クリス、新聞にフェア・トレードを訴える記事を掲載

コールドプレイのクリス・マーティンが、『Daily Mirror』紙にフェア・トレードを訴える記事を掲載した。ガーナを訪れ、農民から直接話を聞いたというマーティン。現地の様子をレポートしつつ、フェア・トレードの必要性を訴えた。

『Make A Big Noise To Save The Poor（貧困を救うために大声で叫ぼう）』と題された記事で、マーティンはこう綴っている。「（ガーナで出会った18歳の農民）ニャバは、以前は政府の所有する缶詰工場へトマトを卸してた。それなりの金を受け取っていたよ。それが今、その工場は閉鎖され、地元の市場ではイタリア製の安いトマト缶が売りに出されてる。ニャバは補助金のことを知らないし、どうしてヨーロッパの農民がこんなに安い製品を作れるのか理解できない。でも、こんなに安い輸入品があるなら、自分の作ったトマトはもっと安く売らなきゃいけないってことはわかってる。種と肥料にかかった費用にちょっと上乗せしただけの値段でね。もし結婚なんかしたら、それで家族を養わなきゃいけないんだ。だから彼は、自分が結婚することを想像できない。そして当然のこと、将来に不安を感じている。この何年間かOxfamと一緒にガーナやハイチ、メキシコなんかを回ったけど、ニャバみたいな人々にはたくさん出会った。僕と同じ歳のフランコイスは、安いアメリカ製の米が市場に出回ってるから、自分の米を売ることができないんだ」

「テレビで彼らの貧困状況を見ても、現実感がないかもしれない。でも、実際に彼らに会ってみると、自分たちと共通点がいっぱいあるのがわかる。僕は現状を変えられると思ってる。今年、世界中を回って、この問題を解決しようと政治家にプレッシャーをかけている人々にたくさん会った。僕たちひとりひとりは大したインパクトがないかもしれない。でも一緒なら、大きな声で叫ぶことができる」

マーティンは今週、香港で開かれているWorld Trade Organisation（世界貿易機構）の官僚会議でさらなる進展が見られることを期待しているという。

コールドプレイは水曜日（12月14日）、ロンドンのアールズ・コートからUKツアーをスタート。今年116カ国でパフォーマンスしたというマーティンは、観客を前に「家に戻れて嬉しいよ」と話したという。

Ako Suzuki, London