金融不安により、U2タワーの着工延期

世界的な金融危機により、ダブリンに建設予定だった“U2タワー”の着工が暗礁に乗り上げている。同ビルには屋上にU2のスタジオが入る予定で、その高さは120メートルといわれ、アイルランド1の高層ビルになるはずだった。

すでに2007年、ノーマン・フォスターによる設計図が発表され、年内着工（2011年完成）予定だったところに、この金融危機。同地域の開発を進めていたDublin Docklands Development Authorityは「アイルランドの住宅市場の不振と景気後退により、現時点でこのプロジェクトを進めていくのは不可能となった」との決断を下した。

“U2タワー”には、U2のスタジオだけでなく、高級ホテル、アパートメントなどが入る予定だった。アパートメントは一時期、2ベッドルームで1億円程度の価格がつくだろうと予測されたこともあったが、住宅の価格が暴落し人々が売買を控えているいま、そこまで強気な売値はつけられないだろう。

同プロジェクトの投機には、U2のメンバー全員、およびマネージャーのポール・マクギネスも関与している。Dublin Docklands Development Authorityは、計画を完全に中止したのではなく、1年以内に見直したいと希望しているそうだ。
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Ako Suzuki, London