ヨンネ:なんといってもニルヴァーナの『ネバー・マインド』さ。初めて「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」を聴いた瞬間から、振り返ることはやめて前進あるのみ。僕のジェットコースターのような人生が始まったんだ。
ジェイ:ニルヴァーナの『ネバー・マインド』だ。オレにとってだけじゃなく、音楽界にとっても重要なアルバムだろ? このアルバムのおかげで新しいサウンドが生まれたからね。
ラリー:ガンズ・アンド・ローゼスの『アペタイト・フォー・ディストラクション』。彼らの最初で最高にインパクトのあるアルバムだし、これを聴いて、オレもロックな人生を歩みたいと思ったんだ。
クリストゥス:オレの人生を変えたのは音楽じゃなくて女の子だからなぁ…。あえていうなら、ネガティヴのアルバムだ!
スナック:キッスの『デストロイヤー』。最初はカバーを見てビックリ。音も最高で、「ベス」や「デトロイト・ロック・シティ」なんかのように、一枚のアルバムの中に全て聴きたい音楽が入っている。オレは小さな頃からクラシックを習ってたせいもあって、クラシックばかり聞かされてた。キッスに出会ったことで、こんなに楽しい世界があることに気付いて、ロックにどっぷりはまってしまったんだよ。
アンティ:フィンランドのロックバンド、ディンゴの「皮ジャンを着た女の子」っていう曲なんだ。オレがまだ小さい頃、皮ジャンにサングラスをかけた写真が残ってるんだ。そういう思い出もあって、このバンドが好きなんだよ。
NEGATIVE初めての単独来日コンサート・ツアーが渋谷Club Quattroで行なわれた。会場はほぼ満員。総合的に観て、このコンサートは彼らの魅力を十二分に伝えてくれた素晴らしいものだった。2004年4月の東京・原宿アストロホールでのライヴでは、日本のファンへのアピールという点でぎこちなさが目立ち、せっかくの良い曲を表現するライヴ・パフォーマンスが十分だったとはいえなかった。それが夏の<SUMMER SONIC 2004>で耳の肥えたリスナーにもまれ、一皮向けたのだろうか。今回のコンサートでは、ヨンネが動き回って観客を煽り続け、ドスの効いたヴォーカルでハードかつメロディアスに歌う。それをサポートするラリー、クリストゥス、アンティーのプレイやパフォーマンスも申し分なく、バンドとしての一体感が感じられた。音の厚みはキーボードのスナックによるものが大きく、ヘヴィなギターサウンドをサポートするクラシカルな音色も楽曲をぐっと引き立たせていた。 キラーチューンでの一層の盛り上がりがあれば、観客の満足度ももっと上がるに違いない。良いバンドは常に今以上のものを求められる。それを実現できる才能に溢れたバンドだからこそ、次なるステップへ進んでほしい。そんな未来を楽しみにしたいと感じられた夜だった。
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