間中、ずっと変な耳鳴りがしてたんだ。どこから聞こえてくるのかわからないけど、すごい変な感じだったよ。時差ボケのせいかな。
──今回作曲するにあたって重点を置いたことはありますか?
サージ:どこからともなく曲が降りてきた感じだったからね。キース・リチャーズがよく言ってたよ、“自分はアンテナで曲を受信するだけだ”って。本当にそんな感じだった。普段からいろんな音楽を聴いて、自分を刺激したり、いろんなものを吸収してビートだったりサウンドだったり、ギターを弾いたりとにかく自分の部屋で音を出してた。特に計画みたいなものはなかったんだよ。曲は自然に完成に向かっていった。アレンジとかプロデュースは、作る過程で決めていく。でも、曲ごとの方向性があるから、例えば「ファスト・フューズ」は、はじめにメロディーと歌詞をギター弾きながら作ってんだけど、そのときから“ディック・デール風の楽曲にしたい”って曲が訴えてたんだよ。そんな風に曲ごとに方向性を決めていったんだ。
──前作と比較してユニークなプロセスで出来た曲はありましたか?
サージ:う~ん、小さな部屋で機材をいじりながら書き上げたからね。例えば7曲目の「ウエスト・ライダー・シルバー・ブレット」では初めてのデュエットだったし、セルジュ・ゲンスブール的なものをイメージして作ったものなんだ。前作と違うっていえばこの曲かな。
──ロザリオ・ドーソンとのデュエット(M-7「ウェスト・ライダー・シルヴァー・ビュレット」)を決めた理由を教えて?
サージ:もともと曲を作っているときに、“主旋律にかぶせる旋律を女性に歌ってもらったら面白いかな”って思ってたんだ。でもイギリス人の女性や歌手に歌ってもらうんじゃなくではなく、何か“人の期待を裏切りたい”って気持ちがあった。ロザリオが出演してる作品はぶっ飛んでるものばかりだったし、今ならではのホットな女優だから、彼女に歌ってもらうのはサイケだな、って思ったんだよ。
──映画『ホーリー・マウンテン』にインスパイアされたと聞きましたが、どういったところに? また音楽以外のものにインスパイアされることはありますか?
サージ:ホーリー・マウンテンに関して言えば、まず視覚的にぶっ飛んだよ。あとセレブリティーや名声、キリスト、宗教に疑問を投げかける描き方など、あの時代では理解されなかった斬新なアイディアやメッセージがつまっている。今の時代、そんな常軌を逸した作品を大胆不敵に世間に投げかける人間なんていなくなってしまったように思うんだ。アンダーグラウンドでは、エレクトロのシーンで革新的で実験的なことが行なわれているけど、メインストリームには、世間に違うものの見方を提示して衝撃を与えたり実験的なことをしたりするアーティストはいないと思うんだ。だから、あの映画を観て、(自分たちの)アルバムのタイトルにしてもあっと驚かせるようなものにしたかったし、“何か魔法めいた、世間の興味をそそる作品にしたい”って思ったんだ。ただヒット・シングルを出して他の曲とまとめてアルバムにするっていうのはゴメンだったし、1枚目、2枚目と成功を収めてこられたから、3枚目もリスクを犯さずに…っていう風にはできなかった。それで失敗したとしても、自分の好きなようにやったわけだからそれでいいし。アモン・デュールの『メイド・イン・ジャーマニー』にしたって、カンにしたって、周りの流行なんて一切おかまいなしで自分の好きなことをやってただろ。今の時代にはない姿勢だと思うよ。そんなところに自分も刺激を受けるんだ。
──傑作揃いのアルバムですが、女の子に聴いてほしい曲とかありますか?
サージ:「ファイア」がお勧めだね。あんまり上品な曲ではないと思うけど、踊れる曲だから。ストリップ・ダンスやポール・ダンスに向いてる…とまでは言わないけど、綺麗に踊るというよりは下品に色気ムンムンで踊れる曲だし。
──2009年のサマーソニックではどんなライヴをしてくれますか?
サージ:そうだな。ゴジラみたいなライヴかな。
──いま、オアシスとツアー中ですね。オアシスのオーディエンスにどういう刺激が与えられるか楽しみじゃないですか?
サージ:そうだね。会場もウェンブリー・スタジアムで巨大だし、60年代のジミ・ヘンドリックス、ザ・フー、ドアーズ、スモール・フェイセズなどのまったく音楽性の違うバンドたちが集まってライヴをしていたのを思い出すよ。盛り上がるだろうし、すごく楽しみにしてるよ。
──今後追求していくことのヴィジョンはありますか?
サージ:そうだな…。まあ俺自身この先どうなるかわからないし、それだから面白いっていうとこもあるよね。まあ風向きに任せていこうって思ってるよ。
◆iTunes Store カサビアン(※iTunesが開きます)
◆カサビアン・オフィシャルサイト
この記事の関連情報
KASABIAN
Keith Richards
The Rolling Stones
SERGE GAINSBOURG
アモン・デュール
Oasis
Jimi Hendrix
The Who
The Doors
Small Faces
洋楽