<FRF'06>トリスタン、雨さえ◎なオーガニックライヴ

ポスト
ついにくすぶっていた雨が振り出した2日目。雨対策万全のフジロッカーズのレイン・ウェアが赤・青・黄色とカラフルに会場を彩る中、フィールド・オブ・へヴンに南カリフォルニアからやってきたサーファー・ガール、トリスタン・プリティマンが登場した。

今回のライヴでは、ギター&ヴォーカルの彼女に加えてベースとドラムの男性2人のサポートも登場し、シンプルな3ピースでライヴを行なった。雨が振り出したにも関わらず、彼女はそのことに一切ふれずに笑顔で“Beautiful”と何度も繰り返し、完全にフジロックを堪能している様子。自然を愛する彼女には、雨なんてなんでもないようだ。そんな彼女につられ、雨さえも心地よい温かなムードが会場に満ちていた。

彼女が弾くアコギの音も彼女の歌声も非常に柔らかで、まるで小波が行ったり来たりするようなリズムで空間を刻んでゆく。シンプルでナチュラルなスタイルの彼女だけに、ステージには派手さこそないが、小波から気づかないぐらい緩やかに力強いセッションへと展開を見せるなど、ライヴ・パフォーマンスは◎。まった~りと始まったライヴも、ラストの曲「ラヴ・ラヴ・ラヴ」を迎える頃には、気づけばアップ・テンポなライヴへと変貌しており、オーディエンスも大盛り上がりだ。

サーフ・ミュージック・ブームの最中に“ジャック・ジョンソンの妹”という名のもとに姿を現した彼女。しかし、その謳い文句ももう必要なさそうだ。十分に個性があるし、アーティストとしての力量もある。ライヴでは半分が新曲をプレイしたあたりからも、そう遠くなくニュー・アルバムが期待できそうだ。素晴らしい作品を作ってくれるに違いない。

取材・文●Sugio

2006.07.29 @ Field Of Heven

1.Evaporated
2.Always Feel This Way
3.Handshake Agreement
4.Guest Check
5.Smoke
6.Story
7.Echo
8.The Kiss
9.Simple As It Should Be
10.Void
11.Please
12.Love Love Love


FUJI ROCK FESTIVAL '06特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000025344
この記事をポスト

この記事の関連情報