ジョセフ・ウィリアムズ インタビュー

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ジョセフ・ウィリアムズ インタビュー Part.1




ジョセフ・ウィリアムズといえば、映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズの息子、そして来日公演の記憶も新しいTOTOの3代目ヴォーカリストとして有名なシンガーだ。TOTO脱退後は、様々なジャンルでセッションヴォーカリストとして活躍しているジョセフだが、その最新作が、彼の音楽の基礎となったロック、ポップスの名曲をカヴァーした2枚のアルバム、『Smiles』と『Tears』だ。どちらも、ピアノとヴォーカルだけで、曲の持つメロディの素晴らしさをシンプルに表現した名曲集だ。TOTOの来日公演にも急遽参加したジョセフに、このアルバムのこと、次作のこと、そしてTOTOについても話してもらった。

――昨夜のTOTOでは素晴らしいパフォーマンスでした。終わったのは夜11時ごろ、まだ10時間ちょっとしか経っていませんが、疲れは残っていませんか?

ジョセフ・ウィリアムズ(以下ジョセフ):ああ、ありがとう。大丈夫だよ。昨夜は最終日だったからお祭りみたいな雰囲気だったね。長いショウだったけど、誰もが楽しんでた。以前僕がTOTOにいたときは毎晩3時間もやってて、声が出なくなったこともあったけど、あれからずいぶん経験も積んだから今はそんなことはないんだ。でも昨夜はホントに楽しかったな。アドリブも多くて、全然関係ないところでルークに引っ張り出されたりしたけど(笑)。

――日本のファンの前で歌ったのは久しぶりですね。

ジョセフ:ホントにそうだね。TOTOと一緒なのは20年ぶりだなんてまったく思えないほど、みんな歓迎してくれてうれしかったよ。日本のファンはいつも温かいね。国際フォーラムという会場も最高だったし、すべて含めていい経験だったよ。

――「パメラ」や「ストップ・ラヴィング・ユー」はやっぱりあなたのヴォーカルがぴったりで、会場もすごく盛り上がっていました。

ジョセフ:「パメラ」はデヴィッド・ペイチと僕の二人で作った曲だから、僕の子供みたいなものさ。それを歌うことができて、そしてみんなに喜んでもらえたなんてすごくうれしい。今回ポーカロ兄弟はいなかったけど、彼らとは幼なじみみたいなものだし、僕にとってTOTOは特別な存在なんだ。だから彼らと一緒にパフォーマンスできたのはすごくうれしかったな。

――20年前よりパワフルになったように聴こえましたが、なにか特別なトレーニングでもしていたんですか?

ジョセフ:50歳を目前にしてそう言ってもらえるのはとてもうれしいな。でも別にトレーニングをしてるわけじゃないし、たぶん経験によるものだろうね。自分の喉や声との付き合い方がわかってきて、どこで力を入れてどう力を抜くけばいいかがわかってきたんだよ。以前TOTOでやってた20代のときは、ただがむしゃらに歌ってたけど、今はコントロールできるようになってきたんだね。

――今回の『Smiles』、『Tears』は全曲カヴァー、そしてピアノとヴォーカルだけというスタイルですが、どうしてこういうアルバムを作ったんですか?

ジョセフ:まず、僕が今まで影響を受けた音楽、リスぺクトしている音楽に対して、恩返しのようなことがしたかったんだ。それで、自分のライブラリにある素晴らしい曲の中から、とくに好きな曲の好きなメロディを歌うことにしたんだ。そして色々な人たちが多くのアイデアを持ち寄った。たとえば僕のマネージャーでプロデューサーのジョーイは、これが僕の歌を色々な人に聴いてもらうよい機会だと考えていたし、日本からは『Smiles』と『Tears』という二部構成で作るというアイデアをもらった。それでこの2枚が出来上がったんだよ。

――あえて凝ったアレンジをせず、原曲の雰囲気に近い形にしたことで、ジョセフの歌と曲のメロディ、その両方の素晴らしさがダイレクトに伝わってくるような気がします。

ジョセフ:うん、その通りだね。アレンジはいくらでもできるし、実際、自分なりのアレンジでカヴァーをやってる人もたくさんいる。それはとても楽しめるし大好きだよ。でも今回僕は、なにより曲のよさをわかってもらいたかったんだから、原曲に忠実なアレンジでやってみた。だからそう言ってもらえるのはすごくうれしいよ。

――選んだ24曲を『Smiles』と『Tears』の2枚に分けたのはどうしてですか?曲調だけでいえば、必ずしも明るいものと暗いものという違いではなさそうですが。

ジョセフ:そうだね。たまたまこういう名前の2枚に大まかに分けたと考えてもらってもいいよ。『Smiles』の中にもメランコリックでマイナーな曲調のものもあるしね。ただ、『Smiles』に含まれている曲は、どれもポジティブな歌詞なんだ。そこが重要なポイントかな。

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