『ツァイトガイスト』を斬る7つのワード 03/07

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「再結成への挑戦」 by ビリー・コーガン & ジミー・チェンバレン

僕らが何を言っても、やっても、誰も僕らが本当に(再結成を)やろうとしているんだってことを信じてくれなかった。

みんな常に口ごもって、「そうなればいいと思うけど、でも実現したら信じる」みたいな雰囲気で、恐らく、g&r(*ガンズ・アンド・ローゼズ)みたいに思っていたんだと思うけど、そうそう、アルバム作るんだってね、そうそう、カムバックするんだってね、うん、いいんじゃない、みたいな感じだったんだ。

それってすごく変だなあって思ったんだ。自分が作ったバンドなのに、すでに自分の作ったバンドじゃないような気持ちにさせられたからね。まるで、自分の遺産からはすでに切り離されてしまったみたいな気持ちになったんだ。

遺産っていうのは、ちょっと大げさな言葉だとは思うけど。でも、自分が成し遂げたことすらもう自分の手の中にないという。自分で、窓から投げ捨ててしまったから、自分にはその資格はもうなかったんだよね。

すごく奇妙な気持ちになったんだ。

ビリー・コーガン


頭をかきながら、お互いの顔を見合わせて、一体こんなこと可能なのか?って思った時もあった。

だけど、始めて1ヶ月半くらい経ったところでターニング・ポイントが来て、昔に戻って、過去の火を再燃させるのではなくて、自分達が何を感じているのかを本当に曲に反映させられるようになったんだ。新たな火が燃え始めたんだ。

僕らが何を演奏するのかという曲そのものではなくて、曲は曲でしかないからね。そうではなくて、自分達がその曲にどんな感情を抱いて、いかにその曲を特別なものにするのか、ということだったんだ。例えば僕は、エルヴィン・ジョーンズみたいなドラムのアプローチをしようと思ったんだ。

つまり、友達の悩みを電話で聞いてる時のような、情熱を持ってサポートしようとしたんだ。

ジミー・チェンバレン
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