シド・ヴィシャス命日、その人物像と殺人事件の真相

ポスト
月曜日(2月2日)は、セックス・ピストルズのべーシストだったシド・ヴィシャスの命日だった。ヴィシャスは30年前のこの日、麻薬の過剰摂取により死亡した。

ドン・レッツ(シドのデビュー・パフォーマンスとなったセックス・ピストルズのギグを撮影)とニュー・オーダーのピーター・フックがBBC 6ミュージックの番組でシドを回想した。

レッツはこう話している。「あいつはいつもトラブルに巻き込まれてた。マヌケだったからな。愛されるバカだったよ…」レッツは、シドの人生が狂ったのはセックス・ピストルズが名声を手に入れたのが原因だったと考えている。「あのまやかしを本物だって信じ始める奴らが現れたのが問題だった。シドはその第1人者だ」「あいつをけしかけたつもりはない。でも、世間では“奴はいまに死ぬ”みたいなヴァイヴが流れてた。そういうのって、人を追い詰めるもんだろ」

セックス・ピストルズのパフォーマンスを見たことがベースを始めた理由のひとつだったというフックはこう話している。「シドはものすごいニヒリストだった。何も信用していなかったし、何も誰もリスペクトしていなかった」

シドは、死の数ヶ月前ガールフレンド、ナンシー・スパンゲンの殺人容疑で逮捕されている(レコード会社が多額の金を払い保釈)。彼の死後、警察は調査を打ち切っており、シドが彼女を殺害したと考える人も多いが、シドの死30周年を記念し、この事件の真相に迫った映画『Who Killed Nancy?』が公開される。

監督のアラン・G・パーカーは、1985年、パンク・ロック・ジャーナリストとして働いていたとき、シドの母親から息子の無罪を証明して欲しいと頼まれたという。パーカーは、証言を集めるうちにシドの潔白を信じるようになったそうだ。では一体、誰がナンシーを殺したのか? パーカーは「マイケルという人物だと思う」とBBCのインタヴューで答えている。「そいつは大金をちらつかせ、部屋に押し入ったと言いまわっていた。(ナンシーが殺害された)夜も部屋で目撃されている。そして金は、ナンシーのヘア・タイでくくられていた」

『Who Killed Nancy?』は今週金曜日(2月6日)よりUKで上映される。

Ako Suzuki, London
この記事をポスト

この記事の関連情報